20代~30代のキャリアを考えるブログ

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ITコンサルになったら、うつ病になって2年間療養している話

ITコンサルとして多くの人が就職し、火事場の中で日々格闘しています。過酷な環境である場合もあり、人によっては体調を崩してしまいます。今回、ITコンサルとして2年勤務したのちにうつ病を発症し、2年間療養している方にインタビューさせていただきました。後半の展開が衝撃的でした。

ITコンサルになった理由はなんとなくかっこよさそうだったから

-体調が悪い中お時間ありがとうございます。自己紹介をお願いします。 

私立大学の大学院で情報系の修士号を取得した後に大手IT企業でITコンサルタントとして2年間働いた後、体調を崩し、現在まで2年間療養しています。

-就活の話から伺わせてください。どのような軸で就活をしたのでしょうか。

WEB系の企業やIT企業でアルバイトをしていました。周りの友人の飲食店のバイトより時給もよく、また時代的にもITが産業として伸びているところだったので、IT業界を受けようと思っていました。また、情報系だったので、ITに関する理解度も比較的高かったのもあり専門性が生かせる仕事だと思っていました。 

-ITの中でもコンサルタントを選んだのはどうしてでしょうか?

学生時代のバイトで受注の仕事をしていたのですが、ただ、言われていることをこなすことにはあまり興味を見出せなくて。ITコンサルは自分で要件定義をして、自分で作るものを考える仕事だと思っていた(勘違いしていた)のでITコンサルに自然と惹かれていきました。 

後はコンサルタントって響きがかっこよかったですね。ITを勉強していたにもかかわらず、ただのミーハーな学生だったためあまり良く考えずに選んでしまったというのは反省としてあります。

-当時はDeNA、GREE、サイバーエージェントといったソーシャルゲームやWEB系の企業も採用が活発で給与も高かったと思います。その企業群はうけなかったんですか?

受けましたがおちましたね。ソーシャルゲームのエンジニア採用はレベルが高く、私はどちらかといえばにわかエンジニアに近かったので必要な技術力が足りなかったです。もちろんITコンサルの方がかっこよさそうだったので、本腰を入れてうけたわけではありませんでした。

-勤めていらっしゃった企業は誰もが知っている大企業ですし、TVCMやJRの広告をはじめ目にする機会も多いですよね。その企業は第一志望でしたか?

受けている中でそうなりましたね。先端技術を取り入れており、オープンソースも活用していますという触れ込みで技術力が高そうだなと思いました。入社してみたら他社が開発していた製品使っていたので、理解が足りない部分がありました。 

-同期は優秀でしたか?

60~70人いたんですが、あまり優秀だとは思いませんでした。実はプログラミング経験ある人がほとんどいなくて数人をのぞいて、いわゆる素人を採用していました。入社してのギャップでしたね。NTTデータも、プログラミングの素養がある人をとっているというより安定した環境と収入を求めて高学歴層が来ている印象なのでそこに近いかもしれません。

スマートに物事を考え、プログラミングする環境ではないなと思いました。だからといってそれが嫌というわけでなかったです。

-入社して行った仕事を教えてください。

大手百貨店のシステムに携わりました。とても大きい企業の担当でしたが、そのクライアントだけで働いていた会社の複数の部門が存在しており、私は、全体のシステムの効率化を行いました。そのお客さんが抱える、販売実績管理、顧客データ、独自のオンラインサービス情報等々の複数システムが存在し、それぞれのシステムがバラバラだったので共通化しようと試みました。

人よりプログラミングができたこともあり、最初から1人で任されて比較的放置プレーでしたが毎日覚えることもあり楽しかったです。

結局、私の面倒を見ていた上司が、別のシステム導入で忙しく、私のシステム共通化の仕事は実行の許可がおりず提案だけして終わった3か月でした。結局コードを触ることもなく、ひたすらパワーポイントを描いていました。

希望通りの配属にはならず

-元々、大きいクライアントの担当をしたかったのでしょうか?

最初は小さいクライアントがやりたいといっていたのですが大きいクライアントになってしまい残念でした。同じクライアントを結局2年間担当したので他のクライアントもしたかったですね。そのクライアントは、10年以上の付き合いがあるため新しいことというより細かい改善が多く、ITコンサルタントというよりただのSEだな、と思わずにはいられなかったです。

-次のプロジェクトはどのようなことをしたのでしょうか?

私の会社の開発部隊が開発するための開発環境を開発する仕事です。平たく言うと、社内SEですね。環境構築が仕事でした。お客さんの要望を聞くことや、要件調整は全部上流の方で行っていました。

-社内開発のための環境構築であれば、これまでのものがあるのでは?

開発用のツールが常に進化をしつづけてプロジェクトごとにそのときに最適なものを使うため、使うツールが違えば環境も変えないといけないので、必要はありました。一方、人が恒常的に抜けていたこともあり、全くこれまでのことが引き継がれておらずゼロからやらなくていいこともゼロからやっていたのは事実です。お客さんにはずっと10年以上ついているのであればもっとノウハウはたまっていても良かった気がします。

-働いている中で不満が徐々にたまっていったのでしょうか?

働いている中でなんのために働いているかわからなくなりました。そこやる意味ある?だったり、これお客さんのためになるの?っていうことが頭の中で思い浮かび始め、仕事をすることが少しずつつらくなっていきました。

会社も、少なくとも私のクライアントチームはドライで交流も少なかったため上司とじっくり話すこともありませんでした。ちなみに上司は悪い人間ではありませんし、仕事もできる人でした。私の方から上司に不満を伝えておけばよかったです。どうしても自分が悪いと考える傾向があり、人のせいにできたらよかったかもしれません。とはいえこのころは体調を崩すことはありませんでした。

-労働時間も長くなっていた?

インフラを整えたり、開発まで手助けしたりすることもありました。土日出勤もするようになりました。といっても残業は80時間程度だったので劇的に多かったわけではありませんでした。同時タイミングで、元々アクセンチュアが開発していたシステムの引き継ぎ作業があったのですが、アクセンチュアとの引き継ぎがうまくいっていませんでした。上流での設定がうまくできていなくて炎上しはじめました。

しかし、なんとか炎上をみんなで協力して抑えこみ、お客さんに納品することができました。

やる意義を見失いうつ病に

-その後はどういったプロジェクトに?

同じクライアントが保有する一般ユーザー向けの百貨店内に設置する端末に新しいシステム導入をしました。ユーザーが入力したデータをいったん、私の会社が保有するデータベースに入れて、それをクライアントが保有するデータセンターにきちんと移送されるかの検証をしました。

このときから以前もっていた、エンドユーザーが見えない仕事を延々とやっていることが徐々につらくなり休みがちになりました。がんばったことも一緒に共有していなかったので、ただ作業をしている感じになりこの仕事のミッションはと深く考え込んだことで体調が悪化しました。とうとう無断欠勤しはじめ、上司に連絡し、休職をすることになりました。

病院にいったらとうとう、うつ病と診断されました。

-しばらく休んでも体調は戻らなかったのでしょうか?

4,5カ月休みましたが体調が戻らず、立ちくらみも続き外に出られなかったので退職を会社に伝えました。社会人3年目に突入しようとする桜の季節でした。

そこからは失業保険で暮らすようになりました。幸い、実家だったのでゆっくり療養はできました。それでも体調はよくならず、病院で様々な治療を施してもらいました。1回6万円の保険適用外の磁気治療もしました。

その後わらにもすがる思いで、紹介された鍼灸師のもとへ行きました。その鍼灸師は1回2万円で高額なうえにスピリチュアルなことを語っているのでただただ怪しさを感じました。

ただ、私には選択肢がなかったのでその治療を受けました。

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するとどうでしょう、体調が劇的に良くなりました。「悲しみがたまっている」と言われ、怪しい人でしかなかったのですが色々試しても体調がよくならなかったにもかかわらずその鍼灸師のおかげで体調が戻りました。

まったく信じていなかったのに、その改善を体感してしまったから、もう科学で説明できないことを信じざるを得ないわけです。新興宗教にはまる人も効果の大小はあれど同じ気持ちかもしれません。

-その鍼灸師のもとにはずっと通ったのですか?

いえ、一回の治療で治ったのです。もう一回だけ挨拶かねていきましたが、それっきりです。このころから外に出られるようになり、人と話すのが全く怖くなくなりました。自分が神になった間隔ですね。

リハビリかねてネットで見つけた何かわからない集まりに参加もしだすようになりました。そこで出会ったのがネ〇トワークビジネスです。

-ネットワーク?!急ですね。

かの有名な、アム☆〇□(*編集部による伏字)です。そこで商品を数十万買ってしまいました。押しに弱いことと儲かっている人を実際に目の当たりにしたので自分でもやってやろうと思いましたが、友達をだませるような性格ではなく結局製品を買っただけで一円も儲かっていません。

やっぱり、こういう世界は自分にはあわないなと痛感しました。一方でコミュニケーション能力があり、体育会の人は実績を出していて高い収入を得ていたので向き不向きがあるのでしょう。ただ、そのときは収入も少なかったので、儲かると言われたらやる以外の選択肢がありませんでした。

-今はもうやめたんですか?

はい。完全にやめました。

体調不良からキャリア観が変わる

-本ブログはキャリアブログなのですが自身の今のキャリアへの考え方は変わりましたか?

かなり変わりました。もう普通ではないです。いい高校、大学と受験戦争を勝ち抜いてきてエリート志向だったのですが、もうその人生は違うなと。収入のために生きる生活は違うなと。

鍼灸師のおかげで科学では説明できないことを体感し、怪しいビジネスを目の当たりにし、個人事業主で成功している人も目にし価値観が変わりました。自分が知らないだけで、知ってみると違う世界があるなと。

ロジックの限界を超えると危ない橋を渡ってそこに賭けてしまいます。多くの場合その橋は途中で崩落しますが、たまにわたりきれる橋が存在します。そしたら今度はその橋にみんなが群がり、橋は重さに耐えかねて崩落し、また次の渡り切れる橋を探す。そんな世界です。

-それでもああいうネットワーク系は怪しいかと私自身は思います。

それは未知を恐れているだけで、知ったら本当のことが分かると思います。怪しいかどうかは自分の目で一度確かめる必要はあります。ネットワーク系は怪しいかもしれませんが、もしかしたら、私が会った鍼灸師のような存在がいるかもしれないわけです。

-なるほど。今は何かに大きなお金を使ってはもういないんですね。

あまり大きな声で言えないのですが、この前、お金を預けたら増やして返してくれるという人をセミナーつながりの人に紹介してもらいました。その人に100万円を預けました。

-それはだまされているのでは?

毎月、5万円ずつ帰ってきており、20万円はすでに戻っていますし、元金の2倍近くになるようです。(*2017年10月に確認したところ順調に帰ってきているとのこと)

-当初のインタビュー趣旨から大分それたため深入りはもうやめようと思います。今後やりたいことはありますか?

 ようやく体調が回復してきたので間もなくきちんとした企業で働こうと思います。高いスキルではないものの雇ってもらえる能力は身に着けていたので、よかったです。将来的には、社会起業をしたいと思います。

-ありがとうございました。

編集後記

公開することを躊躇したがリアルを伝えるのが本ブログの趣旨だと思い本人の確認を経て掲載した。事前にネットワーク等々の話を聞いていなかったため取材した私自身も驚いた。

体調を崩し、別の世界で生きる道を探すことも重要だと思った。体調を良くする方法は専門家ではないので病院にお願いするしかない。無理にがんばりすぎると体調が戻らなくなってしまうので、とにかく大変だと思ったら躊躇なく休むといいだろう。

あまりインサイトが得られない内容になってしまったがご了承願いたい。

(*なお本記事はITコンサルを批判する意図は全くない。)

コンサル転職希望者は下記の記事をご覧いただきたい。

この1冊ですべてわかる ITコンサルティングの基本

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また再就職等で悩んでいる方がいたら下記記事も参考にしてほしい。