就職活動が落着きはじめ大手はほとんど内定が出そろった。水面下の動きも激しく、5月末から6月1日にかけての企業と学生の攻防は今年も見物であった。さて、複数内定が出そろったところで改めて考えた結果ベンチャーに行く方もいるだろう。
- ベンチャーの定義について
- ベンチャー企業に行って後悔する人が後を絶たない
- なぜベンチャー企業に行って後悔するのか
- 新卒ベンチャーに行ってはいけない理由
- 新卒ベンチャーに行っていい人
- ベンチャーを選ぶときの注意点
- ベンチャーですでに失敗したなと感じている人は
ベンチャーに行く場合は考えてほしいので筆をとらせていただいた。 ベンチャーというと定義が色々あるだろうが、人数と売上が小さい企業だ。具体的にどれくらいかといわれると難しいが、DeNA、サイバーエージェント、メルカリといった企業群はビジネスとして大きくなっているためベンチャーというとらえかたは違ってくるだろう。
ベンチャーの定義について
同様に上場して3,4年たっている企業もある程度組織がしっかりしてきているところのため今回のベンチャー企業からは外させていただく。売上20億円未満、人数100人未満、設立10年未満の企業を今回取り扱うベンチャー企業としてほしい。
ベンチャー企業に行って後悔する人が後を絶たない
ベンチャー企業に行って将来は起業をしたいと言う学生を毎年目にする。就職活動では、コンサルや商社、損保といった有名企業に内定したにもかかわらず、起業のためと大企業をあっさり辞退する。
その後、ベンチャー企業に就職する人の多くが企業をすることなく転職をして、2,3年ごとにコロコロキャリアを変えている人を見ている。ベンチャー間の転職はポジションアップでないと厳しく20代でベンチャーを転々とするのはおススメしない。
ベンチャー企業に行く前のモチベーションが消えてしまい、いつしか、起業をして事業を作るという目標を失い、一社員として大手企業で死んだ魚の目をしている人と同じ状況になってしまう。
なぜベンチャー企業に行って後悔するのか
起業をして成功するのは、大企業経由での起業もしくは、学生企業の2つが主流となっており、ベンチャー企業出身で起業成功者がまだまだ少ない。
Yahoo!、DeNA、サイバーエージェント、GREE、楽天といったメガベンチャー~大手インターネット企業クラスからの起業成功者は多くいる。GREEの田中良和氏は楽天の初期エンジニアであることは有名だろう。
しかしながら小規模のベンチャーから成功した事例はなかなか耳にしない。多くの若者は、小さいベンチャーに行き、起業家志向がとてつもなく高かったにも関わらずだ。
その後、後悔しベンチャー企業で低賃金で働く都合のいい、そこそこ優秀な人材となっているのは見るに堪えない。
新卒ベンチャーに行ってはいけない理由
新卒ベンチャーに行ってはいけない理由は「お金」であると思う。ベンチャー新卒の年収は300~500万円だ。日系大手企業も同じくらいなのだが福利厚生や寮などの生活コストを考えるとベンチャーは低年収になる。
また、2年目からは大幅に年収があがっていく日系企業が多くますます差がつく。 年を経るごとに大学時代の友人との格差が広がり、普段の飲み会や飲食店のチョイスで差がではじめ、ベンチャーに何で入ったか考え始める。
大したことがないように思えるがベンチャー企業で家賃10万円の家に住み、週1,2回飲みにいき、たまに旅行すると本当に金がなくなる。家賃を下げて、生活費をきりつめ旅行に行かなければよいというが友人たちが同じことを していたのであれば自分だけ我慢するのはつらいだろう。
新卒時の給料が低いと精神衛生上よくない。そのためいくら成長をうたっていてもベンチャーに入ってジリ貧になるのは避けてほしい。
もし、仮に実家暮らしができて、家がそこそこ裕福なのであればベンチャーに行くことはノーリスクなのでぜひ挑戦してほしい。富裕層こそベンチャーにチャレンジすることで 大きな挑戦ができると考えている。
新卒ベンチャーに行っていい人
もちろん新卒でベンチャーをお勧めしたい方もいる。自分で仕事を作り出せるタイプの人はベンチャーに行ってもよいだろう。実はこのタイプの人は大企業に行っても活躍する。
大企業でもベンチャーでも本質は同じで受け身にならず自分の仕事をいかに作り出すかで決まる。一年目で言われた仕事をしているだけなので自分から仕事を作り出すのが無理という人もなかにはいるが 他部署のプロジェクトに勝手に首をつっこんで、仕事をもらう大企業で活躍する若者もいる。
このようなタイプの人はベンチャーにいっても十分に活躍できる。 ベンチャーのほうが裁量権が大企業より大きくなりがちなので、自分で仕事を作れる人は、ぜひベンチャーにいってほしい。
自分で仕事を作り出せない人はベンチャーに行くことは絶対にやめておこう。転職においても同じことが言えて、ルーティーンを好む人や自分から提案をしない人はベンチャー転職で失敗してしまう。
ベンチャーを選ぶときの注意点
ベンチャー企業に行く場合の注意点を簡単に述べる。
1.既存の柱事業の営業ではないか?
売上の大半(9割程度)を占める既存事業のルート営業に回されるのはつらい。
SEOや広告運用の基礎知識が身につくのであればよいが、ただ営業してビジネスの仕組みを知るような状態であると避けたほうがいい。既存のルート営業であれば大企業とすることが一緒になってしまうため、そうであったら、ネームバリューと年収のある大企業をすすめたい。
既存ではなく、成長している事業や新規事業のほうがベンチャーに入った意味が見いだせる。その後、既存事業の企画やマーケティングにまわるのであればよい。仮に起業しないのであれば新卒で入ったベンチャー企業に残ってストックオプションをゲットし、行使できるまで残ったほうがよい。
ストックオプションは取得してから実際行使できるまでに、数年はかかり、全額行使となると5年程度は必要になる。
よって長期的なキャリアを新卒で入社したベンチャー企業で描く場合はストックオプションも考慮にいれておくといい。在籍年数に応じてもらえるため長くいたほうが得なのだ。
まぁ、金のためにベンチャーに残るのであれば最初から大企業に入ったほうがいいのであまり金金するのはもったいない。
それでも、ストックオプションの支給の段階になったら細かい数百万円のことを気にし始め長期的な視野がない、もしくは、 大企業にはるかに賃金で負けていることを忘れてベンチャーに入ったことを忘れている。
ベンチャー企業ではストックオプションを渡す人とそうでない人が発生し、もらった人はある程度認められているという認識なので、もらった場合は継続して会社に残ろう。 もちろん、全員にストックオプションを配布する企業もあるためまちまちだ。
2.上司、もしくは上司の上司は社長か?
社長や経営陣と距離が近いことはベンチャーにおいては大事だ。レポートの構造が複雑もしくは、複数人になっているとせっかくベンチャーに入った意味がない。
意思決定はとにかく早くそして、提案者が主体的に動ける状況が望ましいので、最終責任者と意思確認がうまくとれるような状況に最初からしておこう。 ベンチャー企業でヒエラルキー構造がしっかりしているところだけは避けよう。
ベンチャーですでに失敗したなと感じている人は
現在は、ベンチャー企業から大企業への転職も用意だ。市場を見ているとベンチャーでの経験を大企業が評価することも多い。
背景には、デジタル系の部署を設立したこと、ベンチャーキャピタルの設立、ベンチャー企業との業務提携といった、新時代のトレンドに合わせるためにベンチャーの血が通った優秀な人材を欲しがる。
大企業に行く場合に気を付けるべきことは礼節をしっかりすることだ。ベンチャー企業ではいろいろと緩かったことも大企業では厳密にルールを守らないといけないこともあるので気を付けよう。
実際にベンチャー企業から大企業もしくは、ベンチャー間での転職(ビジネスサイドでの数年おきの転職はあまりすすめないが)をするなら、BIZREACH(ビズリーチ) に登録は絶対にしよう。
ベンチャー企業間の転職ならポジションアップを狙ってほしいので、ポジションアップをするなら、BIZREACH(ビズリーチ)一択だ。ベンチャー系の年収アップも可能だ。意欲のある人には非常によいチャンスがふってくるはずだ。
一方、労働マーケット自体の理解がベンチャーの方は乏しいので、まずリクルートエージェントに行き市場の理解はしておこう。 ベンチャーにしろ大企業にしろ労働環境の理解は必要だ。
リクルートエージェントに行く時間がなければ、リクナビNEXTでも構わない。 挑戦している方が少しでも楽しい環境で働けることを祈っている。今日は以上だ。