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【20卒向】外資系投資銀行、戦略コンサル、外資系メーカーの内定を獲得した内定者による就活攻略法

はじめに

 今回は、外銀2社、外コン2社、外資系メーカー1社から年内に内定を頂いた筆者がどのように就活を始め、どのような選考を受け、どのような対策をすることで各業界から内定を頂けたのかを紹介していきます。 

 本音を言いますと、筆者の第一志望は外資系ではなく、総合商社です。しかしながら、外資系のインターンへの参加実績や内定があると少なからず選考が楽になります。

 例えば企業の説明会やES提出段階で明らかにインターン参加実績や内定があると優遇されますし、何より自分の成長が実感できます。 

 私の場合、夏休みはMorgan Stanleyをはじめとする外資系投資銀行複数社、ATカーニーをはじめとする外資系のコンサルティング会社複数社のインターンに参加しました。また、1月以降にも三菱UFJモルガンスタンレー証券、みずほFGのM&A業務の日系証券会社2社のインターンに参加しました。

 投資銀行については、フロント部門に参加しました。サマーインターンに参加した結果、外資系投資銀行から2社、戦略コンサル1社、総合系コンサル1社、外資メーカー1社から内定を獲得することに成功しました。

 

私が早めに就活を始めた理由

 最初に述べましたが、私の第一希望は日系の総合商社か、日系の金融機関です。一見、そこまで早くから就活を始めなくとも、他の学生と同様に3月から就活を始めればよいのでは、と思う方もいらっしゃるかもしれません。

 

そんな中、総合商社が第一希望の筆者からすると、就活開始とされる3月から合同説明会に行きOBOG訪問を行っている学生はすでに大幅に遅れているといえます。

 

 外資系企業の選考 は、一般的な就活解禁とされる3月にはほぼ終わっており、日系企業であっても囲い込みや、インターンが開催されています。選考の面でも、もちろんですが、やはり早期に外資系のジョブや選考を経験している学生と一般の学生は能力面でも明らかな差が生まれています。

 

 例えば合同説明会のような多くの学生が集まる場に出ると、やはりインターンや選考を受けることで逆質問をいくつも考えてきたうえ、選考で突飛な質問に対応して内定を持頂いた私としては他の学生とは受け答えの内容が明らかに違うように感じます。

 

 そして何より、早くから選考を通じて大変な思いをしてきた筆者としては彼らに負けるわけがない、という自信をもって就活できています。

 

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 私が早くから就活を始めた理由はただ一つ、それは自分の実力に自信がなかったからです。東大所属でもないですし、プログラミングのようなITスキルもありません。更に体育会系の部活も途中で退部してしまったため、特に自分の武器といえるものがありませんでした。

 

  また、帰国子女でもないため、英語面接に比重を置く企業への苦手意識がありました。それでいてある程度の知名度、規模がある企業を志望していた私としては就職浪人をすることがとにかく怖かったため、できるだけ早く内定が欲しかったのが正直な気持ちでした。

 

 そのため、私は早くから外資系企業のインターンに参加し、経験を積んで年明けぐらいにはどこか内定を頂こうと考えていました。周りに外資系の就活をしている同級生もおらず、さらにゼミにも裏ルートなどが無かったため、かなり不安を抱えての就活でした。

 

そんな中、かなりマイナス思考で始めた就活でしたが、それでも5月から始めた就活は8月にはコツがつかめてきていくつかの外資系のインターンにも参加できましたし、10月にはいくつか内定も頂きました。  

 

今回の記事は、20卒の学生になるべく早く動き出してほしい、という思いを込めて書かせていただきます。

 

就活スケジュール全体

ここで一回就職活動のスケジュール全体を整理させてもらいたいと思います。19卒の場合ですが、以下のようなスケジュールで就活が進んでいきます。

(ア) 4~6月 就活準備

(イ) 7~9月 外資系投資銀行、コンサルティング・ファームインターン選考・開催、ジョブ参加 

(ウ) 10月~12月 外資系投資銀行、外資系コンサルティング・ファーム本選考、早期選考実施

(エ) 1月~2月 日系インターン選考・開催、早期選考、外資系メーカー本選考、外資系投資銀行、コンサルティング・ファーム追加募集

(オ) 3月~6月 説明会、本選考

 

 一般的に外資系の就活を考えている人は8月くらいから動き出せばいいと思っているのではないでしょうか。しかし、私の経験からすれば7月では既に遅いです。遅くとも6月の頭から外資系の就活対策を始めておくべきだと思います。

 

 理想としては4月から始めるのが好ましいです。しかし、大学の履修などのリズムがつかめるまで、筆者はなるべく大学の授業に出て、課題などを4月中に前もって終わらせてから5月に就活を始めました。残り単位数や学部、部活によって忙しさは人によると思いますが、学部3年生、または院の1年目はとても忙しいといいきれます。 

 

 理由としては8月からの準備だと8月に先行で居合わせた優秀な学生に既に差をつけられていることが多いからです。具体的には優秀な学生は既にケース問題の対策を行っていたり、グループディスカッションのある程度のお作法を知っていたり、フェルミ推定のフレームワークを使いこなせていたりと、自頭が良いだけでなく、テクニックの部分をしっかり仕上げてきています。

 

 更に、8月から本格化する選考の前から6月から募集がかかる外資系投資銀行のインターンもありますし、ケースやフェルミ推定とは異なって付け焼刃では突破できないような筆記試験を課してくる企業も中にはあります。そのため、早めに動いておいて損はないところです。

 

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 筆者も最初のグループディスカッションを6月に受けましたが、その時はたまたまチームで誰も考えをボードにまとめ、発表を意識して議論を進める、という基礎中の基礎ができていなかったため、全員落とされるということがありました。

 

 思い返してみれば全員が全員チームに貢献していればそのチームは落とされるということがないにもかかわらず、当時は自分がいかに目立てるかだけを考えていたため、発言をとにかく多くしようと全員が思っていたように思います。

 

 そのため、表面的な議論な終始した結果、面接官に落とされてしまったのだなと思います。  つまるところ、グループディスカッションはある程度の形式さえ頭に入っていれば結局はその場のメンバーの特徴に合わせて振る舞いを変える形式となります。

 

 そのため、そこまでグループディスカッションの必勝法を探求するというよりは対策本を読む、選考体験記を読む、先輩から話を聞いておく、というくらいでいいので、しっかり早めに対策を始めておきましょう。

 

各フェーズの対策

 全体のスケジュールとしては上記で述べたように、長い人は1年間就活が続きます。私も日系の選考を受けていたので、実質1年間就活を行っていたといえますが、早期に内定が出ることで日系の就活が始まったころには本当に自分の志望度が高い企業だけを受けていたので、だらだら就活をしていた実感はありません。

 

 ここからは各フェーズでどれくらいの忙しさで、どのような選考があって、どのような対策をしていたのかを述べていきます。

 

(ア) 5~7月 就活準備編

 この時期が一番座学という意味では勉強したと思います。筆者は最初にも述べたように、日系企業が第一候補群でしたので、最初は全くこんな時期から就活を始めるとは思いませんでした。しかしながら、5月からインターン選考が始まっているコンサルティング企業へ友人に誘われて伺った際に自分の就職に対する甘い考えが消えました。

 

 なんとなく就活では学生時代力を入れたこと、いわゆる「ガクチカ 」や自己PRが聞かれるということは想像がついていたので、面接対策だけは少ししていました。しかしながら外資系のコンサルティング企業の選考ではそのようなことは全く聞かれず、ただ名札を渡されて自転車屋の売り上げをあげよ、というお題を解くことになりました。 

 

 当時の私は面接官が何を評価しているのかもわからなかったので、とにかく自分の意見だけ述べて問題の構造も把握せず、アイデアベースに近いような議論の進め方をしてしまいました。

 

 結果はもちろん不合格。自分としても手ごたえがなかったので、このままでは内定を取れないのではないかという不安に駆られ、以降は本気で対策するようになりました。  具体的には先輩に話を聞く、選考記の対策に関する記事を読むなどしました。

 

 この時期に私が行った対策は大きく分けて三つです。一つは筆記対策です。多くの外資系企業ではテストセンターや会場での筆記試験が課され、足切りに使われます。そのため、早い筆記試験やテストセンターが行われる6月までの一か月間は筆者は必死にテストセンター対策を行いました。

 

 もちろん推論などの参考書も解きましたが、5月の時点でテストセンターに慣れておいて高得点を取ることで1年間使いまわすことができます。そのため、翌年の同時期を睨んで私はまずはテストセンターを完璧にし、それが終わってからはだらだらと8月くらいまで推論系の参考書をこなしました。

 

 二つ目の対策は面接対策です。この時行った対策は主にケース面接とフェルミ推定だけです。なぜなら、外資系であっても夏にインターンやジョブを行うのはコンサルか投資銀行くらいなので、特段志望動機を聞かれることはないからです。

 

 そのため、フェルミ対とグループディスカッション、ケース対策に注力しました。筆者はもちろん参考書も利用しましたが、それよりは実践が大事と考えていたため、就活塾のようなコミュニティで実践的に練習しました。

 

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 就活塾に行った理由としては筆者にケース面接とフェルミ推定の素地が無かったことが大きいです。もちろん本などで対策を始めましたが、筆者はあまり世間常識がなく、フェルミ推定の推定値が大きくずれるということに悩まされました。

 

GDは周囲の優秀な学生の意見をまとめる、または自分が知っているところだけ発言できるということができますが、フェルミ推定とケース面接はある程度世界情勢や社会事情を知っておかなければいけないので、早めの対策が必要だと思います。

 

  本を読むのもいいですが、やはり実際に対人で素早く計算や解決策の考案を練習したほうが成長は早いと思います。

 

 そして三つ めが、これが最も疎かになりがちですが、インターンやジョブに参加した際を想定しての対策です。インターンやジョブは圧倒的に時間が足りない中で課題を課されることがほとんどです。 

 

  Morgan Stanleyの投資銀行部門(IBD)のインターンでは社員でさえ1週間かかるようなM&Aのプロジェクトを4日間でチームでこなす、という課題が課されました。もちろん完璧な答えは期待されていませんが、時間が足りない中でいかに最低限のアウトプットを出せるかを見られていたと思います。

 

 そのため、数々の情報から一つの答えを導き出すような研究者的な時間のかかるやり方では通用しません。ある程度の仮説をデータを集めて証明していくというやり方が重要になるので、私はこの時期はグループディスカッション講座に参加する、マッキンゼー式の思考法の本を読むなどしてどうしたら短時間でチームに貢献できるような案を出せるか練習していました。 

 

実際に使用した本は以下になります。この本を使えば圧倒的なスピードで問題解決案が出てきますし、加えてプレゼンテーションの際の留意点なども載っています。そこまで文字が多くなく、一度読めばどの場でも応用できるスキルが載っていますので、早めに読んでおきましょう。

図解 マッキンゼー流入社1年目問題解決の教科書

図解 マッキンゼー流入社1年目問題解決の教科書

 

(イ) 8~9月 インターン選考・開催、ジョブ参加 

 インターンへの参加条件として、このぐらいの時期に行われるのは前述の通りやはり試験(テストセンター、または筆記試験)、ケース面接、フェルミ推定、そしてややひねった学生の対応力を試す面接の4つです。

 

 試験に関して

① テストセンター

 まずは試験の中でもテストセンターを採用している企業から述べますと、この時期の試験は11月以降のウインタージョブに参加するときに比べてボーダーが低くて簡単です。

 

  よく、ボストンコンサルティンググループはテストセンターで9割以上をとらないといけない、といいますが、筆者の感覚からすると7割くらいのボーダーに設定されている感覚です。

 

 一方、春募集の場合は噂の通り9割近くまでボーダーが上がっている気がします。理由としては8~9月のほうが受験をする学生の人数が少ないため、ボーダーを低めに設定しないと面接に進む学生の数が少ないからではないでしょうか。

 

  そのため、志望度の高いところは夏に受け、あまり志望度は高くないけれどミーハーな就活生として記念受検をするつもりの企業を春に受けることを薦めます。

 

 テストセンターの科目としては殆どの企業が能力検査と性格検査のみで、英語力検査のところは少なかったように思います。SPI形式のテストセンターを課してくる企業は基本的には英語力は問わないと考えていいでしょう。

 

 一方、Morgan Stanley や Strategy &といった企業はSPI形式ではなく、ヒューマネージ社のテストを課してきます。この形式の試験は対策が難しく、明らかに時間が足りない中で計算問題や推論問題を解くことになります。

 

  そのため、対策方法としてはSPI以外の対策本も買って少しでもやり方に慣れることが必須です。他にもGAB形式の企業もあるそうなので、事前にどの形式のテストが課されるのかを選考記で調べておく必要があります。

 

② 筆記試験

 筆記試験のある企業は夏に受けるべきか判断が難しいところではあります。例えばマッキンゼーやベインアンドカンパニ―は一度筆記試験で失敗すると二度と新卒の就活では受けられないことで有名です。しかも、テストセンターとは異なって夏だからボーダーが低いということもありません。

 

 そのため、この時点で推論系の参考書をこなしきれていない人は春や冬に受けるのも手といえるでしょう。一方、A.T. カーニーのように筆記試験ではあるものの、夏に落ちても何度も受けられる企業もあります。その場合はとりあえず夏にも出しておいて落ちてもいいので問題の形式に慣れておくといいでしょう。

 

 大抵の場合は再チャレンジが可能かはインターネットで調べれば出てきますが、その会社の志望度が高い場合や本当に冬や春に受けなおしができるのかが怪しい場合は直接採用事務局や人事部にメールを送ると答えてくれることも多いです。筆者もコピペで片っ端から人事部に問い合わせて夏に試験を受けるのか否かの判断材料としていました。

③フェルミ推定

 筆者が最も苦手とするのがフェルミ推定です。理由としては自分は理論の組み方には比較的自信があったのですが、実際の値の想像力が乏しかったことにあります。例えば、東京にある水族館の年間売り上げはどれくらいになるか、といわれてすぐに考えることはできるでしょうか。

 

 筆者のやり方としては、まず全ての来場者を算出する方法を思い浮かべてから回答を始めます。具体的には東京都在住の人の中での娯楽としての水族館選択率と東京外の観光目的で東京に期待人の娯楽としての水族館選択率を考え、両方を足して全体の値を出そうとします。

 

しかしながら、実際に県外からどれくらいの人が訪れるのかがわかりませんし、更にその中でも曜日や休日別にはどれくらい変動があるのかの見当がつかず、計算途中で最終的な数がありえない数値になってしまう、というようなことが多々ありました。

 

 そのため、筆者は日本や世界の人口、更にその中でも各区にどれくらいの人がいるのかということ、更に年齢層別の人口など、とにかく「人」についての情報をインプットしました。

 

  フェルミ推定の本を読んでいるとモノの重さなどを考える問題が多いですが、やはり外資系の企業でモノづくりの企業は少なく、作っても最終消費財であることが多いです。そのため、ものよりも「人」に関わる売り上げ推定系の問題の頻度が圧倒的に高いです。優先順位としてはデモグラフィックな情報から手を付けるようにしましょう。

④ ケース面接

 ケース面接は筆者にとっては比較的特異な部類に入りました。理由としてはフェルミ推定のように計算を行わなくていいことと、答えに厳密な正解がないことです。計算に関しては言わずもがなですが、厳密な答えがない、ということについて少し解説したいと思います。

 

 ケース問題の対策を始めると、著書などでよく「MECE」に考えろ、といわれますが、意外とMECEは簡単に作ることができます。要は排反事象を考えればそれでMECEになります。例えばエアコンの売り上げを上げよ、という題が出たとします。大抵の人はここで自然に単価×販売数で思いつくのではないでしょうか。

 

 そして、単価を上げると販売数が下がることが直感的にわかるので、多くの人は販売数を考えると思います。このように、実はケースでは多くの場合にアイデアを考えても一つは事前と無理なアイデアになるので、実現性のありそうなアイデアを採用していけばどんどんMECEになります。

 

 エアコンのケースについて深く掘ると、今度は既存客と新規顧客の販売数のどちらかを伸ばすかを考えることになると思います。しかし、恐らくエアコンの購入回数を既存顧客から増やすのは難しいように思います。

 

  そのため、やはりいかに新規を開拓するかになりますし、更に新規顧客への訴求方法も製品の性能を上げるのか、認知を上げるのや、新規の中でもエアコンを使っていない人からとってくるのか、競合製品を使っている人をとってくるのかと、ほぼ二択で思考を進めていくことができます。

 

 要はケース面接の場合は一つアイデアが浮かべばその反対を考えればいいだけなので、筆者の場合はフェルミ推定に比べて全く考え方がわからず、手が止まってしまうということはありませんでした。

 

  それでも一つ目の考えが出てこないと排反事象も出てこないと思うので、対策本を読んで解法の仕方をある程度知っておく、新聞やネットで社会の現象を把握しておくなどはやっておくといいかもしれません。ここまで対策をしておけばインターン選考レベルで落とされることはまずないといっていいでしょう。

 

⑤学生の対応力を図る面接

 私が最も苦手とする分野がこの一般的な面接です。何かの売り上げを上げろ、や数値を測定しろ、といった内容の質問であればここまで書いてきたようにある程度定型的な方法と答えが出ますが、トリッキーな質問で対応力を見る質問に関しては正直今でも筆者は完璧に答えられているとは思えません。

 

 最初に私が受けたトリッキーな質問は「東京駅近くのスターバックスの売り上げを上げる方法を10個あげろ」というものでした。ちなみにこの質問は日系のシンクタンクでも人気のある野村総合研究所(NRI)で出されたものでした。

 

  私はとっさにスターバックスに来る客の層を観光客や近隣にオフィスを構える人といった風に分けようとしましたが、この試みを遮られてしまいました。まだ面接慣れしてなかった私はパニックになり、アイデアベースで解決策を模索しましたが、案の定面接官に刺さる答えは出せず、落とされました。

 

 この時が契機となってどのような答えをすればよかったのかを考え直すようになりました。様々な体験記や本を読んだ結果、私はある一つの答えにたどり着きました。それは面接官がとっさに考え出した質問の場合は、その答えもさることながらどれだけ就活生側が動揺せずに堂々と発表できるのかを重視しているのではないか、ということです。

 

 もしも質問に対する回答の質が問われるのであれば、面接官の質問ごとに難易度に大きくばらつきが出てしまいます。その上、学生のその話題に対する専門性によってもアウトプットの質に差が出てしまうため、非常に不公平な選考になってしまいます。

 

  それに対し、生徒の落ち着きやとっさの時の対処能力を図っているのであれば、専門性や質問の内容によって選考に有利不利に出ることが少なくなります。このことに気が付いてからは私はいかに落ち着いて質問に対処できるようになるかに重点を置いて対策を始めました。

 

 私が行った対策は大きく分けて二つです。一つは様々な面接対策書を読んでどのような思考プロセスで答えればよいのかを学習しました。具体的には論理的に回答をする方法と、それを助けるフレームワークについて学びました。

 

  中でも、以下の本は論理的な思考法にプラスして実際のケース面接を想定した難易度の高い問題が封入されています。この本一冊で夏時点で外資企業から問われる論理的思考力は十分カバーできると思います。

 

 二つ目の対策方法としては月並みですが、新聞であったり最近のニュースを見たりをするようにしました。筆者はそれまで興味のあるニュースしか見ていませんでしたが、面接ではより世の中のトレンドに関することを聞かれることが多かったので、浅く、広く情報をキャッチするように努めました。

 

 やはり外資系投資銀行の選考では「最近気になったM&A案件」や「これから地方銀行はどうしていったらいいか」というような金融業界で話題になるような項目を聞かれましたし、外資系コンサル企業の選考では「日本企業が直面している問題点とその対策方法」であったり、「IoTによってこれから製造業の中でどのような変化が起こるかを予測せよ」といったような質問を受けました。

 

 

戦略コンサルティング・ファームの面接試験―難関突破のための傾向と対策

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 先に学生側の答えのアウトプットはそれほど重要視されていない、と述べましたが、やはりある程度の知識がないとそもそも答えを返すことができません。また、自分の意見を述べることが求められるので、最近のニュースを見るだけでなく、将来的にそのニュースがどのような影響を与えるのか、自分だったらどのようなビジネスチャンスを見出すのかといったところを意識しておきましょう。

 

  (ウ) 10月~12月 本選考、早期選考偏

 インターン、ジョブで優秀だと認められれば夏休みが終わった直後、10月くらいから外資の本選考が始まります。形式は大きく分けて三つです。

①     リクルーター面談

 一つめはリクルーターを通じての選考です。この方式は外資系投資銀行で多く見られます。一般的な選考面接と比べると、筆者としてはこちらのほうが苦手です。なぜなら自分が企業側にどのような評価をつかられているのかがわかりにくく、時間をかけても落選することが多々あるからです。

 

 一般的なリクルーターは内資の企業の場合は相談会という形で普段の自分の姿を見てもらい、かつ自分の希望を伝えていく方法が主だと思います。そのため、一対一での面談が多く、回数も多くなるのが普通です。

 

  しかしながら、外資系投資銀行のリクルーター面接はランチ会のような形で多くの学生と一緒に選考されることが多く、更に普通の選考面接とは違って普段何をしているかや、現在の忙しさなど、日常会話のようなことを聞かれます。

 

 そのため、学生側としては最低限の礼儀正しさは忘れないものの、いかに社員に気に入ってもらえるかのアピール合戦としておもしろいできごとをひねり出します。私の経験としては特段面白い学生が受かるわけでなく、何となく社員の方々と雰囲気が似ているといったような学生が受かる傾向にあると思います。

 

 これまでのインターン選考ではケース面接で論理性やコミュニケーション能力を見られ、ジョブでは仕事ができるか、周囲と協業できるのかを見られていたのに、急に日系企業のように「社風に合っているか」を見られる傾向にあると感じます。そのため、判断基準がわかりずらいので、私個人的としてはリクルート選考は苦手です。

 

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 対処法としては若い年次の社員の方には興味をそそるような話を、ある程度年次が高い社員には質問をして、話を引き出すと気に入ってもらえると思います。それでも選考を通過できない場合はそれこそ「縁」が無かったとして諦めましょう。

 

  恐らくメンター側も「この学生の性格からして入社しても社風に合わずに不幸だろうな」という判断から不合格にしていると思います。

 

②     早期選考

 二つ目は早期選考に呼ばれる形式です。多くの外資系企業はこの形式で選考を行っているのではないでしょうか。特にメーカー系やコンサル系はリクルート制度ではなく、早期選考という形で面接を行うことが多いです。

 

 早期選考の中身も企業によってや、インターンの長さによって変わります。例えばコンサル系の中でもA.Tカーニーは筆記試験、一次面接、二次面接、そして4日間のジョブと、実質4つの選考を既に経ていることになります。

 

  更に、ジョブからその後の選考に呼ばれる人数も全体の3割程度ということで、早期選考に呼ばれる時点で能力面では既に企業側に認められているといえます。そのため、早期選考で呼ばれる人はほぼ最終面接でタイトルが上の人との入社の確認作業か、他の選考状況を聞いて本当に入社意思があるのかの最終確認といった程度で、ほとんど選考要素はありません。

 

 金融の場合も同様で、ジョブの中での能力で呼ばれるのかが決まるので、早期選考でもう一度能力面を試すためにケース面接やフェルミ推定が課されるということはありません。その一方で、これまではあまり聞かれなかった「志望動機」や「中で何をやりたいか」については深堀されます。

 

  恐らく、採用しても入社するのかの判断材料や、入社後の配属を見据えての質問だと思います。ある程度論理的に通っていれば落とされるということはないので、自分がどのようなキャリアプランを考えているのかをしっかりと伝えることが重要です。 

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 一方、短期のインターンの場合では選考が続く企業もあります。例えばデロイトは1dayだけのジョブがあるのですが、この時点ではあまり能力では選抜しておらず、学歴やESの内容、経歴などでかなり多くの人がジョブに呼ばれます。

 

 その中でも特に優秀な人だけ早期選考に呼ばれますが、他の学生と選考ステップは変わらず、言葉通り「早期に呼ばれる」だけとなっています。もちろん、採用人数に余裕がある内に呼ばれることで多少は面接官の評価も甘くつくとは思いますが、ここから5回の面接を突破する必要があるので、あまり普通の選考と変わりません。

 

 筆者はメーカーの3日間以上のインターンには参加していないので、詳しく早期選考について書くことはできませんが、マイクロソフト社だけ早めの選考に呼ばれました。ただ、夏のインターン参加者は夏には呼ばれていたのに対し、私の場合は12月と、ほとんど普通の選考ルートとは変わりませんでした。

 

  具体的な選考方法としては、本選考の一週間前にキャリア相談会というような名目で少人数の説明会に呼ばれ、志望動機のブラッシュアップや面接で聞かれることなどを大まかに教えてもらいました。

 

 特段、筆者に優れた経歴はないのですが、インターン参加欄に外資系投資銀行の名前を書いたのが効いたのかなと思います。そのため、メーカー志望であっても夏や秋の内に外資系投資銀行やコンサルティング企業のインターンに参加することで外資メーカーであれば早期選考に呼ばれる可能性を高められると感じました。

 

③     本選考

  最後のパターンが、一般的な本選考です。これに関しては優遇などはなく、テストやESによって多くの学生を足切りしてから、面接が始まります。具体的な企業名を挙げると、P&G、ユニリーバ、IBM、ネスレなどの選考がこの時期から始まります。どの企業も共通するのは独自の試験を設けていることです。

 

 P&Gの場合はウェブでの独自形式のテストに加えて、貸会議室での筆記試験も課されます。形式としては単純な計算もですが、英語で読解ができるかや、規則性など頭の柔らかを見るものが主です。

 

  IBMのウェブテストも同様に、パソコン上で数列の規則性を考えるものが多いです。そのため、外資系メーカーへの志望度が高い人は別に対策を行いましょう。

 

 私が使った参考書は以下の参考書です。この参考書はGAB形式という図表読み取りに特化したテスト形式の他、図形の規則性を問うCAB形式の問題も網羅されています。

 

  問題数は少ないですが、規則性に関してはテストで実際に出題されるものとほぼ同じ形式のものが出ますし、ある程度内容を網羅してあるので、これ一冊で事足りると思います。

 

必勝・就職試験! 【Web-CAB・GAB Compact・IMAGES対応】CAB・GAB完全突破法! 【2019年度版】

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(エ) 1月~現在 外資系メーカー本選考、外資系コンサルティング・ファーム、投資銀行追加募集

 年明けには外資系メーカーの本選考、日系企業のインターン選考とインターンが中心となっていきます。ここでは実際に筆者が行った対策を記述します。

 

①     外資系投資銀行とコンサルティング・ファームの本選考

 年を明けると外資系の投資銀行とコンサルティング・ファームの募集は激減します。実質ここからの選考は6月から12月の間に学生の採用数が足りなかったから行われるため、補欠のような扱いで選考を受けることになります。

 

  そのため、夏、秋、冬選考のときに比べて採用枠が少ない上、面接官も厳しい評価をつけがちなので、必然的に倍率も高くなっています。 

 

 その中で、2月以降に本選考やインターンを行う戦略系のコンサルティング・ファームといえばA.Tカーニーとボストンコンサルティンググループ、そしてADLぐらいでしょうか。

 

  ただし、2019年卒の場合はA.Tカーニーは冬の時点で定員に徹したということで春募集はありませんでした。また、ADLもインターン時には文系と理系両方の学生に対して門戸が開かれていたのに対し、採用の比率は理系が9割だったといいます。

 

  BCGも夏、冬と比べてテストセンターのボーダーを高めているという話も聞いたので、いずれのファームにしろ、志望度が高い学生は相当の対策を積まないといけません。

 

 同様に、外資系投資銀行も追加募集のケースが多く、面接官も一人一人を吟味しようというよりは、1次選考で行う集団面接、グループディスカッション、試験で大幅に足切りをする傾向が強いようです。

 

  加えて、夏から冬選考まではグループディスカッションや集団面接では「能力が達していない人を切る」要素が強かった企業が多かったのに対し、春には「能力が高い、印象に残った人だけを通過させる」傾向があるように感じます。

 

  そのため、今までは当たり障りのない発言で選考を通過してきた人も、春にはいかに印象に残るかに重点を置いたほうが良いと思います。

 

外資系メーカーの本選考

 外資系メーカーの選考は1月、2月にピークを迎えます。マイクロソフトやP&Gはインターン参加者を優遇しているようですが、夏と秋は投資銀行とコンサルティング・ファームの選考を受けていた筆者にとっては初めて外資系メーカーの選考を受けたのが1月でした。そのため、ここでは優遇なしでの外資系メーカーの本選考の模様について記述していきます。

 

 外資系メーカーの選考は日系企業の選考にかなり近いといえます。理由としては「志望動機」を重視することと、「中で何をしたいのか」を重視すること、そして「なぜ他社ではなく自社なのか」を重視する点で日系企業と共通しているからです。

 

 志望動機に関しては、語弊がある言い方かもしれませんが、外資系投資銀行や外資系コンサルティング・ファームの選考ではほとんど聞かれませんでした。聞かれたとしても面接が進んでかなり年次が高い社員が担当になった時か、最終面接で本当に入社意思があるかの確認の場で聞かれたくらいでした。

 

 それに対し、外資系メーカーではなぜその会社を志望しているのかをかなり深く聞かれました。例えばマイクロソフト社では他の企業と比べてマイクロソフトがどう異なっていると思うかの意見を求められましたし、今まで自分が力を入れてきたことや経験がどのように会社の貢献につながるか、どんな時に自分のモチベーションが上がるかを説明させられました。

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 更に、多くの外資系メーカーは職種や部門別で採用しているため、中で何をしたいかも聞かれることが多いです。

 

  外資系投資銀行の場合は部門別で採用しているところもありますが、例えば投資銀行部に配属されても中での業務は会社側から決められるので、あまりこちらの希望は反映されません。それに対し、外資系メーカーは例えばマーケティングの中でもどのような商品を担当として行いたいのかなど、深堀がなされます。

 

 外資系メーカーの面接で聞かれることはほとんど日系企業と変わらないですが、唯一違うところといえば学生側が「簡潔に話す」必要があることだと思います。

 

  日系企業では自己紹介を3分ほどで、など比較的長い時間を与えられて話すことができますが、外資系企業は話す時間が長いと遮られることもしばしです。結論ファーストで話すことは心がけましょう。

 

 また、外資系メーカーのほうが外資系コンサルティング・ファームや、投資銀行よりも英語面接が多いと思います。

 

  なぜなら、コンサルティング・ファームや投資銀行は基本は国内の日本人顧客を相手にしているため、部署によってはあまり英語を使わないのに対し、外資系メーカーの場合は上司や同僚が外国人の場合が多く、日常的に英語を使う機会が相対的に多くなるからです。

 

そのため、外資系投資銀行やコンサルティング・ファームでは自己紹介や頑張ってきたことくらいしか英語では聞かれないのに対し、外資系メーカーの選考では30分以上英語面接があることも多々あります。

 

  この場合は英語の流暢さよりも言いたいことがしっかりと相手に伝えられるかを重視されているので、ゆっくりと良いので論理的にしっかり手順を踏んで説明しましょう。

 

終わりに 

 いかがだったでしょうか。外資系の選考はかなり早く動く必要がある上、日系企業とは少し違う能力を見られていると感じるのではないでしょうか。

 

  その一方で、モルガンスタンレーやゴールドマンサックス、ボストンコンサルティンググループなどのインターンに参加しておくだけで、以降の他社の選考でも優遇が受かられることも事実です。

 

 箔をつけるという意味でも、自己成長や優秀な学生とのコネクションづくりという意味でも外資系企業の選考に参加する意義はあります。また、メーカーの場合は面接で求められるスキルが日系企業と酷似しているので、日系企業が第一志望の学生も外資系企業の選考を受けておくことを推奨します。

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