転職エージェントは転職サイトを利用し、候補者にスカウトメールを送り、会った候補者をクライアント企業に紹介し、成功報酬という形で収入を得ている。今回は、転職サイトを利用する転職エージェント目線から見て転職サイトに登録する求職者にアドバイスをしたい。
- 転職エージェント側から見た転職サイト
- 企業の人事と転職エージェントのコミュニケーション情報を聞き出せ
- 転職エージェントのサーチ条件を見ていく
- 英文レジュメの威力
- クイックレスポンス
- 転職サイトに登録して早速試そう
転職エージェント側から見た転職サイト
転職エージェントに会ったらぜひ聞いてほしいのだが、転職サイトを使う際にどのような基準で候補者を検索しているのかチェックしてほしい。転職エージェントに何人か聞けば転職エージェントによって重要視しているものは違うが、ある程度共通して重視しているものがわかってくる。
転職エージェントにはキャリアの使い方を聞くのはもちろん重要だが、転職サイトの使い方は聞いておくと今後の参考になる。
リクナビネクストのようなサイトでは、大量送信することもあり、送信自体を転職エージェントがソーシングしているため、指定した条件に同じ文章を送るように指示している。
そうした大量送信する際の条件を聞いておくとよい。例えば職歴や学歴といった情報を指定して、限られた人だけが応募するような求人を作成することはできない。
ただし、企業の人事は転職エージェントには本当に採用したい人の要件を伝えている。学歴は早慶以上であったり、コンサルティング会社出身ならアクセンチュア以上の社格の会社出身者にしてくれといったりといったところである。
もし、インターネット上に公開する求人に、早慶以上の学歴で、アクセンチュア以上のコンサルティング会社に在籍したことある人に来てほしいですなどと書いたら炎上は必至である。
企業の人事と転職エージェントのコミュニケーション情報を聞き出せ
企業の人事と転職エージェントのコミュニケーションはオフラインで行われるため人事も本音を伝える。そして、その伝わった本音をもとに転職エージェントは求職者を探すのである。
学歴、年齢、職歴といったセンシティブな情報を表には書いていないが、転職サイトに登録しているあなたにスカウトが届いた時点で要件を満たしているのである。そのため企業の求人つきのスカウトをもらうことは貴重なのである。
実際に転職エージェントと会ってみて、自分は何の条件に引っかかったから送ってくれたのか聞いてほしい。もちろん転職エージェントも本音を言ってくれるかわからないが、あなた自身が本音を出すことで転職エージェントも本音を出してくれるようになるので、転職エージェントに対しては不安や悩みも含めてできるだけ情報を出すようにしたほうがよいだろう。
転職エージェントのサーチ条件を見ていく
まずは学歴だ。学歴は、フィルターをかける際、特に20代であれば最初のフィルタリングにかけられる。
では、高学歴でないと厳しいかというとそうではない。後述するフリーワードやマネジメント経験といった部分の経験があるのであれば、学歴が高学歴ではなくてもひっかかるようになるから安心してほしい。
統計的に高学歴のほうが優秀な人が多いということは知られているが学歴が高くなくても仕事で活躍する優秀な人は存在する。そうした人目につかない人をうまくサーチして転職成功につなげている転職エージェントもいる。
とある非常に優秀だった日東駒専クラスの20代後半の方はあまりスカウトがこなかったが、数少ないスカウトで会った転職エージェント3人が全員が非常に優秀だと太鼓判を押して、とある外資系企業に転職した事例を知っている。
転職を支援した転職エージェント自身も、学歴のため他の転職エージェントがスカウトを送っていなかったが、会って話したらすぐに優秀だとわかって、非常にラッキーだったと語っていた。
そのため学歴は重要なことは間違いないが、あくまで優秀な人を探す確率を高める作業で学歴フィルタリングをかけてあるのであって、その他の部分で挽回できれば問題ない。
次は企業名だ。企業名を指定して転職希望者を探すことは滅多にない。また検索ワードに企業名をいちいち多数いれるのは面倒なため、あまり企業名検索は気に留めないほうがよい。
しかし、企業名検索をすることもある。大企業、ベンチャー問わず、事業部が廃止になったり、合併になったりすることがあるだろう。日本の法律では簡単にクビにできないため他部門への異動になることがほとんどだ。
そうした際に、廃止、合併した事業部からは高い確率で転職者が出てくる。その動きを優秀な転職エージェントは把握するし、また採用したいと考えている企業の人事部が他社の事業部の情報をつかみ、「あそこの企業から退職者が多くでるはずだからうちに引っ張ってくれないか?」と転職エージェントに依頼をするのである。
こうしたややネガティブな状況のときは、積極的に企業が採用しようとしてくるので、きちんと企業名を書いておいたほうがよい。
具体的には、最近は東芝や、メガバンクでは退職者が増えているという情報が流れているので、転職エージェントの捜索網に自ら引っかかるように努めるとよいだろう。
続いて、職務経歴書だ。レジュメをアップする場合もあるし、そのままテキストで書く場合もあるが、どちらも行ってほしい。
きちんと書いておけばフリーワード検索でサーチしたときに引っかかる確率が高くなる。どのような経験でもいいので行ったことがあるものはすべて職務経歴書の中に書いてほしい。検索に引っかかりやすくすることは大事である。
例えば、インターネット広告業界でDSPに関する知識や業務経験がある人を求めているとすると、フリーワードでDSPと記入して候補者を探そうとする。もし仮にあなたの経験が十分に求める経験に達していなかったとしても、他の職種だったら可能かもしれないと転職エージェントがスカウトを送ってくることもある。
重要なことは、あなたが作成したページをより多くの転職エージェントに見られるようにすることである。
検索に引っかかりやすくするように工夫するというのはGoogle検索対策に近いものを感じるが転職サイト上でも心がけるとよい。
ビズリーチのような転職サイトはサイトデザインもユーザーが使いやすいように設計されているため、どんどん情報をアップしていくとよい。(指定した企業の人事からは検索できないようにする機能もあるため安心だ)
英文レジュメの威力
英文レジュメを作っておくことをおすすめしたい。
40代以上の転職エージェントは全般的に英語が苦手だ。人材業界の人間も英語の勉強は避けては通れないはずだが、実績のある転職エージェントでも英語力にかなり問題のある人が多い。
英語のできる人を探してくれと言われても、英語がどれくらいできるかを把握するものさしを本人が持っていないため、うまくサーチできないときがある。そうした際には、英語のレジュメを書いておくことで、英語ができない転職エージェントに優秀な印象を与えることができる。
英語がろくにできない転職エージェントに英語が必要とされる案件の紹介を頼むのはややリスキーな部分もあるが、人材業界では、優秀さは英語力に基本的に比例はしないので良い案件をもっているかで判断してほしい。
和文英文の職務経歴書は作りこみ、定期的にアップロードしなおすようにしてほしい。転職エージェントも英語を細かくチェックしているわけではないので転職サイトにアップロードするレベルであればあまり気にする必要はない。
企業に応募する段階になると小さなミスが命取りになる可能性が高いので、英語が得意な友人に英語の職務経歴書の添削を頼もう。英語のチェックをノンネイティブの転職エージェントに頼むと大変なことになることがあるので気を付けてほしい。
ビズリーチに登録すると、ネイティブの転職エージェント自体を検索することができるので便利である。
クイックレスポンス
転職エージェントはスカウトを大量に送っている。当然、大量に送ると全部に返信を即座にできるわけではない。経験上、即座にレスをくれる人は転職意欲が高く、転職エージェントの売上につながりやすい。
よって、あなたがすぐに返事をすると転職エージェント自身もあなたに興味を示すので、返事を急ぎつつ、転職サイト内のプロフィールの充実を図ろう。
最近流行っているマッチングアプリでもできるだけ情報を開示したほうが相手からの興味をひくことは間違いないだろう。
そして返事が早いと、それだけで仕事ができるイメージを植え付けることができるので非常にチャンスである。(マッチングアプリで返信が早すぎると少し気持ち悪さを与えるかもしれないのでそこらへんのテクニックについては身の回りの友人に聞いてほしい。ここでは転職サイトの使い方という観点でのアドバイスであることをご了承いただきたい。)
クイックレスポンスを通して早めに会う日程や電話の日程を確保しよう。
例えばであるが急募の案件で採用人数が1名、市場にもあまり出回っていないかなり良い条件の求人であったとしたら、早めに応募して先に内定した人が承諾するとその企業の採用は終わる。
だから、良い条件の求人と感じたらすぐに連絡して詳細を聞いて、興味を持ったならば応募したほうがよい。内定してから迷うことはいくらでもできるので、応募するかどうかで迷って機会を逃さないようにしよう。
転職サイトに登録して早速試そう
転職サイトに登録してこの機会を積極的に活用してほしい。ビズリーチに登録してみよう。最初から情報を完璧に埋める必要はないが徐々に履歴書を仕上げていってほしい。
きちんとしたレジュメが完成したらスカウトがより質が高くなる。質の高いレジュメが質の高いスカウトを呼び込むことを覚えておこう。ビズリーチの次は、キャリアカーバーにも登録してほしい。様々な案件を目に入れることができる。今日は以上だ。