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マスコミ/放送局の激務度合いと給料について記者の人に聞いみた

投資銀行、戦略コンサルは激務業界として知られている。同時にマスコミも激務と言われている。今回は、マスコミで勤務経験がある女性に取材の裏側、激務の度合について聞いた。極限まで働く様子について伝えたい。

取材の経緯

電通での過労死事件以降、激務である業界について取材を重ねてきた。なぜ激務になるのか、なぜ仕事が多いかを調査してきた。

激務を報道しているマスコミ側がどのような状態になっているか気になったので調査した。今回はマスコミの中でも記者をしていた方に話を伺った。

想像以上の環境がそこにはあった。

インターンをきっかけにマスコミ志望へ

-こんにちは、簡単な経歴をうかがってよろしいでしょうか。

国立大学の大学院を卒業後、記者として某大手マスコミに就職しました。公共放送局、民放放送局で記者の経験を経て、現在はインターネット系の企業でメディアにかかわる仕事をしています。

-なぜ放送局に就職しようと思ったのでしょうか?

就職活動時には、将来起業したいと思い、ベンチャー企業を中心にインターンに参加していました。大学3年の秋に参加したインターンで私の運命を決定づける出来事がありました。

参加したインターンで、プレゼンテーションをする機会があり、伝える楽しさを実感しました。

またその企業の人事の方に「伝える仕事が向いているのではないか」というアドバイスを受け、就職活動をやり直すことにしました。 

しかし、すでに大学3年の秋に差し掛かっており、マスコミの就活をはじめるには遅すぎました。

マスコミは外資系同様就職活動が前倒しで当時は行われていました。大学3年の春採用で某大手放送局を受け、最終までこぎつけたものの、最終的には内定を得られませんでした。 

その後、専攻の関係で医療関係の資格を取り、病院で勤務しました。しかし、世の中で映し出されている医療現場と実情の乖離が激しく、「現場を伝えたい」という思いが再び芽生えました。学部時代の研究を海外で発表する機会もあったため、研究を続けるため修士課程に進学しました。

学部のときから変わらずマスコミを目指し、ある放送局(NHK)にレポーター職で内定しました。やや遠回りをしましたが、ようやく夢の一歩に近付くことができました。

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NHKは記者、レポーター、キャスターの3種類存在

-レポーター以外ではどのような職種があるのでしょうか。

NHKの場合だと、記者、レポーター、キャスターに分かれています。

記者は、現場に出かけ、取材を行います。取材したものを記事にまで仕上げるのが仕事です。

キャスターは、すでに出来た原稿が与えられ、その原稿をスタジオ等で読み上げる仕事です。テレビで番組を進行している人はキャスターですね。

レポーターは中継で見かけると思いますが、取材をして記事にします。そして、自分で記事にしたものをカメラの前で読み上げることもあります。

キャスターから中継の〇〇さんと呼ばれて、レポーター読み上げるシーンがありますね。 

民放だとレポーターのことをフィールドキャスターといって現場に出て取材し、カメラに映っていますね。

-入社後はどのような仕事をしていましたか?

遊軍記者と呼ばれる状況に応じて何でも対応していました。基本的に、デイリーニュースと呼ばれる1分程度のニュース作成の担当をしていました。

毎日1分程度のニュースを2本書いていました。その他、自分の興味のある分野であった医療や福祉の企画を提出し、3分~7分程度の企画が放送されていました。

災害報道や選挙報道に特に力をいれていましたので、災害が起これば、いつでも取材に出かけます(外に出るだけでなく、電話取材やSNSで情報収集なども)。本当に何でもやっていましたね。

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早朝取材から、明け方までの取材が当たり前

-取材というといろんなところに足を運ばないといけないと聞きますが、どういった働き方をされていたのでしょうか?

基本的には、担当の地域や分野があり(局によって異なりますが)、担当地域で何かネタがないか毎日探し、事件や事故があれば、電話取材や現場に行ってインタビューなどを行います。

相手の都合や、事件や事故のタイミングによるため、早朝の取材もあれば、夜遅くの取材もあります。

企画が放送される前は、編集作業が何日間か続くこともあり朝の3,4時まで勤務するような形態だったので、当然ながら日々の睡眠時間は短くなります。泊まり勤務もあります。 

基本的な勤務としては、平日が勤務日で土日休みですが、土日も取材先やイベントに、顔を出します。

目的は、取材先との関係性を構築することです。もちろん取材拒否されているところもあるので、取材を許可してもらうまで何度も家などに足を運び、取材ができるように努めていました。

何回行ったら取材できる、何回取材したら放送になるといったようなことがわからないのでひたすら行動するのみです。 

つらい生活のように思えますが、自分が作ったものが世の中に出せるという喜びの方が大きかったため。そのため土日、日中や問わず、プライベート、仕事の区別なく働いていました。同じ仕事をしている同僚たちも同様の生活だったように思います。

毎日レッドブルを飲みすぎて、ご飯の代わりにレッドブルを摂取していたらじんましんがでたこともありましたね(笑)

-その後、転職をされていますが、どういった経緯だったのでしょうか?

 NHKにいると自分が何でもできるような実感をしてしまい、自分の力を試したてみたいという思いで、1回ネット系のベンチャー企業に転職しました。

その後、もう一度、伝える仕事に戻りたいと思い、民放の記者になりました。

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NHKは記者の数が圧倒的に多く取材力が違う

-民放とNHKではどういった違いがあるのでしょうか?

 大きく違った点は、記者の数です。

NHKは全国に記者がいるので400人~500人程度です。(現在の人数とは異なるかもしれません)

私のいた民間の放送局だと、記者は全国に100人もいません。そのため記者1人当たりの負担が大きかったです。

また、民放では記者が内勤と外勤に分かれており、外勤が取材したものを、内勤が記事にして、編集の人が仕上げるといった形をとっていたので、ミスも起こりやすくなっています。

取材した人と記事を書く人が異なるため写真の受け渡しでミスが発生し、容疑者の顔が全く違う人のものが放送されてしまうこともありました。

このようなあってはならないミスも外勤と内勤に分かれていることで起きてしまいます。 

NHKは記者の数から分かるように取材を特に重視しているため、社会、経済系のニュースに強い印象です。

もちろん、民放もしっかり取材もしますが、NHKとはビジネスモデルが異なるため、視聴率を意識した番組設計にしないといけないなど色々制約もあります。一方、民放は、芸能関係に強く、有名芸能人の逮捕や、スキャンダル、グループ脱退といったところの取材をきちんとしているイメージがあります。

ワイドショーがあるので働いている人は民放の方がユーモラスな人が多かったです。こちらは好みによるので、就職を考えている人は自分で足を運んで確認してみることをおススメします。

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残業時間は桁違いの多さ

-先ほども触れていただきましたが、労働時間はどれくらいになるのでしょうか。

労働時間はイメージ通り長く、民放時代は、毎月130h-200h程度の残業時間でした。泊まり勤務では、15時から翌日14時まで休憩なしで勤務し、その後、取材に行かされることもありました。

取材が終わる時間が毎日夜中で、平日は睡眠時間が合計で10時間にも満たない時もあります。

急きょ取材が入り、取材先で宿泊する必要があるときは、下着をコンビニで買ってやり過ごすといった女性らしからぬ生活でした。家に全く帰らない日もありました。

また休みの日でも、事件や事故、災害があればいつでも出勤または、取材先に出向く必要がありました。

-給料はいいのでしょうか?

労働した分(残業した分含め)はすべて支払われます。そのため給料は多くもらえるのは特徴です。

また使う時間もないので貯金はかなりたまっていきました。現在は働き方改革の影響もあり、減っているかもしれませんが残業代が給料の大きな割合を占めていると思います。

下請けの企業の記者となると基本給はありますが残業代が出ないので悲惨です。労働時間がどれだけ長くても給料がもらえないとつらいと思います。

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殺人事件で犯人が逮捕されていない状態で深夜取材に...

-仕事で最もつらかったことはなんでしょうか? 

殺人事件が起きて、取材を命じられ、すぐに数時間かけて現場へ向かいました。到着したら夜で、殺人犯も捕まってない状態だったですし、女性1人の行動だったので非常に怖かったです。

8時間くらいずっと待機して遺族に取材をするのは大変でした。

寒さや暑さ、トイレを我慢することもそうですが、もし自分が遺族の立場だったと思うと待機している取材陣から声をかけられたいとは思わず、初めての取材の時は、マイクを向けるのをためらいました。

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自分の取材で世の中が変わることも

-激務等の話がついついメインになってしまいましたが、記者の仕事はどういったところにやりがいがあるでしょうか?

障害がある子供を支える家族会の取材をし、放送がされるとご意見番が届くのですが、そこに届いた意見の中で、「障害がある自分の子供を隠していたけど、隠さず、生きていこうと思います」「一歩踏み出すことができました」というものがあり、こういったご意見は大変うれしいものでした。

また、放送がきっかけで、全国で同じような活動が広がったこと、自分が取り組んだことが社会を動かせたのだなという実感をもてました。

他にも、福祉関係で私が取材していた分野で、県から予算がおりるようになり、困っていた人たちの手助けになるといったこともありました。

ある発展途上国で活動する女性の企画放送後は、実際に現地に視察に行く人や活動を支援する人が出てきたりとテレビの影響力を感じました。 

本当に、社会の意識を変えることのできる仕事だと思いました。

放送局は及ぼす影響が大きいのでインパクトを実感しやすい仕事でもありました。

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記者は可能性を信じれる人でないといけない

-活躍する記者の人はどのような人なのでしょうか。

体力、精神力、忍耐力が何より必要です。

あとは最初から狭い視野でしか物事をとらえられない人には向いていません。可能性を信じる人が活躍していると思います。

どこの会社でもそうですが『できない』は通用しません。テレビは、映像がないと成り立ちませんので、タイミングや運なども大事です。

また記者一人では、できることは限られていますので、カメラマン、現場に向かてくれる運転手、自分の取材やカメラマンの映像を編集する編集などチームワークが大事です。

先ほどの福祉関係の取材も、取材先をどうやって見つけたかというと、県庁に訪問したときに、たまたま落ちていた一枚のパンフレットでした。

そういった一枚のパンフレットからチャンスが広がり社会に影響を与えるきっかけにつながるわけです。

仕事を通して精神力が身につく

-スキルは何が身につきますか? 

寝なくても・怒鳴られても平気な精神面は身に付きました。

毎回、違う取材先のため適応力やとっさの判断力も身に付きますが、やはり記者という特殊な職種のため、転職は同業に行く人が多いように感じます。

社会を変えようという気概をもったやる気のある人にあふれています。

-未経験でも記者になれるのでしょうか?

第二新卒として採用を行っています。またテレビ業界で言うと色んなバックグランドを持った人を採用している最近の傾向です。

新聞・雑誌の記者や他の局出身の人が多かったですが、元金融や公的機関出身など色々な人がいました。

ただし、これまでの自分の経験を捨てて一度真っ白になれる人が向いていると思います。

これまでの経験をいかして記者になる方もいますが、それまでの下積みもあるため、直ぐにやりたいことができるわけではないです。

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オンオフのない生活でも耐えれる人が向いている 

-どんな人を採用していますか?

体育会や、コネがあると言われている人(親が政治家、大手代理店の役員など)もいますが、探求心が強い人、好奇心が旺盛な人が多かったです。ミスコンに出ている、世界一周したことがある人など様々です。

また、オンオフがない生活をしているので働くことが好きな人、仕事そのものを楽しめる人などが向いていると思います。

編集後記

今回はマスコミに勤務していた方に取材をした。非常にハードワークであることがうかがえた。

マスコミに就職するにはそれ相応の覚悟をもっていかないといけないだろう。また女性にとっては家に帰れない等の厳しい環境はつらいだろう。

 マスコミの転職ならマスメディアン をまずはチェックしてほしい。

またマスコミ以外のネクストキャリアも検討していたら【BIZREACH(ビズリーチ)】を見てほしい。テレビ局からコンサルの転職も増えている。