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体育会学生の就職活動戦略について経験者に語っていただいた

さて、体育会の就職活動については、うまく行く人とうまくいかない人が大きく分かれてしまう。部活の影響でギリギリまで準備をしないため、ほとんどぶっつけ本番で就職活動に望んでいる。今回は、体育会就活の全容およびノウハウについて寄稿いただいた。ご覧いただきたい。

前置き

留学経験者、帰国子女と並び就職活動で強いとされる体育会の部活に所属している学生。筆者も大学では体育会に所属し、商社、金融など一般に体育会が強いとされている業界で就職活動をしていた。無事、金融業界への就職が決まった。

今回は19卒の体育会学生向けに、体育会は本当に就職活動に強いのか、体育会の学生はどのように就職活動を行えばいいのかを中心に書いていきたい。

体育会の学生とは

今回は体育会の学生とは大学公認の運動部に所属している学生とする。サークルだがお酒が飲める学生や吹奏楽部の活動に精を出していた学生は、気質は体育会かもしれないが、今回の記事内では体育会には分類しない。

本記事では大学の運動部に所属し、ある程度の上下関係に耐え、練習参加が必須であった学生に向けて書いている。

体育会の学生は本当に就活に強いのか

具体的なデータがないためこればかりはわからない。 

しかし、商社や広告代理店など人気の業界で体育会出身の学生の割合は大学生全体に占める体育会の学生の割合よりも圧倒的に高いことはよくわかるだろう。体育会は大学生活においてはマイナーな割合だが、総合商社等にいくと、体育会出身ばかりだ。実績を見るに体育会系は部活での成果が認められていると考えられる。

体育会の学生が本当に有利な点

就活において体育会という組織に所属していることで有利な点が2点ある。OB訪問をしやすい点と、部活ごとに企業の採用の枠を持っている場合がある点である。

OB訪問に関しては、会ったことのない先輩でも同じ部のOBならば快く引き受けてくれる。また、悪い評価をつけることも、よほど失礼な態度をとらない限り、あり得ないので、気軽にOB訪問をおこなうことができる。ただ、それが採用につながるかといえば、そうではない。内定をとるために必要な情報を得る場が多いので有利になりやすいうというだけだ。

多くの体育会就活生が勘違いしているのは、この点で、会えば受かったということだ。会っても最終的に判断するのは先輩ではなく、面接の場なのできちんと準備しておこう。

部活ごとに企業に枠を持っている場合もある。これはよほど伝統のある部活にいるか、OBがその企業で力を持っているかの場合に限られる。もし、自分の興味がある業界や企業にこういったコネがある場合、迷わず利用すればいい。 就活を始めると自然とOBから声がかかるってくる。

しかし、仮に内定を取ってしまった場合、OBのメンツもあるので簡単には内定辞退ができない。そこはよく考えて決断をしてほしい。理系における学校推薦に近いイメージだと考えてほしい。

なぜ体育会の学生は就活で強いといわれるのか

この要因は2つある。

1つは自己PRに困ることがないということだ。ESや面接では自己PRや強みなどの質問は定番中の定番だ。体育会の学生はスポーツの特性上、毎日高速でPDCAを回しながら競技の練習をしている。

他の大学生がだらけてすごしている間に、死ぬほどきつい練習をこなしているため、本人もやってきたことに自信を持っているし、他人から見てもわかりやすい努力である。

定番の質問を特に対策したりエピソードを大げさにしたりする必要なく、ありのままを話すだけで簡単に面接官に伝わるのは体育会学生の大きな強みだ。

もう1つは単純に体力があるからだ。毎日毎日練習する肉体的な体力はもちろん、部活内での上下関係や理不尽さにもある程度耐える精神力もあることが、企業から見ると入社してからの伸びしろがあるように見える。

体力が求められる部署に送られることもあるが、単に入社をするだけという観点では、体力があるエピソードを話さなくても伝わるので有利にはなるだろう。

体育会の学生はいつ就活をはじめればいいのか

体育会の学生で一番悩むのはいつ就職活動をはじめるかだろう。練習をずっと休むわけにもいかないし、周りで意識高く就職活動をしている人もいない。

結論から言うと始めるのは早ければ早いほうがいい。3年の夏から始められるのならそこから始めたらいい。早くから始めれば情報も入るし能力もつく。

部活ばかりしていると部活内でのことしか考えられなくなるが、就職活動は一生のことなので思い切って行動してみるとよい。関東の大学でないと移動時間もあり、なかなか時間が取れないだろうが、わずかな休みの時間を利用して活動するとよい。

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就活のスタートが遅れたら

そうはいっても、周りに就活している人がいなかった、練習が厳しくて就活をする暇がなかった等、就活のスタートが遅れてしまう場合もある。自分自身もそうだった。

特に行きたい業界、企業がある人は体育会でも早くから就活を始めている。こういった事態に陥るのは部活が忙しく、特に希望の業界がない学生に多い。

そこで、おすすめしたいのが、直近の部活の先輩が入社している会社をかたっぱしからエントリーする方法だ。企業の採用担当は数年間は同じ人がやっているし、〇〇大学〇〇部といえば、その先輩とリンクしてあなたのことを覚えてくれるだろう。その先輩が入社後活躍しているのなら、〇〇大学〇〇部は優秀だから採ろうとなることもある。

こうして縦の繋がりを使えるのが体育会の強みなので、積極的に利用してもらいたい。

また、裏技として、就活を一年遅らせるという方法もある。4年生の間は部活をやりきり、5年生で就活をするのだ。

通常、留年はマイナスに捉えられる。しかし、企業の採用担当も就活をしながら部活の練習に支障が出ることは知っている。そこで、就活のスタートが遅れたのなら思い切って4年生の間は部活に打ち込むというのも手だ。

実際に筆者の周りでもこの方法で5年生で就活をした体育会学生は、総合商社や広告代理店など人気業界に内定しているし、部活に打ち込むための留年にマイナスイメージを持たれたことはない。

5年生の間は就活だけに打ち込むこともできるし、4年間部活をやりきった後なので自信を持って学生時代の話ができる。4年生で就活をすると、まだ部内の主要な役職についたばかりで、実績を出せていないのが体育会就活の難しいところなので、この方法はその点でもおすすめできる。

体育会の学生は就活で苦労しないのか

ここまで読んでいると、体育会の学生は誰もが就活がうまくいくと思われているかもしれない。

しかし、体育会の学生は、採用に設けられている体育会の枠を、同じ体育会の学生同士で奪い合わなければならない。明確に何人というふうに枠が決まっているのかは分からないが、面接官からするとどうしても比べるのは体育会なら体育会、留学経験者なら留学経験者と、同じ属性の学生になる。

例えば某総合商社でも、後になって選考に落ちた理由を聞くと、他大学に同じ属性でもっといい人がいたからそっちを採った、ということがある。東京大学、体育会、理系などといった学生と同じ体育会カテゴリでの勝負になると東大以外の大学は厳しい戦いを強いられることは容易に予想がつく。

体育会の学生は何をアピールすればいいのか

ESや面接では自己PRにしろ学生時代頑張ったことにしろ、必ずそれを裏付けるようなエピソードが必要になる。

体育会の学生は毎日部活で練習してきたはずなので、それに困ることはない。ただ、競い合うのは上に書いたように同じ体育会の学生同士であるため、練習を頑張った話や後輩を指導してきた話だけでは、どれも似たような話やアピールポイントになってしまう。

もちろんそういったエピソードも必要だが、競う相手はほかの体育会学生ということを意識して、少し違った面でアピールできると面接官も興味をひかれる。

例えば、部の代表としてOBとの連絡や管理を担当した経験や、学生コーチやトレーナーとしてチームに貢献した話などは、普通の体育会の学生とは少し差別化できる。

体育会学生の注意点

アピールする点には困らない体育会の学生だが、1つ注意する点がある。

それは、競技を毎日行っているあなたにとっては当たり前でも、面接官にとってそれは当たり前ではなく、話が伝わっていない可能性があるということだ。就活生全般に当てはまることだが、特に体育会の学生にこの傾向が多い。

例えば、体育会でよくあるエピソードだがあなたは野球部で後輩の育成を頑張ったとする。だが、それを後輩の育成を頑張りましただけでも、またはバッティングの時にミート力が低いのでトスバッティングをするよう指導しましたでも、面接官にはうまく伝わらない。

前者は抽象的すぎるし、後者は野球をやったことがない人にとっては意味が分からないからだ。

誰々というバッティングが苦手な後輩がいて、観察しているとボールをバットに当てるためのバットをスイングさせるスピードが遅いことが分かった。だからそれを後輩に指摘して、毎日素振りを一緒にしてスイングのスピードを上げると、バットがボールに当たりやすくなり、バッティング力が向上した。丁寧すぎるかもしれないがここまで説明して初めてあなたのしたことは面接官に伝わる。

ESを書いたり、受け答えをしたりするときは、相手がその競技に関して素人だということを頭において、かつ具体的に説明する能力があると、周りとは差別化できる。  

体育会の学生は自信を持ってほしい

そうはいっても練習が厳しくて就職活動を始める時期が遅れたり、これまでのインターンの選考等でうまくいかなかったりした学生もいるだろう。

しかし、大学4年間1つのことに打ち込んだ経験は素晴らしいものだし、どこかでそれを評価してくれる企業が見つかる。就職活動のスタートが遅れても悲観的にならず、体育会らしく元気と体力で押し切れば、大きく失敗することはない。

ぜひ自信をもって就職活動をおこなってもらいたい。

会社の実態を聞いても人事は教えてくれないので、ビズリーチ・キャンパス でOBOGにアプローチをして、本音を聞いてほしい。面接時には会社のオフィシャルな情報を聞きにくいのは当然だろう。知り合いづてや、ビズリーチ・キャンパスのようなサービスで裏情報を仕入れ、面接や公式なOB訪問では自分の優秀さをアピールしよう