新卒でベンチャーか大企業か、中途で大手からベンチャーに転職すべきかという相談をよく受ける。~すべきという議論で語ることはそもそも不可能だが、キャリア選択のうえで、順張りと逆張りをどこですべきかについて考えてみた。
- 迷ったら順張り戦略
- かつての銀行は順張りだった
- 逆張りをするタイミングを考える
- 逆張りは、人よりも早く可能性に自分の時間を投資することである
- 逆張りのキャリアは時間を長期的に投資すべきである
- 順張りから逆張りにする場合の注意点
- キャリア戦略を考える際には情報収集を
迷ったら順張り戦略
新卒の段階では、人気企業に入社したほうが無難であると考える。新卒の段階で、明確にやりたいことがなければ、無理にリスクをとってベンチャーに行く必要はない。
順張りで、給料が高く、優秀な人が集まるところに入社すべきである。
今回の記事ではベンチャーを逆張り、大手を順張りという形にしているが、銀行に就職することはどちらでもないので、明らかに斜陽産業には行く必要はない。
産業の未来を危惧されている総合商社などは、現在はまだ給料も高いので、とりあえず入社してから身の振りを考えてもよい。
かつての銀行は順張りだった
1990年代に銀行に入行した人たちは、明らかに優秀な人達であった。その後、銀行が合併により、現在の三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行に統合されていった。
合併の過程で銀行の将来を憂い、また対等な合併ではなく、実質買収されたような統合もあったが、不利な立場におかれそうな銀行の出身者はいち早く銀行を去った。
規模は大きくないものの、国際派で優秀な人材を揃えていた東京銀行の出身者は、外資系の投資銀行やコンサルティングファームに転じて成功を収めたものも少なくなかった。
かつての日本の都市銀行は現在と異なり、優秀層が入行する民間企業であった。
こうした企業にいると、優秀な人であるということが外の企業の人から理解されているので転職がしやすかったのである。
現在は、三井住友銀行の若手行員が優秀かといわれると、どちらかといえば就活で苦労した人たちが入行しているため転職の際に有利とはいえない。
逆張りをするタイミングを考える
キャリアは基本的に順張りでよいが、いつか、逆張りをするタイミングが来る。これは、自分でリスクをとりたくなるタイミングがくるということだ。
具体的には、ベンチャーをはじめ、無名企業への転職をする人がでてくる。
こうした逆張りは、キャリアのどこかで行いたくなることが多いが、慎重に検討したほうがよい。
大手のベンチャーに転職した場合、すでに優秀な人が揃っていたために、活躍できる場所があると思っていたのに全く活躍できないなんてことはある。
例えば、総合商社から転職した場合は、商社よりも優秀な人達ばかりが集まっていて、転職に失敗したと感じるかもしれない。
逆張りは、人よりも早く可能性に自分の時間を投資することである
逆張りは、やみくもにリスクをとることではなく、今後伸びそうな領域に、いち早く身を投じることである。
例えば、7年前に仮想通貨業界に飛び込んできた人は、どうだろうか。7年前から現在に至るまで、ビットコインの価格上昇に比例して、仮想通貨関連の事業を行う会社の業績は圧倒的に成長した。
当初は、誰もが危険な事業だと思い、仮想通過領域に参入した人たちはただの怪しい人達に思われていた。フィンテックに詳しい人達ですらそう思っていたので、一般の方からするとなおさらである。
こうした逆張りは、成功する事例だ。
だが、銀行は今斜陽産業だが、チャンスがあると思い転職することは逆張りにはならない。
未来を予測することはできないが、銀行は体質上、30年は変革が厳しいためただ規模の縮小とそれに伴う合併によって生き残るしかなくなる。
逆張りのキャリアは時間を長期的に投資すべきである
例えば、今、ドローンやVRといった業界に転職しても今すぐに大金を得られる人はごく一部で給与水準も決して高くはない。
だが、長期的に見ると確実に伸びる産業なので、長期的に見て、自分の時間を投資するに値する業界といえる。
一方、ドローンやVRのビジネスがどこで大きく跳ねるかはまだまだわからない状況であるため、金銭的、市場的な意味で報われるタイミングがくるまで頑張り続けないといけないのだ。
報われるタイミングがいつになるかわからないため、あまり賃金の高くない状況で働き続けるのは苦しいかもしれない。
大企業から転職した人だと、今残っていると年収はこれくらいもらえるな~などど考え、余計につらい思いをすることになる。
しかし、市場が爆発的に伸びたタイミングで転職しても、あまりおいしい思いができないのがベンチャーだ。
今ごろ仮想通貨業界に転職しても、主要なポジションはとられているので、なかなかおいしい思いをするのはよほど能力の高いエンジニアでないと難しいだろう。可能なのはブロックチェーンエンジニアくらいだろうか。
順張りから逆張りにする場合の注意点
逆張りにする際は、転職することで成功、成長を確信したときだ 。周りの人は反対しても自分に確信のある状況でこそ、逆張りの転職をすべきである。
その際に、会社の雰囲気で選んではいけない。雰囲気の良い会社はごまんとある。だから、市場が伸びているか、ビジネスに可能性があるかをしっかり見極める必要がある。
市場の成長性を読むのは難しいが、競合企業も回り、市場の成長性が確実だと自信を持つことができたら、逆張り転職をしてよい。もちろん、予想が外れることのほうが多いが、自分の中で仮説を組み立てる経験をすることが重要だ。
キャリア戦略を考える際には情報収集を
市場を考えていくうえでは、求人を見たら市場がわかる。特定の業界の求人が増えたと思えば、その市場が伸びるという証拠だ。
新規事業を始める際は、市場が伸びる前に人を集めて、ゼロから行うので、市場よりも人の募集が先に来ることが多い。
ビズリーチに登録すると新規事業のポジションでの求人が多数くるのでチェックしてほしい。
求人を見て、この業界は伸びそうだなと仮説を立て、企業やエージェントに会っていくと、今後のおおまかな市場予測が立てられる。
ビズリーチはスタートアップも利用しているので特に予測が立てやすい。
今日は以上だ。