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マーケティングの仕事に転職したい人に読んでほしい「転職の教科書」

「マーケティングの仕事がしたいです」と相談に来る人が多い。

こうした人たちはマーケティングの仕事をしたことがなく、外回りの営業をしていたり、経理をしていたり、とマーケティングの仕事を理解しないまま応募に来ることが多い。
昨今、転職市場でホットなコンサルティング業界においても、仕事の中身をあまり理解しないまま転職して来る人が多い。
だが、未経験者を採用するコンサルティング業界と違い、マーケティングの仕事は、未経験者が採用されにくい事情がある。

マーケティングの仕事をしたいという人にぜひ読んでほしい。

マーケティングの仕事は、多岐にわたる

マーケティングの仕事内容は多種多様である。
マーケターを名乗る人に仕事内容を尋ねると、インターネットの広告用のバナー作成、テレビCMの作成、インタビューに出て自社製品を広める、価格を考える、販売する場所を考える、インターネット広告の運用をする、百貨店で製品を売るための場所の設営、記事制作、ホームページ制作、予算の管理など、様々な回答をいただける。

どれもマーケティングの仕事として、あってはいるが、そもそもマーケティングに関しての本質を考えてみたいところだ。

マーケティングは、何を目的とした仕事なのだろうか。


マーケティングの仕事とは、プロダクトへの「意味付け」

マーケティングの仕事は何を目的として行っているか。個人的な見解としては、担当するプロダクトの「意味付け」だと考えている。


プロダクトは、インターネット上のWebサービスであれ、スーパーやコンビニで売っているジュースであれ、競合のプロダクトはたくさんある。

そのなかで、ユーザーや来店する人に選んでもらう、買ってもらうために、プロダクトに対して意味を付与しないといけない。

レッドブルを買う人にとっては、翼が生えて、徹夜で疲れているときに元気を与えてくれる意味が付与されている。レッドブルが販売される前から、リポビタンDをはじめ、栄養ドリンクと言われるものはあったが、コーヒーよりも目を覚ます効果があり、覚醒効果が強いと消費者に認知されたことで、レッドブルは一気に売れた。
「ここぞという勝負にはレッドブル」という認知をしてもらうことで、レッドブルを買う人に対して意味を付与したのだ。


レッドブルは競合製品がたくさんでてきたなかでも、次はスポーツ選手を支援するようになり、「スポーツという一瞬の輝きが必要な状況でパフォーマンスを発揮するためにはレッドブルだ」というイメージを植え付けている。

アスリートがレッドブルを試合前に飲むのはどうかと思うが、レッドブルは、アスリートを支援し、新たな意味付けをしている。

こうした意味付けは、常に変化していく。レッドブルがでたときは、エナジードリンクというカテゴリがほとんどなかったが、模倣されたなかでさらに新たな意味を付与しないと生き残れない。

 

目的を意識した仕事を常にする必要がある

マーケティングの仕事をプロダクトへの意味付けと定義させていただいた。
次に、マーケティングを行う、「マーケター」たちは、目的に対してブレない価値を出さなければならない。

マーケターは経営者から命題を与えられる。このジュースを100万人に売りたい、このミキサーを10万人の人に知ってもらいたい、といったように数字が与えられることが多い。

こうした目的をきちんと解釈し、適切な戦略をとる必要がある。
ジュースを100万人に売るという目的は、日本国内で日本人に認知してもらうためなのか、赤字覚悟でも認知してもらえばいいのか、利益を出すためなのか。
目的を経営陣と齟齬がなくなるまで議論する必要がある。

実は最初の100万人がテストマーケティングで、1億人に売るための布石だとしたら考え方は変わってくる。

会社の状況にもよるのでその時々で、どういった目的があるかを妥協なくブレークダウンしていくことで、自分の仕事を明確にしていく。

こうした上流の目的の設定に関わっていく人たちがCMOと呼ばれる人たちに近い。

言われたことだけをやる人たちはマーケターとは呼びづらい。
インターネット広告をfacebookで100万円分、20代男性にリーチするように設定して、frequency capは10回で、などといわれ、設定をする人は、ただの作業者で、マーケターではないと考える。指示を受けるだけで、目的の設定には何も携わっていないからだ。

目的の設定に関与し、できるだけ、自分で目的達成のための手段を設定できることが、マーケターの裁量の広さであると思う。

 

デジタル領域への知識、経験は必須

目的設定の重要性を話したが、手段であるデジタル広告に関する知識がないと今後生き残ることが厳しい。
モノが、インターネット上、最近ではスマートフォンで売れるようになってきた環境において、インターネット上の行動様式や習慣を理解できないマーケターは、今後生き残るのが厳しくなるだろう。

引っ越しや、介護といったことも最後はアナログで行うが、その集客や利用者の意思決定に関わる部分はインターネットで行われることが増えてきた。

こうしたなかでインターネットの知識がないと、仕事の幅が狭くなる。

引っ越しをしてもらうにしても、あらかじめインターネット上で利用者に期待値を適切な値で醸成しなければならないし、体験してもらうサービスを、期待値と同等、もしくはそれ以上にしないといけない。

インターネットから実体験にいたるまでをコントロールできるかどうかは、マーケティングを実行する人にとって大きなインパクトを残すことになる。

 

プロダクトが強すぎるマーケティングはおすすめしない

プロダクトが強すぎるもののマーケターになることはおすすめしない。
具体的に、Googleの広告のマーケティング担当のことを考えてみよう。
今や、Googleの広告なしにインターネットビジネスは成り立たないだろう。

多くの人はすすめられたらGoogleの広告を買ってしまうので、Googleのマーケティング戦略を考えるにしても、すでに売れる状況で、どこまで単価をあげるかということを考えるのが仕事になってしまう。

競合がいて、競合から選ばれるにはどうしたらよいかという状況を考えることを仕事にすることをおすすめしたい。


ちなみにGoogle自体は、エンジニア等から次々とイノベーティブな広告アイデアや、広告に関する新しい技術がでてくるため、それらのテクノロジーをどう生かすかということを考えることにマーケティングの面白さはある。
ただし、すでにGoogleの広告を使っている人に対して、新たな付加価値を提供することになるので、一般的なマーケティング業務とは異なってくることがある。

 

競合がいる世界で競争する方がマーケティングの能力が身につく。Amazon(EC)やGoogle(インターネット広告)といった企業にいまのところ競合は実質いない。Yahooをあげるのは少し違うだろう。
ただし、AmazonやGoogleはテスラやトヨタといった自動車分野で競っているが、自動車分野は競争が激しいため、販売段階になった際にマーケターの能力は問われてくることだろう。

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高価格帯のプロダクトマーケティングもおすすめしない

高価格帯の製品のプロダクトマーケティングもおすすめしない。すでに確立されたブランドの価値を動かしづらいからだ。
高価格帯のもので、リピーターが多い商品については、すでに実行されていることを実践しつつ、少しだけ時代の変化をとらえることが仕事になってくるので、マーケティングの仕事の幅が狭くなってくる。

昔のSONYのアイボを売る仕事は、高価格帯でも新しいチャレンジなので、マーケティングの仕事の役割は大きい。
アイボのことを本当のペットとしてとらえる人が出てきたため、アイボは新時代のペットだという意味をもたらすことができたことは、マーケティング担当者にとっては大きな実績だろう。
ただし、ペットとして認識する人の母数が多くなかったために、売上を大きく伸ばすことはできなかった。

Pepperがでてきた昨今においては、アイボのようなチャレンジがまた実を結ぶことになるかもしれない。Pepperだったら、24時間働くことができる店員といった付加価値を法人ユーザーに提供できているのではなかろうか。

 

スタートアップのマーケティングをする際の注意点

スタートアップでは、マーケティングの仕事は重要視される。スタートアップはプロダクトをつくり、販売しなければならないからだ。
だが、スタートアップの場合、まずは注目されることに走りがちで、本質的なマーケティングを重要視している経営者が少ない。

よって、施策が、とにかく「目立とう」「広報活動をしよう」といったことに終始しがちで、目的をもったマーケティング活動にならず、せっかくのマーケターの能力が生かされないこともしばしばだ。

スタートアップでマーケティングをする場合は役割を考えてほしい。

 

ベンチャーでも注視されるテレビCM効果

ベンチャー企業でテレビCMを放映するところが増えた。グノシーやメルカリといった世の中の大衆を狙ったサービスは、インターネット広告よりもテレビCMのほうが、広告効果が高いことがある。

テレビは、本ブログの読者は実感できないかもしれないが、広告効果の高いものなのだ。テレビはいまだ数千万人の人が見ているため、テレビに広告を出すことで、一気に自社プロダクトを認知させることができる。
電通や博報堂も、テレビの広告枠をテレビ局から購入し、メーカー等のクライアントに販売することで、大きな利益を得ている。電通も新規事業や投資に取り組んでいるが、なんだかんだテレビの広告枠が一番儲かる。

話が少しそれたが、ベンチャーでテレビCMを作れる人に求められる役割は大きい。。ネット時代だからこそ、ネットもテレビもわかる人には需要がある。

 

マーケターは予算ありきで戦い方がかわる

マーケティングの仕事は、予算が与えられて、はじめて仕事がはじまる。予算のないマーケティングであれば、無限にテレビCMやインターネット広告や渋谷に広告を貼れば、日本中に自社のプロダクトを知ってもらえる。
だが、こうしたことは現実にはなく、予算が決められたなかでどのように勝負するかがカギになってくる。

目的を達成するために、予算による投資の最大化をどう図るかを考えるのが仕事になってくる。

 

マーケターは数字が強くないと今後生き残れなくなる

マーケターの仕事を聞いていると、IT企業を中心にビッグデータの話がでてくる。ビッグデータといっても大した情報量である場合は稀で、エクセルで処理できるような情報量をビッグデータと呼んでいる場合がほとんどだ。
とはいえ、それなりに大きいデータから抽出され発見された事象を、自分なりに数値で分析して、定量的に示すことで、マーケターの方向性や今後の攻め方を考える。

数字が必要な時代においては、数字を分析していく癖をつけてほしい。

 

消費者/ユーザー理解がすべて

消費者やユーザーがどのようなプロダクトにも存在するが、どれだけ彼ら、彼女らのことを理解できるかにかかっている。普段の生活や思考の文脈を読み取ったうえで、自社のプロダクトがなぜ選ばれ、使われたのかを理解しないといけない。
こうした理解力は、新しいプロダクトを開発する際にも必要な能力となる。

だが世の中を見ても、本当に消費者やユーザーのことを理解している人は少ない。そして、消費者やユーザーを理解することを重要視している企業も少ない。
P&Gはマーケティング組織とは別に、CMK(Consumer Marketing Knowledge)とよばれる組織があり、消費者のことを理解することを本業とし、また、他部門の人たちの消費者理解を助ける役割を担っている。
自分とは生き方や性別のかぶらない人たちの文脈をインストールし、ビジネスに生かせるようになる能力は、非常に希少だ。

 

会話のなかでどれだけの発見を得られるか

マーケターになりたい人は、普段友人やパーティーで話した初対面の人との会話から、どれだけの発見を得ているだろうか。あなた以外の人で、同じ文脈をもっている人はほとんどいないだろうから、話すだけで大きな発見が本来はあるはずである。
そうした発見を積み重ねて、あらゆる人の思考法を蓄積できるようになったら、マーケティングの仕事の機会を得ることにつながるだろう。

 

日常生活へのアンテナの量が差をきめる

また、人と会わなくても、日常のテレビCMや電車広告のなかから、なぜこのような広告を作っているかを考えるだけで、インプットされる量が変わってくる。普段のアンテナの多さがマーケターとしての仕事の幅を増やし、アウトプットにつながっていく。

面接の際も日常へのアンテナをはっているだけで大きく、評価がかわってくるだろう。自分の興味の対象でなさそうな領域も理解していることが大事だ。
30代の男性が、最近流行っているアプリである「Tik Tok」のことをよく理解していたら、勉強熱心だなと思われるに違いない。

 

マーケターになりたい方へ

マーケターになりたい方は、マーケティングポジションを探してほしい。
ビズリーチに登録したら、様々な案件をご覧になれる。スカウトが多数くるので、マーケティング志望にして、スカウトをまとう。マーケティングポジションを採用している企業から直接オファーがくることもあるので、ぜひご覧になってほしい。

また、外資系であれば、ロバート・ウォルターズが案件をもっている。外国人の転職エージェントも多い。また英語力に自信がないが外資系に興味がある場合は、支援実績のあるJACリクルートメントを使おう。

コンサルティング業界に転職してマーケティングの支援をしたい場合は、アクシスコンサルティングにいこう。

Web業界であればGEEKLYを利用してほしい。

すぐにはじめられるサイトは、ビズリーチ、そしてWeb業界であればForkwell Scoutがおすすめであるのですぐに登録して利用してほしい。

 

今日は以上だ。