20代~30代のキャリアを考えるブログ

若手のキャリア、転職についてインタビュー、意見を発信しています。

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激務の仕事から逃れる方法

近年、激務を敬遠するのがあたりまえの風潮になってきた。激務が好きでコンサルティングファームで働いているドMはそうそういないことだろう。激務の仕事に従事している人が現在の仕事から逃れる方法について考えてみた。

激務の定義

激務の定義だが、定義は人それぞれだろう。以前であれば、土日含め週7日勤務の人を激務と呼んでいたが、労働環境が変化した昨今は激務の定義が変わってきた。数か月にわたって月60時間以上の残業が発生したら激務といってもいい。

こういうと、投資銀行や、広告代理店やテレビ局やローランドベルガーの人たちが激務とは残業100時間超えないと言えないのでは?と文句を言うかもしれない。数年前、残業時間だけで月300時間はあったと言っていた若者もいた。本当に残業時間300時間を数か月続けたら恐らくほとんどの人は、そのうち起き上がれなくなるだろう。

40時間以内に抑えるように努力している企業が多いだろうが、今回は、40時間の目安を少し超える、60時間を激務と定義させていただく。ただし、残業20時間でも上司のマネジメント力がなければ精神的につらくなり、精神的な病気を発症する危険があるので、一概に時間だけで激務と言っていいかの疑問はある。

コンサルは激務なのか

激務というとまず思い浮かぶのは、コンサルティングファームだろう。以前このようなツイートをしたら大きな反響を得た。

 

こちらのツイートに反応が集まった。コンサルは激務、というのは多くの人から認識されているだろう。

コンサルティングファームは、大企業をクライアントとし、莫大なコンサルフィーを事業会社からコンサルティング会社に払われているため、事業会社からのプレッシャーも大きく、結果を求められる。また、大きな変革を要するプロジェクトも多く、コンサルタントに求められる役割は大きい。

また、一部の戦略ファームでも行われるようになったが、システム導入プロジェクトとなると、工数だけ要するものもあり、最初から苦しいことが分かるプロジェクトもある。アクセンチュアなどでは、システム導入プロジェクトは日常茶飯事だ。また、みずほ銀行のシステムになると、苦しみながら働いている人が多数いるのは承知の通りだろう。

コンサルティングファームは必要以上にパワポを整えたりしていて、外部の人からすると無駄に見える作業で疲弊しているのも現実である。

コンサルはプロジェクトによるものの、1年間アナリストやアソシエイト(アクセンチュアであればコンサルタントポジション)をやっていたら、ほとんどの人に激務の期間があるのは事実だろう。

ベンチャーは激務になるのか

ベンチャーは激務だという考えがあるが、個人的にベンチャーはもはや激務ではなくなっている。ベンチャー企業は人材確保のために働きやすさを押し出しており、Slackをはじめとする効率化ツールを導入し、勤務時間を短くしようとしている。

大企業はOutlookを利用するのが常であるが、ベンチャー企業は、メールを利用する際は、G SuiteによるGmailを使い、よりコミュニケーションをしやすくなっている。

ベンチャーとうたっているところで現在も激務である企業があれば、高確率でブラック企業である確率が高い。もちろんベンチャー企業は起業を志す若者が多く、望んで残り、スキルを磨いている人もいる。日常業務に忙殺され深夜まで帰れない会社はブラック企業である。

ベンチャー企業だからといって激務であることはなく、むしろ労働時間は短くなる傾向にあるため覚えておこう。また、上場を目指している企業は退職率や残業時間に敏感であるため、特に経営者が努力をして激務を避けている。

激務でないと成長しないという幻覚

若手は長時間労働しないと成長しないのでは...と不安になることがある。この不安は特段珍しいものでもない。8時間労働だと25歳くらいの若者は体力が余っているためもっと働いてもっとスキルを得たいと考える。

しかし、残業している30代後半の方で、労働時間が長いのは、エクセルやパワーポイントの作業スピードが圧倒的に遅く、ショートカットが全く使えず、時間だけを浪費して残業しているパターンがある。

一方、学生時代からインターンをしてスキルを磨いていた若者は、エクセルをはじめとするPCスキルが圧倒的に高く、仕事を早くおわらせている。コンサルティングファームでは、エクセルの作業スピードは経験年数に大体比例するが、事業会社は学ぶ意思と機会がないため、学んだもの勝ちとなっているのが実情だ。

よって、1日8時間のなかでしっかりと働き、その時間内で結果とスキルアップをはかるようにしよう。

激務なのはローランドベルガーだけではない

激務が緩和されつつある世の中だが、良い企業で激務の企業はまだまだある。ローランドベルガーを事例にあげたが、コンサルティングファームのなかでも労働時間が比較的長いと言われている。しかし、ローランドベルガーがダメな企業というわけではなく、優秀なコンサルタントが所属し、大企業のコンサルティングで実績を残している。

ちなみにローランドベルガーの社長である長島氏は、博士号を取得し、助手をつとめてから、コンサルタントになったキャリアである。長島氏と面識は全くないが、理系で博士号、そして助手をつとめた経験から、長時間労働への耐性があると推察される。

世の中には激務である企業はまだまだ存在し、それらの企業はやりがい搾取をするいわゆるブラック企業ではなく、お金ももらえ、成長できる企業が多い。

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転職しても、激務になる人

激務が嫌で転職をしたいと言い、転職をする人は多数いる。だが、不思議なことに転職する度にどこでも激務となっている人がいる。その理由は2点ある。

激務である企業出身であるため長時間働けるだろうと上司が思い、こき使うパターン。もう一つは要領が悪く、どこにいっても仕事に時間がかかり、根性で成果を出してきたパターン。もしくは両方を満たしている人だ。

全員が18時に帰る会社で、同僚が効率よく働いているのを目の当たりにするなどしないと、こうした要領の悪さは自分ではなかなか気づきにくい。

コンサルからベンチャーに転職した際に、自分は仕事ができると思っていたが、実はエクセルしかできず、仕事の進め方という点では全く能力がないことに気付く人もいる。

環境によって、大きく影響を受ける人

日系大手にいがちであるが、周りが帰れば早く帰る人、周りが残るとずっと残っている若手は珍しくない。女性で子持ちの人ほど、保育園に迎えにいくために、先に帰るため生産性が高い人がいるが、若手の男性は、周りに合わせがちである。

よって、早く帰宅する企業に転職できれば、それにあわせてホワイトな働き方ができる。稀に、みんな帰るから自分も帰るが、実は仕事が残っていて持ち帰る人もいるので、そうはならないように気を付けていただきたい。

激務と言っている人は、実は激務でない人もいる

「激務、激務、激務だ」と連呼している人は全員が激務というわけではなく、夜2時間くらい食事に抜けていたり、場合によっては酒を飲んでからオフィスに帰ってきて生産性の低い状態で働いて、長時間労働になる人がいる。

睡眠時間が慢性的に不足すると判断力も鈍り、長時間働くことがあたりまえになり、労働時間を削減する意欲がそがれてしまうので、自分でがんばる工夫をしよう。

転職活動をして、夜面接をしにいくことをおススメする
さて、転職先が激務かどうか気になるところなので、夜面接をしにいってほしい。チェックすべきは、社員がまだ、オフィスに多く残っているかどうかだ。いなければその企業は、労働時間は短いか、夜働く人はバレないように隠された場所で働いているかのどちらかだ。

また、夜に面接を頼んだときに、夜は、帰っているので夜の面接はしませんと言われたらその会社はホワイトである確率が高い。面接時間の設定にも工夫してみよう。

転職活動をはじめてみよう

激務である人ほど、転職活動の時間がないといって、激務の沼にはまり取り返しのつかないことになる。忙しい人ほど、転職活動をして現状を変える努力をしたほうがいい。ビズリーチは登録するだけで転職活動ができるので必ず使ってほしい。

ビズリーチで転職エージェントとあって、自分のオフィスの近くに呼び寄せよう。そしたら移動時間も短く30分程度で転職相談できるはずだ。

こういう場合は大手より個人エージェントのほうがいい。なぜなら大手は面談が多数組まれているので、オフィスまでわざわざ出向いてくれないからだ。

ビズリーチに登録しておこう。今日は以上だ。

大手人材紹介会社DODA(パーソルキャリア)の現役社員に聞いた成功する転職の方法

大手人材会社は、リクルートエージェントを運営するリクルートキャリア、DODAを運営するパーソルキャリア(旧インテリジェンス)、JACリクルートメントが存在する。今回は、業界第2位であるパーソルキャリアの現役社員に大手転職エージェントの裏事情を聞いてきた。大手転職エージェントをフル活用するための秘訣を語って頂いたので、是非ご覧いただきたい。匿名でお答えいただいたのでかなり本音で答えていただいている。

パーソルキャリアでの仕事内容

-パーソルキャリアではどのような仕事をされているのですか?

中途で旧インテリジェンスに入社しました。数年にわたって、法人側の営業を担当しています。組織のお話をすると、リクルートとパーソルは、キャリアアドバイザー(CA)とリクルーティングアドバイザー(RA)にわかれています。

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簡単にいうとキャリアアドバイザーは求職者にあって求人斡旋をします。通常の求職者が会っているのは、キャリアアドバイザーの方ですね。私は、リクルーティングアドバイザーと呼ばれる、法人側の営業をしています。

-具体的にリクルーティングアドバイザー(RA)のお話を詳しくお聞かせいただけますか?

リクルーティングアドバイザーの仕事は多岐にわたります。まず、企業側のニーズを聞き、キャリアアドバイザーに企業のニーズを伝えます。その後、ぴったりの候補者を紹介してもらう場合、すでにぴったりな人材がいて、企業にこちらから提案する場合、また人事機能をほぼ全て代行する場合もあります。

採用のプロが人事にいるとは限らず、我々が採用機能をまるごと代行することで、採用の要件定義、部署へのヒアリング、募集要項の作成、外部の転職エージェントに紹介の依頼をするといった、中の人事とほぼ変わらない業務を補填する場合もあります。

人事として入り込めることができればできるほど価値はあります。

-企業が採用機能を人材紹介会社に依頼するのはなぜでしょうか。

人事部が採用を上手に出来ていないことがあります。依頼先の企業は超がつく大手ばかりなので、採用担当者もいそうですが、人事側は労務研修や社内研修にばかり注力しています。

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結果、相対的に採用の優先度が低くなってしまっています。これは一般的な人事評価制度の話ですが、採用よりもその他の業務の方が社内の評価指標になっているためです。

一方、IT業界におけるエンジニアの採用担当は、同じ人事でもエンジニアをどれだけ採用できたか、つまり採用が評価指標として重きに置かれているため、一生懸命に採用活動をしています。

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それでもエンジニアは採用が難しい状況のため、外部の人材紹介会社に採用のサポートを依頼している状況です。

-ご担当されている業界を教えてください。

大手企業は幅広く担当しています。大手メーカーや大手IT企業、外資系企業、コンサルティング会社を担当しています。特に、製造業としてくくられている大手メーカーを担当しています。家電メーカー、自動車メーカー、部品メーカーが多いですね。

-差し支えない範囲で取り扱っている企業名を教えてください。

あまり具体的には言いづらいですが、電機メーカーの上位に位置するソニー、日立、パナソニック、東芝、富士通、三菱電機といった企業群のほとんどをクライアントにしています。

自動車メーカーに関しても、日産等の自動車メーカーから、自動車メーカーの部品供給源である、tier1と呼ばれるサプライヤーまでをクライアントとしています。具体的にはtier1はアイシンやデンソーといった企業群です。

大手メーカーだとNECや富士通もですね。ほとんどのメーカーはクライアントだと思って問題ないでしょう。

その他の企業だとAmazonといった外資系IT企業から、Yahoo!といった大手インターネット企業、mixiのようなメガベンチャー、そしてそれに類する企業がクライアントになっています。

どこの会社にいっても紹介されるであろうアクセンチュアやアビームコンサルティングも、もちろん担当です。

大手でも幅広い学歴の人が転職している

-現在の転職市場(2018年)全般をどう見ていますか。

かなり転職しやすいです。大手メーカー、IT企業を見ていても、人材不足のため学歴が問われなくなってきています。リクルート等の超大手と呼ばれる人材会社にも、学歴に関係なく転職ができるような状況があります。

-具体的に、どの企業にどのくらいの学歴があれば転職できるのですか。

具体名は書けませんが、日本の超大手総合電気メーカー、自動車メーカー、ITメーカー、またリクルートといった企業に、大東亜帝国(大東文化大学、東海大学、亜細亜大学、帝国大学、國學院大學)卒で経験年数を満たしていれば転職が可能です。

日東駒専(日本大学、東洋大学、駒澤大学、専修大学)も以前より、かなり転職がしやすいです。

我々の人材業界も転職エージェントをしていると、超大手企業の人事として引き抜きされることもあります。新卒では早慶以上でないと面接にすら呼ばれないのにも関わらず、現在の状況ではMARCH以下でも、超大手企業に転職している現状があります。

この前も同僚が、誰もが知る業界トップクラスのメーカーに、人事として転職していきました。

それほど人が足りない状況です。新卒で学歴フィルターに苦しんだ人も転職はできますし、本当に逆転したいなら今しかありません。

-それぞれ年齢的にどういった区分で採用をみていますか。
日本の大手企業だと32歳以下は若手として、33歳以上はマネジメントを求められて、主任~課長ポジションで転職しています。

32歳以下の若手もどんどん採用したい状況ですが、33歳より上の主任以上のポジションは、はっきりいってがら空きですね。リーダー経験を持っていたら簡単に転職できます。

こちらも学歴等を問わずに転職できます。

営業転職での注意点

-ベンチャーから大手はいかがでしょうか。
ベンチャーから日系大手に行く例も多くあります。

経理、人事をはじめとしたバックオフィスとエンジニアは汎用性があるため、すぐに転職できます。

営業に関しては条件があります。ベンチャーの中でも大手企業をクライアントとした法人営業を担当していた場合は、大手企業に転職しやすいです。大手企業は大手のクライアントばかりなので、大手を相手にした経験があるかどうかが営業で問われてきます。

いずれにせよベンチャーの待遇や環境に不満があれば秒速で辞めて大企業に行くことをおすすめします。なぜならば今がチャンスだからです。

 

-キャリアアドバイザー(CA)はどのように評価されるのでしょうか。
転職決定数が大前提です。面談した人を多く転職支援できればOKですが、目標もそれなりに高いので30%程度の人しか目標を達成できず目標未達になる人がほとんどです。

次に見られるのはカウンセリング数です。多くの人と面談していたら転職決定数が伸びる可能性があるということで評価されるわけです。

-面談数というと、誰でも達成できそうな指標に私は感じてしまします。
普通はそうですが、キャリアアドバイザー(CA)が面談をさぼることがよくあります。

面談希望者は平日働いている人ばかりなので、土日に面談を希望しますが、キャリアアドバイザー側が土日休みを取りたいと思って出勤しなかったら面談を多くこなすことができません。

また、面談を入れられないように自分で勝手にスケジュールを仮ブロックしてさぼっている人がいます。本人のやる気の問題で、はっきりいってダメな人です。

-こうした人には会社側から注意しないのでしょうか。
人材不足なのは人材業界も同じです。辞められたら困るので、部下のキャリアアドバイザーに対して上司も強く言えていません。

私はリクルーティングアドバイザー(RA)ですが、企業からの要望に応えるために、求職者からのフィードバックを回収してほしい時があるのですが、そうしたお願いも無視されることがあり、モラルが崩壊しています。

逆に頑張れば報われる世界なので、仕事をしたい人はぜひ人材業界に来てほしいですね。

人材紹介会社による違い

-人材業界はリクルート、パーソル、JACとありますが、どのような違いがあるのでしょうか。
色々な切り口から比較させていただきます。
まず、会員数ですが、
リクルートエージェント420万人
DODA 320万人
JACリクルートメント100万人
パソナ60万人
マイナビ30万人
となっています。

そして何より大事な点は、リクルートとパーソルキャリア(DODA)で人材紹介会社登録の80%を抑えています。つまりこの2社が転職市場の情報、特に企業側の情報を圧倒的に保持しています。

よって大手転職エージェントはリクルートかパーソルキャリアは使うべきです。

-各社を一言で表すとどのような違いでしょうか。

リクルートとパーソルキャリアは全般的に強いオールラウンダーです。JACリクルートメントは年収500万円以上に強いです。

マイナビは20代の若手に強いです。パソナキャリアは年齢が高い人の再就職支援に強いですね。

またパソナがやっているビジネスとして早期退職者の支援があります。パソナは業績の関係から早期退職者をつのり、人件費を削りたい企業に食い込んでいって、早期退職者のカウンセリングを企業から依頼され、別の会社に転職支援するサービスが強いです。

企業側としても早期退職者で人件費を削ることができますし、パソナも転職成功したらお金がもらえますし、求職者も簡単に集められるわけですからおいしいビジネスですね。

JACリクルートメントについて

-JACが500万円以上に注力しているイメージはあまりありませんが、なぜ500万円以上なのでしょうか。
厳密には、転職紹介料が200万円以上の人でないと転職エージェントの売上数値に加算されないのです。

仮に年収300万円で、転職紹介フィー30%の人の転職紹介を成功させると転職エージェントの売上は90万円ですが、200万円以下なのでその人の売上成果にならないのです。

よって、年収700万円の人の転職紹介を成功させ、転職紹介フィー30%で700×30%=210万円といった感じの転職支援をしないといけないので高年収ばかり狙っています。

高年収となると、外資系や英語ができる人といった人材にしぼられるのでJACはそうした対象に強いと言われています。またJACは高年収の人を扱うが故に、候補者をいい意味で持ちあげるようなことをしないため、正当に実力を評価してもらえます。企業もあれこれ受けさせてくれません。

高めの年収を狙うなら、JACリクルートメントは大手転職エージェントの中でもおすすめしています。

-リクルートエージェントとパーソルキャリア(DODA)の違いをもっと知りたいです。
パーソルキャリアの情報がメインになりますが、まず営業側の話をします。

パーソルキャリアの方が営業を細かく分けて、人海戦術を行っているので小さい案件や地方の案件を始め、多くの案件を持っています。とはいえ、大きく変わるわけではありません。
また、パーソルキャリアはNet Promoter Scoreという指標を重要視しています。10段階で評価を求職者につけてもらい、ボーナスの額に差をつけています。キャリアアドバイザーの質に問題を指摘されている現状があるので、求職者からの満足度をより成果に反映させる仕組みにして、ボーナスで5倍ほど開きが出るようになっています。

もちろん満足度が高い人は売上自体も高くなる傾向があるので、そのせいもあります。

-各社、キャリアアドバイザーとリクルーティングアドバイザーのようにわかれているのですか。
リクルート、パーソルキャリア、マイナビは分かれています。一方、JACリクルートメント、パソナは両手型と呼ばれる、企業側の営業も個人のキャリアカウンセリングのどちらも担当する仕組みになっています。

どちらもメリット、デメリットはあります。分かれているほうが効率的に行うことができるので、売上は立てやすくなります。また、企業のRPO(採用代行)をはじめ、人材紹介だけに限らないビジネスまで深く食い込むことが出来ます。

一方、両手型は、企業のニーズ調査と候補者の面談を同じ人がやるので、より、企業のニーズに近い人を提案できるようになります。法人営業と求職者カウンセリングが分かれている場合、社内でのやりとりで企業側の要望と求職者の要望がうまく伝わらないミスコミュニケーションが起こるので。

JACリクルートメントのような会社には、企業側も課長クラス以上の高年収かつ、採用をしていることを外部の競合企業にばれたくない場合があるので、こっそりと採用活動をする場合に重宝されます。

-DODAを運営していた旧インテリジェンスは買収され、パーソルキャリアとなりましたが買収の影響はありましたか。
良い面悪い面どちらもあります。

良い面は顧客の数が増えたことです。パーソル自体は派遣に強いので、旧インテリジェンスの取引がなかった企業の営業に一緒に行かせてもらうことができて、人材紹介の窓口を開けることに成功するパターンが増えました。

一方、リクルートは分社化した影響で、リクルートがもつ総合サービスをワンストップで提案できたのが、人材は人材、その他サービスはその他サービスでといった形で分かれることになり、シナジーがなくなりました。

悪い面ですが、意思決定のスピードが遅くなりました。意思決定の際に巻き込む人数が多くなったのと、パーソル全体で見たときに、ビジネスでカニバリゼーションを起こしてしまい、パーソル内の別の会社からクレームがつくこともあります。

旧インテリジェンスの人たちからしたら知ったこっちゃないのですが。
また、合併後の統合がまだまだ上手くいっていないので、シナジーを完全に出せていない状況です。

-パーソル内で異動はあるのですか。
あります。人材紹介から派遣に異動するといったことですが、基本的に仕事ができない人が異動する仕組みなので、DODA側にも人がくるのですが、良い人は来ません。

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リクルーティングアドバイザー(RA)とキャリアアドバイザー(CA)

-現在リクルーティングアドバイザー(RA)をされていますが、優れたRAとそうでないRAの違いは何でしょうか。
一言でいうと、クライアントの社外人事になれるかどうかです。RPO(採用代行)の案件でなく、単に人材紹介を頼まれている場合でも、自分がその会社の人事になったつもりで仕事ができる人は優れたRAです。

例えば、人事は良い求人票が作れず困っていたとします。そうした際に、自分の職務範囲でなくても、「現場にヒアリングさせて、私に求人票を作らせてください」とお願いをして現場に足を運んで求人票をつくり採用の成果につなげると人事に信頼されます。

人事に信頼されはじめると、独占案件を信頼されている営業だけに渡すようになります。

リクルートエージェントとパーソルキャリアは法人営業が強いためこの2社しかもっていない案件、もしくはこの2社だけに先に流通する転職案件が多々あります。よってこの2社は利用しておくべきだと思います。

-求職者がキャリアアドバイザー(CA)を利用する際に気を付けるべきことはありますでしょうか。
ダメなキャリアアドバイザーに当たってしまうと、転職エージェントとしての機能を全く果たさないので気をつけてください。

先日も年収1,000万円くらいの40歳ほどのメーカーの技術者がきて、うちのCAがカウンセリングしたところ、どこも転職は難しいでしょうし、年収もあがらないでしょうと酷いアドバイスをして追い払う形になりました。

しかし、その方が別の転職エージェントに行って、相談に行ったところ、年収が倍以上、つまり2000万円オーバーで転職に成功したのです。よくよく聞いてみるとその方は、現在求められているトレンド技術の開発に大きな役割を果たしており、市場価値の高い希少な人材だったのです。

そうした方の可能性を見出すどころか追い払う対応をする転職エージェントが世の中にいるわけです。転職エージェントには複数会ってみることが重要だということがわかります。

パーソルキャリアのCAも残念ながらレベルの低い人達が多数いるので、少しでもダメだと思ったら担当を変えてもらってください。

-企業から提示された要項だと応募が厳しい企業に応募したいというニーズがありますがそうした方への対応はどうするのでしょうか。
CAだと対応してもらえないので、RAが企業に対してどう交渉するかが重要です。
企業からは理想を提示しますが、こちらから人材紹介の提案をするときに複数パターンほど球をもっておきます。余裕で通りそうな人を提案するのも大事ですが、ギリギリ通るか通らないかの人材を提案して、徐々に要件緩和をしてもらいます。

転職回数が2回までと言われていても4回に緩和してもらったり、年齢をもっと緩和してもらったり、経験が足りなくても長期的な育成を考えて緩和してもらったりと様々です。

こうしたRAの交渉によって、最初は企業からの募集要項を満たしていない候補者でも応募できる形になります。

-求職者としてはキャリアアドバイザー(CA)にどう動いてもらうかが重要な気がします。どうしたらよいでしょうか。
その前に、転職エージェントの会社側からアプローチしてもらうことを意識することが重要です。

登録していただいたデータベースの中から、該当する条件にヒットする人にこちらから声をかけて、このような独占求人があるのですがいかがでしょうか?と話すこともあります。そのためレジュメは更新する必要もあり、情報を正しく記入する必要もあります。

さて、求職者側からCAへのアプローチですが、CAがめんどくさがり屋だということを前提として認識しておくとよいかもしれません。

例えば、大手でRAとCAのように分かれている会社であれば、求職者と面談をしたRAが、求職者が応募したい企業に対して推薦状を書きます。その推薦状をRAがチェックしてOKなら企業に売り込みに行きます。

ここで注意点があります。もしあなたがCAに相談して、複数の企業や業界に応募したいとします。その際に、CAが手抜きをして、全ての企業や業界に同じ志望理由で出すことがあります。まさかとは思うかもしれませんが、手抜きをする人はしています。

新卒でいうと、全ての企業に同じ志望理由で出している状態です。

例えば、超有名企業だったら少し年収が希望に達していなくてもいい、未経験の業界への応募だったら年収が下がってもいいので受かる事を優先したいといった個別事情を業界や会社ごとに作ってもらうようにしてください。

また、年収アップしたいのに、はっきりと言わないため、適当にやりがいのある仕事をしたいと推薦状を書かれて、企業を受けてみても、あれ?年収が全然あがっていないぞとなるわけです。要望ははっきりと伝えて推薦状に書いてもらいましょう。

こうしたことを求職者側に求めるのは心苦しいですが、CAの質が低下していて、はずれを引くこともあるので注意してほしいです。

推薦状を用意することもある

-熱意や志望度を転職エージェントに会う段階で伝えることも大事でしょうか。
会社ごとに個別の理由があったり、もし第一志望であることが明確に推薦状にあったりしたら、RAが企業側に特別に強くpushすることもあります。よって、志望度をきちんと伝えておくことも大事です。

また、驚くかもしれませんが、転職面接で落ちた人の合否がひっくり返ることもあります。

-どういうことでしょうか。
一度面接の結果が芳しくなく落ちたとしても、どうしても行きたい企業だとしたら、熱意を伝える文章を書いて、転職エージェント経由で送ってもらうか、再度面接を設定してもらうかで結果が覆ることがあります。

日本の大手企業の中途採用ではこのようなことはしばしば起こります。もちろん一度落ちているので確率自体は低いですが、結果が転職エージェントの交渉次第でひっくり返ることはすごいことだと思いませんか。

-すごいですね。何%くらいの結果をひっくり返せるのでしょうか。
チャレンジしたうちの5~6%は結果が変わります。

人気で有名の企業でも転職エージェント、つまり我々RAの仕事で変わるのでCA経由で再度受けさせてくださいと伝えましょう。基本的に第一志望の企業で、受かったら入るつもりの企業で使える手法です。

こうした動きも候補者側から熱意を伝える文章を作成して渡してもらうことが有効なので自分から動きましょう。

-大手のキャリアアドバイザー(CA)の面接対策の質は低いように感じています。どのように考えていますか。
確かに質が低いという話はここまでしてきた通りです。面接対策についても裏技があります。CAに面接を頼まずRAに頼めばいいのです。

-なぜでしょうか。
RAは法人営業で常に企業の人事や現場の人と対峙しているので、業界のことを常に勉強しておく必要があります。そのため、その企業の人事と同じレベルで業界や企業のことを理解しているうえに、どのようにしたら面接で受かるかをよく理解しています。

CAは企業と直接会っているわけではないので、面接対策もRAに頼めばいいのです。RAが面接対策を直接することもあります。

RAを味方につけろ

-どのようにしたらリクルーティングアドバイザー(RA)が対策してくれるのでしょうか。
担当の営業であるRAに面接対策してもらいたいとCAに伝えてください。CAとしても面接対策を自分がしなくていいですし、RAに対策してもらったほうが受かる確率もあがるのでお願いを聞いてくれます。ただし、自分からお願いしない限りRAが面接対策をしてくれることはないです。

RAは企業ごとについているので様々なRAに面接対策をしているので有効です。RAに面接対策をお願いするということは、どの面接官がくるとか面接の特徴がどうとかを詳しく教えてもらう良い機会なのです。

優秀なRAはという質問がありましたが、優秀なRAはグーグル検索をしなくても業界や企業のことを咀嚼して、わかりやすく説明してもらえるので面接対策をしてもらえば非常に勉強にもなるはずです。

また、同業界で複数企業に会う場合、例えば自動車だとしたら、トヨタのような業界1位を担当しているRAに会ってください。人材紹介会社にとって売上の大きい企業は大抵業界1位の企業なので、そうした企業の担当者は人材紹介会社の中でもエース級なのでまずはエース級のRAに対策してもらうことが有効です。

優秀な人は”予測できる人”

-人材会社の人間から見てどういう求職者が優秀だと思いますか。
自分の立ち位置を理解している人です。言い換えると市場価値を理解しているということでしょうか。

この会社なら受かるだろう、年収はいくらくらいだろうという予測ができる人です。自分がどれだけ評価されるスキルと経験があるかを整理していると、自分を理解できているなとこちらも判断するので、この人は転職を支援してあげたいなという気持ちになります。

転職エージェント側も求職者によってサポートしたい度合いが変わってくるので、自分のことをよく理解できていることがアピールできると交渉や書類選考の優遇をがんばってくれます。

スキルはあるのは大前提ですが、正直かつ誠実であることも重要です。

-ありがとうございました。

編集後記:

某大手人材紹介会社の現役社員に話を伺った。今回紹介したパーソルキャリアを利用したいかたはDODAをぜひ利用してほしい。ほかにも大手はリクルートエージェントJACリクルートメントも利用してほしい。 一気に転職エージェントを比較していきたい場合は、ビズリーチがもっともおすすめである。転職エージェントとあわせてビズリーチを利用していこう。

今日は以上だ。

転職に失敗したら、すぐに意思決定をしよう

 はじめての転職活動を経験した人にありがちなのが転職失敗だ。だれしも、転職の失敗をしたくないだろうが、転職活動、特に1回目で失敗をする人は非常に多い。そこで転職活動に失敗して、次の転職をすべきかどうか考えている人にメッセージを送りたい。意思決定の重要性を伝える。

1回目の転職に失敗する理由

1回目の転職の失敗は、新卒就職の失敗よりも起こりやすい。新卒の時は、どのような環境であれ、社会の当たり前として、教えられたことを吸収していく。

例えば、銀行員が、大量のハンコを必要とする書類が社会人の基本だと思ったり、連絡にFAXを使ったり、たいして傾斜のかからない飲み会のお礼を翌朝からしてまわったり、支店長に怒鳴られたりすることを当たり前だと思ってしまう。

銀行というところはどうみてもおかしいのでこれは当たり前ではないと、もし銀行員の方が見ていたら思ってほしい。

1回目の転職だと、すでに慣れてしまったカルチャーがある。3~6年くらいの年次で転職すると、自分の型ではなく、会社の型で仕事をしているため、転職先のやり方が慣れてしまったカルチャーとあわないのだ。

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転職先では変化への対応が重要

現代は、変化の激しい時代であるためどのようなときでも変化に対応できる人材にならないといけない。

特に20代の間に転職する際は、変化に対応できないと、まず転職先で出世することができない。

日本からアメリカに移住したら、違和感があるというより、これがアメリカのやり方なのか!と納得するのと同じように、何事も当たり前だと思わず、会社ごとにルールが定められていると考えたほうがいい。

転職した際も、日本からアメリカに移住したと思って、新しいことを吸収していこう。

1回目の転職に関しては楽観的に

1度目の会社で3年以上働くことができたのであれば、普通のサラリーマンとしては合格点なので、次の会社を仮に1か月で退社することになっても問題ない。

3年は1つの会社にいなければならないという迷信を信じている人がいるが、そんなことは無視してほしい。

3社とも1年未満の在籍だったというのは本人に問題を感じるが、3社のうち1社だけ3か月で残りは3年いたという感じだと全く違和感はない。

よって1回転職を失敗したとしても、すぐに切り替えれば問題ない。特に昨今は人材マーケットが、求職者有利の状況であるため、転職がすぐにできる。

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失敗したと思ったらすぐに意思決定を

転職で失敗したとおもったら、直ぐに意思決定をしたほうがいい。少なくとも3ヶ月で意思決定をすべきだ。3ヶ月して、会社になじめなかったら、それ以上いても慣れる可能性はない。

コンサルティングファームなどで、エクセルスキルが足らず苦労しているというのであれば、「エクセルスキル」というボトルネックが解消されたらうまくいく可能性がある場合以外、意思決定を早くしよう。なお、エクセルが3ヶ月で身につかないというのも問題であるが。

出戻りの可能性もさぐろう

出戻りする場合もある。転職に失敗して、すぐ3ヶ月くらいで戻ってくる人も珍しくない。外資系企業では出戻りがあたりまえだったが、日系大手でも出戻りが可能になった。大手総合商社でも、出戻りが行われるようになり驚きを感じたことを覚えている。

出戻りは、恥ずかしいことではないので、前職との関係が悪くなければ相談をしよう。

1年を超えると、成果が求められる

なぜ意思決定を早くしたほうがいいかという理由の1つに、1年以上いると何かしらの成果を転職面接で聞かれる。一方、数か月単位だと、「会社があわなかったから転職だな」というのは面接官にもわかってもらえる。

たまに、4か月しか在籍していない会社での成果を大きくアピールしている人がいるが、あれは痛い。活躍できなかったときは素直に失敗を認めたほうがよい。そしてなぜ失敗したのかを分析しよう。

ダラダラ辞めたい会社にいても成果は絶対に出ない。意思決定を早くできるかもビジネススキルとしては必須だ。

1回目の転職で失敗したときのリカバリアクション

まず、すぐさま、転職活動をする時だ。1回目の転職活動は往々にして視野が狭い。

相談相手を増やそう。元同僚でもいいし、転職エージェントでもいいし、大学の友人でもいい。転職活動の結果を振り返ろう。そして、現在の悩みが、客観的に見て正当なものであれば転職をすぐにしよう。

転職エージェントの選択肢を増やす

転職エージェントの選択肢が狭すぎると、次の転職先も見つけ難くなる。転職エージェントの選択肢は、転職を考えていないときも含め常に増やしていこう。

転職エージェントには素直に失敗したことやお願いをつくっておこう。

まずは転職サイトへの登録から

転職サイトはまずはビズリーチに登録しよう。ビズリーチは登録しているエージェントや企業が多く、転職失敗した人の支援をしたエージェントが多数いる 

またコンサルへの転職も多い。アクシスコンサルティングなどのエージェントへいこう。また年収が高めの転職ならハイクラス転職サイト「転機」を使用しよう。今日は以上だ。

マーケティングの仕事に転職したい人に読んでほしい「転職の教科書」

「マーケティングの仕事がしたいです」と相談に来る人が多い。

こうした人たちはマーケティングの仕事をしたことがなく、外回りの営業をしていたり、経理をしていたり、とマーケティングの仕事を理解しないまま応募に来ることが多い。
昨今、転職市場でホットなコンサルティング業界においても、仕事の中身をあまり理解しないまま転職して来る人が多い。
だが、未経験者を採用するコンサルティング業界と違い、マーケティングの仕事は、未経験者が採用されにくい事情がある。

マーケティングの仕事をしたいという人にぜひ読んでほしい。

マーケティングの仕事は、多岐にわたる

マーケティングの仕事内容は多種多様である。
マーケターを名乗る人に仕事内容を尋ねると、インターネットの広告用のバナー作成、テレビCMの作成、インタビューに出て自社製品を広める、価格を考える、販売する場所を考える、インターネット広告の運用をする、百貨店で製品を売るための場所の設営、記事制作、ホームページ制作、予算の管理など、様々な回答をいただける。

どれもマーケティングの仕事として、あってはいるが、そもそもマーケティングに関しての本質を考えてみたいところだ。

マーケティングは、何を目的とした仕事なのだろうか。


マーケティングの仕事とは、プロダクトへの「意味付け」

マーケティングの仕事は何を目的として行っているか。個人的な見解としては、担当するプロダクトの「意味付け」だと考えている。


プロダクトは、インターネット上のWebサービスであれ、スーパーやコンビニで売っているジュースであれ、競合のプロダクトはたくさんある。

そのなかで、ユーザーや来店する人に選んでもらう、買ってもらうために、プロダクトに対して意味を付与しないといけない。

レッドブルを買う人にとっては、翼が生えて、徹夜で疲れているときに元気を与えてくれる意味が付与されている。レッドブルが販売される前から、リポビタンDをはじめ、栄養ドリンクと言われるものはあったが、コーヒーよりも目を覚ます効果があり、覚醒効果が強いと消費者に認知されたことで、レッドブルは一気に売れた。
「ここぞという勝負にはレッドブル」という認知をしてもらうことで、レッドブルを買う人に対して意味を付与したのだ。


レッドブルは競合製品がたくさんでてきたなかでも、次はスポーツ選手を支援するようになり、「スポーツという一瞬の輝きが必要な状況でパフォーマンスを発揮するためにはレッドブルだ」というイメージを植え付けている。

アスリートがレッドブルを試合前に飲むのはどうかと思うが、レッドブルは、アスリートを支援し、新たな意味付けをしている。

こうした意味付けは、常に変化していく。レッドブルがでたときは、エナジードリンクというカテゴリがほとんどなかったが、模倣されたなかでさらに新たな意味を付与しないと生き残れない。

 

目的を意識した仕事を常にする必要がある

マーケティングの仕事をプロダクトへの意味付けと定義させていただいた。
次に、マーケティングを行う、「マーケター」たちは、目的に対してブレない価値を出さなければならない。

マーケターは経営者から命題を与えられる。このジュースを100万人に売りたい、このミキサーを10万人の人に知ってもらいたい、といったように数字が与えられることが多い。

こうした目的をきちんと解釈し、適切な戦略をとる必要がある。
ジュースを100万人に売るという目的は、日本国内で日本人に認知してもらうためなのか、赤字覚悟でも認知してもらえばいいのか、利益を出すためなのか。
目的を経営陣と齟齬がなくなるまで議論する必要がある。

実は最初の100万人がテストマーケティングで、1億人に売るための布石だとしたら考え方は変わってくる。

会社の状況にもよるのでその時々で、どういった目的があるかを妥協なくブレークダウンしていくことで、自分の仕事を明確にしていく。

こうした上流の目的の設定に関わっていく人たちがCMOと呼ばれる人たちに近い。

言われたことだけをやる人たちはマーケターとは呼びづらい。
インターネット広告をfacebookで100万円分、20代男性にリーチするように設定して、frequency capは10回で、などといわれ、設定をする人は、ただの作業者で、マーケターではないと考える。指示を受けるだけで、目的の設定には何も携わっていないからだ。

目的の設定に関与し、できるだけ、自分で目的達成のための手段を設定できることが、マーケターの裁量の広さであると思う。

 

デジタル領域への知識、経験は必須

目的設定の重要性を話したが、手段であるデジタル広告に関する知識がないと今後生き残ることが厳しい。
モノが、インターネット上、最近ではスマートフォンで売れるようになってきた環境において、インターネット上の行動様式や習慣を理解できないマーケターは、今後生き残るのが厳しくなるだろう。

引っ越しや、介護といったことも最後はアナログで行うが、その集客や利用者の意思決定に関わる部分はインターネットで行われることが増えてきた。

こうしたなかでインターネットの知識がないと、仕事の幅が狭くなる。

引っ越しをしてもらうにしても、あらかじめインターネット上で利用者に期待値を適切な値で醸成しなければならないし、体験してもらうサービスを、期待値と同等、もしくはそれ以上にしないといけない。

インターネットから実体験にいたるまでをコントロールできるかどうかは、マーケティングを実行する人にとって大きなインパクトを残すことになる。

 

プロダクトが強すぎるマーケティングはおすすめしない

プロダクトが強すぎるもののマーケターになることはおすすめしない。
具体的に、Googleの広告のマーケティング担当のことを考えてみよう。
今や、Googleの広告なしにインターネットビジネスは成り立たないだろう。

多くの人はすすめられたらGoogleの広告を買ってしまうので、Googleのマーケティング戦略を考えるにしても、すでに売れる状況で、どこまで単価をあげるかということを考えるのが仕事になってしまう。

競合がいて、競合から選ばれるにはどうしたらよいかという状況を考えることを仕事にすることをおすすめしたい。


ちなみにGoogle自体は、エンジニア等から次々とイノベーティブな広告アイデアや、広告に関する新しい技術がでてくるため、それらのテクノロジーをどう生かすかということを考えることにマーケティングの面白さはある。
ただし、すでにGoogleの広告を使っている人に対して、新たな付加価値を提供することになるので、一般的なマーケティング業務とは異なってくることがある。

 

競合がいる世界で競争する方がマーケティングの能力が身につく。Amazon(EC)やGoogle(インターネット広告)といった企業にいまのところ競合は実質いない。Yahooをあげるのは少し違うだろう。
ただし、AmazonやGoogleはテスラやトヨタといった自動車分野で競っているが、自動車分野は競争が激しいため、販売段階になった際にマーケターの能力は問われてくることだろう。

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高価格帯のプロダクトマーケティングもおすすめしない

高価格帯の製品のプロダクトマーケティングもおすすめしない。すでに確立されたブランドの価値を動かしづらいからだ。
高価格帯のもので、リピーターが多い商品については、すでに実行されていることを実践しつつ、少しだけ時代の変化をとらえることが仕事になってくるので、マーケティングの仕事の幅が狭くなってくる。

昔のSONYのアイボを売る仕事は、高価格帯でも新しいチャレンジなので、マーケティングの仕事の役割は大きい。
アイボのことを本当のペットとしてとらえる人が出てきたため、アイボは新時代のペットだという意味をもたらすことができたことは、マーケティング担当者にとっては大きな実績だろう。
ただし、ペットとして認識する人の母数が多くなかったために、売上を大きく伸ばすことはできなかった。

Pepperがでてきた昨今においては、アイボのようなチャレンジがまた実を結ぶことになるかもしれない。Pepperだったら、24時間働くことができる店員といった付加価値を法人ユーザーに提供できているのではなかろうか。

 

スタートアップのマーケティングをする際の注意点

スタートアップでは、マーケティングの仕事は重要視される。スタートアップはプロダクトをつくり、販売しなければならないからだ。
だが、スタートアップの場合、まずは注目されることに走りがちで、本質的なマーケティングを重要視している経営者が少ない。

よって、施策が、とにかく「目立とう」「広報活動をしよう」といったことに終始しがちで、目的をもったマーケティング活動にならず、せっかくのマーケターの能力が生かされないこともしばしばだ。

スタートアップでマーケティングをする場合は役割を考えてほしい。

 

ベンチャーでも注視されるテレビCM効果

ベンチャー企業でテレビCMを放映するところが増えた。グノシーやメルカリといった世の中の大衆を狙ったサービスは、インターネット広告よりもテレビCMのほうが、広告効果が高いことがある。

テレビは、本ブログの読者は実感できないかもしれないが、広告効果の高いものなのだ。テレビはいまだ数千万人の人が見ているため、テレビに広告を出すことで、一気に自社プロダクトを認知させることができる。
電通や博報堂も、テレビの広告枠をテレビ局から購入し、メーカー等のクライアントに販売することで、大きな利益を得ている。電通も新規事業や投資に取り組んでいるが、なんだかんだテレビの広告枠が一番儲かる。

話が少しそれたが、ベンチャーでテレビCMを作れる人に求められる役割は大きい。。ネット時代だからこそ、ネットもテレビもわかる人には需要がある。

 

マーケターは予算ありきで戦い方がかわる

マーケティングの仕事は、予算が与えられて、はじめて仕事がはじまる。予算のないマーケティングであれば、無限にテレビCMやインターネット広告や渋谷に広告を貼れば、日本中に自社のプロダクトを知ってもらえる。
だが、こうしたことは現実にはなく、予算が決められたなかでどのように勝負するかがカギになってくる。

目的を達成するために、予算による投資の最大化をどう図るかを考えるのが仕事になってくる。

 

マーケターは数字が強くないと今後生き残れなくなる

マーケターの仕事を聞いていると、IT企業を中心にビッグデータの話がでてくる。ビッグデータといっても大した情報量である場合は稀で、エクセルで処理できるような情報量をビッグデータと呼んでいる場合がほとんどだ。
とはいえ、それなりに大きいデータから抽出され発見された事象を、自分なりに数値で分析して、定量的に示すことで、マーケターの方向性や今後の攻め方を考える。

数字が必要な時代においては、数字を分析していく癖をつけてほしい。

 

消費者/ユーザー理解がすべて

消費者やユーザーがどのようなプロダクトにも存在するが、どれだけ彼ら、彼女らのことを理解できるかにかかっている。普段の生活や思考の文脈を読み取ったうえで、自社のプロダクトがなぜ選ばれ、使われたのかを理解しないといけない。
こうした理解力は、新しいプロダクトを開発する際にも必要な能力となる。

だが世の中を見ても、本当に消費者やユーザーのことを理解している人は少ない。そして、消費者やユーザーを理解することを重要視している企業も少ない。
P&Gはマーケティング組織とは別に、CMK(Consumer Marketing Knowledge)とよばれる組織があり、消費者のことを理解することを本業とし、また、他部門の人たちの消費者理解を助ける役割を担っている。
自分とは生き方や性別のかぶらない人たちの文脈をインストールし、ビジネスに生かせるようになる能力は、非常に希少だ。

 

会話のなかでどれだけの発見を得られるか

マーケターになりたい人は、普段友人やパーティーで話した初対面の人との会話から、どれだけの発見を得ているだろうか。あなた以外の人で、同じ文脈をもっている人はほとんどいないだろうから、話すだけで大きな発見が本来はあるはずである。
そうした発見を積み重ねて、あらゆる人の思考法を蓄積できるようになったら、マーケティングの仕事の機会を得ることにつながるだろう。

 

日常生活へのアンテナの量が差をきめる

また、人と会わなくても、日常のテレビCMや電車広告のなかから、なぜこのような広告を作っているかを考えるだけで、インプットされる量が変わってくる。普段のアンテナの多さがマーケターとしての仕事の幅を増やし、アウトプットにつながっていく。

面接の際も日常へのアンテナをはっているだけで大きく、評価がかわってくるだろう。自分の興味の対象でなさそうな領域も理解していることが大事だ。
30代の男性が、最近流行っているアプリである「Tik Tok」のことをよく理解していたら、勉強熱心だなと思われるに違いない。

 

マーケターになりたい方へ

マーケターになりたい方は、マーケティングポジションを探してほしい。
ビズリーチに登録したら、様々な案件をご覧になれる。スカウトが多数くるので、マーケティング志望にして、スカウトをまとう。マーケティングポジションを採用している企業から直接オファーがくることもあるので、ぜひご覧になってほしい。

また、外資系であれば、ロバート・ウォルターズが案件をもっている。外国人の転職エージェントも多い。また英語力に自信がないが外資系に興味がある場合は、支援実績のあるJACリクルートメントを使おう。

コンサルティング業界に転職してマーケティングの支援をしたい場合は、アクシスコンサルティングにいこう。

Web業界であればGEEKLYを利用してほしい。

すぐにはじめられるサイトは、ビズリーチ、そしてWeb業界であればForkwell Scoutがおすすめであるのですぐに登録して利用してほしい。

 

今日は以上だ。

NTTデータ出身で活躍する11人のキャリアをまとめた

今回は、NTTデータ出身で活躍する起業家など11人をまとめてみた。

IT業界の最大手であるNTTデータには、優秀な人材も多く、転職してからも様々に活躍されている。IT業界への就職を考えている方や、現在IT業界で働いている方などは、ぜひ参考にしていただきたい。

SNSで世間を騒がせるスーパーサラリーマン

氏名: 田端信太郎
出身大学:
慶應義塾大学経済学部
現在の肩書:
株式会社ZOZO コミュニケーションデザイン室長
職歴:
NTTデータ
リクルート、ライブドア、LINE
コメント:
慶應義塾大学を卒業し、1991年NTTデータへ入社。産業システム事業本部メディア企画営業担当。2001年、リクルートへ入社し、フリーマガジンR25を創刊。2005年、livedoorへ入社し、livedoorニュースの事業責任者を経て執行役員・メディア事業部長となりライブドア事件後の経営再生をリード。コンデナスト・ジャパンでVOGUE/GQ/WIREDのデジタル事業責任者を経て、2012年よりLINE株式会社で上級執行役員法人ビジネス担当として、上場を挟み6年間、広告ビジネスを担当。2017年より、コミュニケーションデザイン室長としてZOZOTOWNおよびプライベートブランドZOZOのブランディングやコミュニケーションデザインを担当する。
参照元

インド第2位のIT企業日本代表を務める実業家

氏名: 大西俊介
出身大学:
一橋大学経済学部
現在の肩書:
インフォシスリミテッド 日本代表
職歴:
NTTデータ
デロイトトーマツコンサルティング
コメント:
1986年、一橋大学経済学部卒業後、日本電信電話(NTT)に入社。その後、NTTデータに入社後、デロイトトーマツコンサルティング経て、再びNTTデータに復帰し、2013年NTTデータ グローバルソリューションズ社長に就任。NTTデータグループの日本におけるSAP事業のコアカンパニーの代表として事業拡大に貢献。2017年よりインフォシスリミテッド日本代表。
参照元

NTTデータから異色の転職、モデル兼経営者

氏名: 中村康介
出身大学:
明治大学商学部
現在の肩書:
株式会社アクエリアス 代表取締役社長
職歴:
NTTデータ
コメント:
明治大学商学部を卒業後、株式会NTTデータにシステムエンジニアとして就職。スカウトにより大学時代からモデル活動を行い、在職中にもドラマにレギュラー出演。NTTデータを4年で退職し、モデル活動に集中。CM『SONY銀行』『スカパー!』『プレイステーションVR』等、CM・雑誌・広告に数多く出演。13年間のモデル経験から、モデル事務所アクエリアスモデルズやパーソナルスタイリングサービス「トータルコーディネートラボ」など4つのブランドを立ち上げる。自身もモデル活動を行いながら、モデルキャスティング事業・ファッションコンサルティング事業を展開する。
参照元

働く障害者支援など、海外で社会貢献活動を行う女性実業家

氏名: 山中晶子
出身大学:
早稲田大学政治経済学部政治学科
早稲田大学大学院商学研究科
現在の肩書:
ブライト・ソレイズ・コーポレーション 代表取締役
職歴:
NTTデータ
コメント:
1995年、早稲田大学政治経済学部政治学科卒。 1998年、早稲田大学大学院商学研究科修士課程修了。同大学院派遣でフラン スのビジネススクール(EMLyon)に在籍留学。1998年、株式会社NTTデータ経営研究所入社。新規事業開発や社会改革等に関するコンサルティングに多数従事。2004年、ベンチャーキャピタルからの要請により東京医科大学発の 女性疾患研究開発型バイオベンチャーの支援に従事。2005年、米国・デラウェア 州にブライト・ソレイルズ・コーポレーションを創業。医師・看護師・大学関係者とともに、膠原病、婦人科系疾患他の慢性患者を中心とした患者満足度(CS)を向上させる商品・サービス開発に従事。
参照元

NTTデータでのキャリアを生かし、情報のIT統制を担う日本郵便CIO

氏名: 鈴木儀伯
出身大学:
東京電機大学工学部
現在の肩書:
日本郵便株式会社 専務執行役員CIO
職歴:
NTTデータ
東京証券取引所
コメント:
東京電機大学工学部卒業後、1972年4月に日本電信電話公社(現NTT)に入社、1988年日本電信電話公社で金融システム事業部担当部長に就任。1988年より、NTTデータにて金融システム分野を担当。2001年にNTTデータ取締役に就任。その後、リージョナルバンキングシステム事業本部長を経て、2005年、NTTデータの子会社であるNTTデータフォース社長就任。2006年、東京証券取引所執行役員CIO(最高情報責任者)に就任。2017年より日本郵便CIO。
参照元
参照元

SIer大手株式会社DTSの代表取締役社長

氏名: 西田公一
出身大学:
愛媛大学工学部
現在の肩書:
株式会社DTS 代表取締役社長
職歴:
NTTデータ
コメント:
愛媛大学工学部を卒業し、NTTデータへ入社。2001年よりNTTデータ 金融システム事業本部企画部長に就任。その後、リージョナルバンキングシステム事業本部副事業本部長、総合バンキングビジネスユニット長を経て、執行役員に就任。その後、2009年より株式会社DTS 取締役副社長執行役員。2010年、株式会社DTS 代表取締役社長就任。
参照元
参照元

 

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NTTデータ、BCGを経て、ネットサービス会社アイリスを起業

氏名: 小田健太郎
出身大学:
慶應義塾大学経済学部
現在の肩書:
株式会社アイリッジ 代表取締役社長
職歴:
NTTデータ
ボストン・コンサルティング・グループ
コメント:
慶應義塾大学経済学部を卒業後、NTTデータへ入社。5年間、製造システム業の営業を担当。その後、ボストン・コンサルティング・グループへ入社。モバイル業界を中心に、事業戦略、新規サービス立ち上げコンサルティングを多数実施。2008年アイリッジを創業し、代表取締役社長に就任。2015年、東証マザーズに上場。
参照元

企業向けデザイン会社concentを創業

氏名: 上原哲郎
出身大学:
上智大学理工学部化学科
現在の肩書:
株式会社コンセント 代表取締役社長
職歴:
NTTデータ
コメント:
上智大学理工学部化学科を卒業後、NTTデータ入社。その後、ネットイヤーグループ株式会社を経て、2002年に株式会社コンセントを設立。大規模企業サイトやサービス提供サイトのUX・UI改善、大手キャリア新サービス開発、教育分野における複数デバイス活用の検証プロジェクト等を行う。代表取締役を務めた後、2016年に代表取締役会長に就任。その他、株式会社AZホールディングス代表取締役社長など、関連会社取締役を兼任。
参照元

「ZOZO」の取締役副社長CFO

氏名: 栁澤孝旨
出身大学:
慶應義塾大学経済学部
現在の肩書:
株式会社ZOZO 取締役副社長CFO
職歴:
NTTデータ
みずほ銀行
コメント:
1995年、株式会社富士銀行(現 株式会社みずほ銀行)入社。1999年、株式会社NTTデータ経営研究所入社。その後、みずほ証券株式会社を経て2006年、株式会社スタートトゥデイ(現 ZOZO)に常勤監査役として入社。 2008年に取締役経営管理本部長、2009年に取締役CFO、2010年に取締役CFO兼経営企画室長に就任。
参照元

ニコニコ動画を手掛けるドワンゴ元取締役副社長

氏名: 森栄樹
出身大学:
日本大学理工学部物理学科
現在の肩書:
株式会社アノドス 代表取締役社長CEO
職歴:
NTTデータ
株式会社ドワンゴ
コメント:
日本大学理工学部物理学科に在学中、フリーソフトゲーム制作集団「Bio_100%」を結成。卒業後、NTTデータへ入社。通信ソフトの研究開発などを担当。1995年、マイクロソフト株式会社に入社。ゲームテクノロジー “DirectX” のエバンジェリストとなる。1998年、株式会社ドワンゴに開発部長として入社。2000年、同社代表取締役副社長に就任。2008年より独立し、株式会社アノドス代表取締役社長。
参照元

ITシステム開発会社CIJ元代表取締役社長

氏名: 大西重之
出身大学:
東京大学経済学部
現在の肩書:
株式会社CIJ 取締役会長
職歴:
NTTデータ
コメント:
東京大学経済学部卒。1988年、日本電信電話公社 入社。2004年NTTデータに入社。第二公共システム事業本部第一公共事業部長を経て、執行役員として従事。2013年、株式会社CIJ 副社長執行役員に就任し、取締役副社長を経て2014年より代表取締役社長就任。2018年より代表取締役会長。
参照元

編集後記

いかがだったろうか。NTTデータ出身の方が活躍されている業界としては、ZOZOなどのIT、Web関連の業界が多かいことが確認できる。

NTTデータでの経験を活かして、次のステージでもご活躍されていることがわかる。

現在、転職などを考えている方は、自分の持つスキルや経験を発揮できる業界への転職を考えよう。その際には、ビズリーチを活用するとよいだろう。

ビズリーチでは、各業界の企業が求人を出しており、自分に合った企業が見つかるはずだ。まだ登録していない方はビズリーチに登録しておこう。

今日は以上だ。

地方勤務ながらグローバルに働く機会がまわってくるYKKの社員が伝える地方勤務の良さ

有名大学は東京に集まっていること、また有名企業の本社が東京にあるため多くの人は東京で就職する。だが、トヨタ、ファナック、キーエンスといった、拠点が東京でない有名企業は存在する。今回は、北陸地方に拠点を持つグローバルメーカーであるYKKの現役社員に、地方勤務の様子やその良さをヒアリングさせていただいた。

地方にあるグローバルな会社への就職

-経歴を教えてください。

地方出身で、都内の大学院を卒業後、現在勤務しているメーカーであるYKKに新卒入社しました。大学院は理工系の学部です。会社は、地方に拠点を持ち、かつ世界70か国近くに展開しているBtoBのメーカーです。


-今の会社に入社した理由はなんですか?

グローバル展開していて、おだやかな雰囲気だと思ったからです。雰囲気に関しては社員と話す機会がそれほど持てなかったので、ネットで調べた情報をあてにした部分も多かったですが。採用については、大学院の推薦だったこともあり面接で比較的すぐ決まりました。

就活をしていく中で、何社か落ちて、候補がそれほどなかったという理由もありますが、グローバルで活躍する機会がありそうだったので、地方勤務になると分かっていましたが今の会社への入社を決意しました。


-正直、ご勤務されている会社は比較的有名ですが、海外展開がそれほど進んでいるイメージを持っていません。就職での人気ランキングにあがることはほとんどない印象です。

海外展開をかなりしているということは説明会でよく話していましたのでそこで知りました。また、就職人気については地方勤務になることから、北陸地方の大学を除くとあまり人気はないでしょう。事実、東大や京大の人はあまりいないです。大学院の先生も推薦で現在の企業に進むことを伝えると「いい企業なんだけど、みんな行かないよね」という感想でした。

地方勤務の社員の仕事内容

-具体的に現在はどういう仕事をされているのですか?

海外にある工場に対して、日本で開発した生産管理におけるデータ収集や管理のためのシステムを展開する仕事です。また展開後のトラブル対応まで含めて行っています。社内のIT部門とは別の部門にあたります。


-工場の生産管理をするためのシステムは自社開発なのですか?

私はゼロから開発した段階で入社していたわけではないので詳しくは知りませんが、ほとんどの部分は自社開発をしています。外注はごく一部です。システムについて知れば知るほど自社で内製していることが分かりました。


-大規模なシステム開発を地方のメーカーのシステム部門ができるというイメージはありませんが。

私の部門は中途採用も多く、メーカーではなくIT企業でシステム開発の仕事をしていた人を中途で採用しています。多くは、北陸地方の出身で東京のIT企業で働いていた人をUターンで捕まえている感じでしょうか。


-現在の仕事で開発をすることもあるのでしょうか?

1,2年目のころはシステムの改良メインで開発をしていました。3年目以降は、新規プロジェクトのような形で比較的大きめの開発を担当します。


-使用する言語は?

C#とOracle社が開発したPL/SQLを研修で学びOJTで実践しました。研修は、NECや富士通といった外部の企業が実施している講習です。研修後は、実際の業務が与えられるのでその中で覚えていくことができます。

-システム開発というとプログラミングをやっていた人が多そうですが、同僚のバックグラウンドはいかがでしょうか?

転職組の人は文系の人がいますが、基本は理系で院や学部出身の人たちが来ています。都内の理科大、芝浦工大といった理系大学の情報系の人や、地元の国立大学の人、また私のように理系ではあるものの情報系のバックグラウンドがない人が採用され、配属されています。

研修と指導が充実しているので、私のようにプログラミング経験がなくてもキャッチアップできるような体制にはなっています。

また、新卒の大卒、院卒組は海外工場に行く要員でもあるので、技術力だけではないものが求められます。

グローバル会社の海外勤務とは

-海外に全員行くのでしょうか?

大卒、院卒の新入社員は全員が海外に行く前提で採用されています。世界70か国近くに製造拠点と営業拠点がありますので、海外に行ける機会は十分にあり全員が行くことになっています。採用されたときからその説明はありました。

大体、海外は入社4年目から研修で行くことになり、現地でOJTを実践します。現地で学び、現地で働いていき現地のことを理解します。

語学に関しては、駐在前も学べますが、基本的には現地に駐在してからやっていますね。

-御社は、グローバル意識の高い人が入社しているイメージはありませんが。

グローバル意識が高い人は多くないです。グローバル展開と地方企業という両面を持っています。ただ、海外駐在を拒否すると給与水準が下がります。高専卒か高卒か忘れましたが、給与水準が大卒のものから外れる形になるので、ほとんど全員海外に行きます。

稀に家庭の都合で拒否する人はいます。

-グローバル展開をなぜここまでしているのでしょうか?

会社の歴史が昔から海外展開に重きをおいたからでしょう。現在、日本の本社で役員をしている人たちは社長を含め、新卒3~4年目くらいから20~30年ほど海外駐在をしていた人たちです。

思考が日本人離れしている人たちが経営陣についているため、これからも海外展開を推し進めるでしょう。現地の人が好むものをつくるために現地生産にこだわっているという昔からの会社の伝統もありますね。

地方企業なので地元でがんばる人を採用したい一方、世界展開の場面で活躍できる人材を全国の大学から採用しています。

例えばバングラデシュといった少し危険地帯に駐在になることもあるので、そうした場所でも生き残れる人を採用しないといけません。


-給料はどれくらいでしょうか?

1年目は300~400万円の間で、加えて家賃補助が出ます。実質、家賃はかからないので給料はそのまま使えます。2年目以降は40~50万円ずつ上がっていくイメージです。
都会のようにお金を使うところがないので、貯金しやすい環境だと思います。

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地方勤務で成長できるのか

-裁量権はあると思いますか?

裁量権は、他社の話は分かりませんが、同期の話を聞く限り、あると思います。海外に行く機会があると、2年目から海外出張で役割が与えられます。仕事も3年目からは自分で段取りを決めてすべての工程を担当していきます。生産管理を行うにあたって、工場の生産状況をヒアリングし、生産システムに必要な機能を自分で反映し、その後、海外でも同様の生産ができるように展開を支援していく、といった具合です。


-スキルが身についている印象はありますか?

はい。開発を自分で行い、先輩と上司にレビューをしてもらいます。優秀な人達からフィードバックを受けることで、スキルが確実に身についている実感がありますね。

出張では、日本語が分からない現地の人の前で説明する機会が多くあるので裁量権はあると思います。

仕事に関してもつまらないと思うことはないです。


-プログラミング以外に身についているスキルは?

生産管理のシステムなので、機械の制御に関係があり、専門家ほどではなくても機械の知識は身についています。 

-どのようなときに成長を感じますか?

問題になりそうな点に気付けるようになったときです。予想して、問題を先に対処できる。新システムを導入する際に、分からないところを先回りして運用し、そのうえで困る点を相談できるようになりました。

どのような人に向いているか

-同期でつまらなそうにしている人はいますか?

工場で3年間生産の現場にいた同期は、文句を言っていました。工場以外の人は楽しそうにしていますし、文系職の人も楽しそうにしています。


-社内システム開発に携わるうえで必要な素養は?

ストレス耐性くらいでしょうか。会社はホワイトな環境なのでストレスで病気になる人はほとんどいないですが。

私個人の話だと、ヨーロッパとかにシステムを展開しているので業務時間が終わったあとに連絡がきて対応することがあり少し疲れることはありますが、ストレスで病む人は見かけません。職場環境の改善を会社側が常にしているようです。


-地方勤務の難しさはありますか?

休日に、楽しく騒ぎたい人には向かないでしょう。1人暮らしの人が休日に遊びに行けるようなところはほとんどありません。後は、車が必要なことですね。またYKKの場合、北陸地方という雪国での勤務になるため、冬場は通勤が大変な時があります。

また、出張や研修に行くとき東京を経由するのが、毎度面倒くさいですね。社外の研修も地方では受けれないものがほとんどですので。


-地方勤務の良い点は?

最初に述べたお金が貯まる点と、家賃補助が出る関係で1LDKの新築に1万ちょっとで住むことができます。1人で生活するような場所ではないので一人暮らしには合わないですが。 


-転職をしたいと感じますか?

転職したいと考えたことはないです。特に活動もしたことがないです。

 

-会社への不満点はありますか?

組織としての不満はないです。個人でこの人は面倒くさいなと思うことがあるくらいです。


-会社を辞める人はいますか?

研修で現場の配属になると工場がつらくて辞める人や、都会から就職してきた人で東京に戻るために辞める人はいました。ですが基本的に辞める人はあまりいないですね。そもそも転職してスキルを上げていこうというマインドを持っているタイプの人は入社してきません。

そういうタイプは面接ではじかれている印象です。堅実でまったりしているけど、グローバル思考がある人を採用したいみたいです。


-仕事の面白さはどういうところにありますか?

自分で仕事の段取りをし、開発にも携わり、説明をして導入されたものが海外で実際に動いているのは仕事をしたなと実感できます。やりがいはそこで感じますね。

海外で展開支援をすると、最初は現地の人に囲まれ「こいつ誰だ?」というような目で見られますが、帰る前には現地の人が導入支援したシステムを使ってくれるようになっているので、目に見えた価値を提供できていると思います。

アジアを中心に何カ国か携わってきましたが、旅行では絶対行かないような国にも行けたので貴重な経験になりました。

余談になりますが、危険な地域への海外赴任は手当てが結構出るので、日本に帰ってきたらその貯蓄で家を建てている人をよく目にします。

 

-入社地点で英語力はどのくらい必要ですか?

理系なので英語はそこまで見られていませんが、私は入社時点でTOEIC800点はあったと思います。出張のチャンスは英語力に関係なく回ってきますよ。

編集後記:

地方の優良メーカーをとりあげさせていただいた。北陸地方の企業をあまり知らなかったが、これまで聞いたどのメーカーの人よりもいきいきとしてスキルが身につく働き方をしている印象を持った。


地方でも積極的に採用をしている企業があるので、地元に戻りたい人や東京に疲れた人が活躍できる場所が地方にあるかもしれない。

ビズリーチならば、多数の企業が利用しているため、自分にあった地方の企業が見つかる可能性も高い。地方の企業に転職をしたいと考えている人にはぜひビズリーチに登録していただきたい。

今日は以上だ。

増えつつある金融業界から人材業界への転職

金融業界は、都市銀行を中心に離職者数が確実にあがっている。パワハラやブラック企業の実態が世の中に広まったことから、自分がはたらいている金融や生保はおかしい会社だと気づき転職の行動に移す人がふえてきた。転職先として人材業界が増えているのでおすすめしたい。

金融業界を辞める若者

金融業界を辞める若者が増えていると冒頭で述べたが、金融業界は古い慣習が残りすぎている。行き過ぎた紙文化、スーパー年功序列主義、忖度文化という慣習が全く変わっていない。総合商社は幹部に若手の抜擢や、積極的な中途の受け入れ、研修でどんどん海外に行かせるなど、時代に合わせて変化している。

一方、銀行はいまだに殿様商売で、ビジネスモデルの開拓をするつもりもなく、幹部は出世することだけを考えて社内でしか通用しない能力をせっせと身につけている。いうまでもなく情報が広がった現在では、こうした状況に絶望して辞める若者は正常だ。

よほど優秀な上位5%の人は会社から優遇されるので辞めないが、90%近くの人は辞めたいと思ったこともあるだろう。いまだに謎の学歴主義もあるので、東大法学部卒でかつ、仕事もできる人材でなければ金融業界にいる意味もない。

なぜ人材業界が選ばれているのか

転職先として人材業界が選ばれている。大手人材会社(特に転職領域)のキャリアカウンセラーや法人営業の職に転身する人が多い。人材業界は、転職者が増えていることから大変潤っている業界の1つだ。金融業界からの転職者は人材業界にとって素晴らしいお客さんの1つであることも間違いない。

人材業界は、成果をあげやすく、かつ、人の人生に良い方向に関わるので、金融業界出身者はやりがいを感じやすい。

売りたくもない金融商品を売る事から解放されて目の前の人に良い価値を提供できるようになるのだ。素晴らしいことだと思わないだろうか。

人材業界の良さ

人材業界の良さは、様々あるが、がんばり次第で努力が報われることだ。金融業界と比較して、エリート人材の比率は低い。学閥主義の金融業界に比べて、人材にはたたき上げが多く、成果次第で出世できる。頭を使って仕事をしたら必ず報われるような仕組みになっているのが人材業界のよさだ。

人材業界に入ってみたら、工夫をして、日々トライアンドエラーで成果があげられるようになるので、仕事の面白さを実感しやすい。優秀な人の比率が金融業界よりも低い分、努力が目立ちやすくなるのだ。金融業界出身者は愚直な人が多く、アドバイスを実行したら人材業界で成果がでやすい。

クレームの少なさも人材業界の良さの一つである。金融商品を個人に売りつけて、値下がりした際にクレームを言われる必要はない。もちろん金融商品の買い手はリスクに納得したうえで、契約しているが、それでも文句を言ってくる人がいるだろう。人材業界は、文句をいう人は金融業界に比べて少ない。

人材業界と金融業界の共通点

人材業界と金融業界の共通点としては、無形物を扱い、ノルマを競う点だ。金融業界ではチームプレーが求められる、投資銀行業務およびバックオフィスをのぞくと、基本的には行内、社内で競争を強いられる。形のない金融商品の販売を個人や法人に行い成果を競う。

人材業界も、人の転職という無形物を扱うので、BtoCのモノの販売ビジネスよりも金融ビジネスに近い。若干強引なこじつけではあるが、実際に、金融業界出身者は人材業界で活躍している。他の理由として、金融業界出身者は自分が思っている以上に正確に作業ができるので、人材業界では重宝される。

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学歴も活きる

金融業界出身者は高学歴であることが多いだろう。高学歴ほどキャリアに悩みがちで自分と似たようなバックグラウンドの人に相談したい。先に述べたように金融出身者の転職相談が急増中なので、学歴のあるキャリアカウンセラーが相談にのると安心される。

もちろん人材業界は、学歴で決まる要素は金融業界よりは低いので、実力を身に付けないといけないが。

具体的な企業

具体的な企業としてはリクルートキャリアやパーソルキャリアをおすすめする。転職市場として、日東駒専クラス以上はリクルートキャリアに流れているので、転職先としてもいいし、年収も若いうちで年収500万円は超える。また、パーソルキャリアはテンプグループになったことでワークライフバランスがかなり整っており、働きやすい環境が非常に整っているのが特徴である。

その他、パソナキャリアやキャリアデザインセンターなどがあるが、まずは、リクルートかパーソルキャリアをすすめる。英語ができる場合もJACリクルートメントで働くのもよいが、より大手のほうがよい。

とりあえず、転職を考えている場合は、自分が求職者として行ってみて信頼できる人材会社を選ぼう。

人材業界で活躍できる人

人材会社で活躍できる人は、愚直に行動できることだ。キャリアカウンセリングは数をこなして、改善、修正をかさねて、成長をしていくと成果がでる。人材会社はさぼろうと思えば割とさぼれる仕事なので、一生懸命やる人とそうでない人で大きな差がつくので、がんばろう。

また、人材業界は若くして成果を出せるので修行していくとよい。ちなみにRAとCAという形で、法人側の営業と、個人の転職面談という2つの役割にリクルートやパーソルキャリアはわかれている。どちらが向いているかは転職の際に考えよう。

人材業界のアップサイド

人材業界のよさは、独立してお金を稼ぎやすいことだ。人材紹介免許さえ取得したら、独立起業できる。人材業界は独立していく人も多く、既存の顧客を使えばいいのでやりやすい。原価もかからないので、ローリスクである。

年収数千万円稼ぎだす人も少なくない。年収1000万円の人を年収30%のフィーで転職させたら300万円手に入る。1000万円じゃないにしても、10人を年間転職支援したら確実に年収1000万円は超える。経費がかからないため売上が利益に近くなる。

一方で、数億円の年収になるかというと個人のままでは難しく、転職エージェントを雇用してマネジメントしないと年収億単位へはいかないのでその点は注意しよう。

転職をするためには最初のアクションを早く

金融業界でストレスを抱えてはたらいているなら、早めに転職活動をしておこう。ストレスは体をむしばむので、転職をして早くストレスから解放されてほしい。金融業界は向いていないと自分で思ったら、殆どの場合向いていない。よって他業界に動こう。今回は人材業界をすすめたが他の道もある。

まずは、ビズリーチに登録して転職の機会を探ろう。人材業界に興味があればリクルートエージェントにそのまま登録してもよい。

また、金融業界からコンサルティング業界の転職も多いのでアクシスコンサルティングを利用してコンサル転職の相談をするのもよい。

今日は以上だ。

 

第二のリクルートとなるか?Google出身の起業家、10人の経歴を調べてみた。

今回は、Google出身の起業家について取り上げる。Googleを経て起業する人は増えていて、彼らは様々な分野で活躍している。今回は、新卒・中途に関わらずGoogleに入社したのちに起業している人たちを紹介していく。

博報堂、Googleを経て、会計ソフトのfreeeを創業

氏名: 佐々木大輔
出身大学:
一橋大学商学部

現在の肩書:
freee 代表取締役社長
職歴:
Google日本法人
博報堂
コメント:
一橋大学商学部を卒業後、博報堂やCLSAキャピタルパートナーズを経て、レコメンドエンジンのスタートアップであるALBERTにてCFOに就任。その後、Googleに転職し、日本およびアジア・パシフィック地域での中小企業向けのマーケティングチームを統括した。Google退職後の2012年にfreeeを設立し、代表取締役社長に就任した。
参照元

Googleの広告担当を経て、フリークアウトを創業

氏名: 佐藤裕介
出身大学:
関西学院大学

現在の肩書:
フリークアウト・ホールディングス 取締役国内広告事業管掌 兼 新領域事業管掌
職歴:
Google日本法人

コメント:
大学在学中に中古ロードバイクのECビジネスで起業。事業を売却し、2008年にGoogle日本法人に入社し、広告を担当した。退職後は、IT系スタートアップに対するエンジェル投資や、様々な企業へのコンサルティングを行った。2011年にCOOとしてフリークアウトの創業に参画し、2017年にフリークアウト・ホールディングスの共同代表に就任した。 2018年より、同社の取締役国内広告事業管掌 兼 新領域事業管掌を務めている。
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グーグルの検索担当プロダクトマネージャーを経て起業

氏名: 倉岡寛
出身大学:
東京大学大学院工学系研究科

現在の肩書:
クービック 代表取締役社長
職歴:
Google日本法人
グリー
コメント:
東京大学大学院工学系研究科を2007年3月に卒業後、新卒でGoogle日本法人に入社。その後、検索担当プロダクトマネージャーに就任した。2011年にグリーに入社、GREE Internationalの立ち上げや、新規案件プロジェクトの事業部長を務めた。2013年に、

 

誰でも簡単に使える予約システムを手がけるクービックの立ち上げに参画し、代表取締役社長に就任した。
参照元
参照元

KDDI、インテル、Googleを経て起業

氏名: 杉原剛
出身大学:
慶應義塾大学法学部

現在の肩書:
アタラ 代表取締役CEO
職歴:
Google日本法人
コメント:
慶應義塾大学法学部を卒業し、KDDI、インテルでコンサルティング営業、マーケティングに従事した。2002年にオーバーチュアの立ち上げに参画し、営業戦略全般を担った。2007年にGoogle日本法人のAdWords、YouTube広告事業の戦略立案などに携わった後、Web APIを活用したシステム開発と運用型広告関連コンサルティングを提供するアタラを創業し、代表取締役CEOに就任。
参照元
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ヤフー、マイクロソフト、Googleを渡り歩いたのちに起業

氏名: 平山幸介
出身大学:
カリフォルニア州立大学

現在の肩書:
サイコス エグゼクティブディレクター
職歴:
Google日本法人
コメント:
カリフォルニア州立大学卒業後、米国で起業し、2000年にヤフーに入社。ヤフーショッピングのプロデューサーを務めたのち、マイクロソフトへ転職。2007年よりGoogle日本法人にて、動画共有サイトYouTubeの立ち上げを行う。その後、2009年にTBSによる日本のインターネット動画配信サイトを運営するグーモを設立し、取締役に就任した。現在はマーケティングコンサルティングを行うサイコスのエグゼクティブディレクターを務めている。
参照元

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Googleでのデジタルマーケティングを経て、FEZを創業

氏名: 伊丹順平
出身大学:
東京理科大学工学部

現在の肩書:
FEZ 代表取締役
職歴:
Google日本法人
コメント:
2009年に東京理科大学工学部卒業後、新卒でP&Gジャパンに入社し、大手流通会社を担当した。2012年にGoogle日本法人に入社し、消費財メーカーや小売業界へのデジタルマーケティングの立案および提案に従事。2015年にリテイルテック事業で上場を目指すスタートアップ企業であるFEZを創業し、代表取締役に就任。
参照元

Google日本法人代表取締役社長を経て、アレックスを創業

氏名: 辻野晃一郎
出身大学:
慶應義塾大学理工学部
カリフォルニア工科大学大学院電気工学科
現在の肩書:
アレックス 代表取締役社長兼CEO
職歴:
Google日本法人
ソニー
コメント:
福岡県出身。1984年に慶應義塾大学大学院工学研究科を修了後、新卒でソニーに入社した。1988年にはカリフォルニア工科大学大学院電気工学科を修了している。2006年にソニーを退し、2007年にGoogle日本法人に入社し、Google日本法人代表取締役社長を務める。2010年にGoogleを退社し、日本から世界へ新しい価値提供を行うアレックスを創業し、代表取締役社長兼CEOを務める。
参照元

新卒で米Google本社に入社後、シリコンバレーで起業

氏名: 井上真大
出身大学:
京都大学工学部

現在の肩書:
ミライセルフ 代表取締役
職歴:
米Google本社
コメント:
京都大学工学部を卒業後、新卒で米Google本社にソフトウェアエンジニアとして入社した。Google退職後に、表孝憲氏とシリコンバレーにてミライセルフを共同で設立し、表氏が代表取締役、井上氏がCTOを務めている。現在は似た価値観をもつ求職者と企業をつなぐ転職マッチングサービスであるmitsucariを展開している。
参照元

Googleのサーチクオリティチームを経て起業

氏名: 名取将之
出身大学:
明治大学政治経済学部

現在の肩書:
ビッツァー 代表取締役
職歴:
Google日本法人
コメント:
明治大学政治経済学部を卒業後、フリーランスとして様々な企業のホームページ製作を行った。2005年にフランス系アパレルブランドの日本法人において、ECサイトの立ち上げを担当。2007年にGoogle日本法人に入社し、サーチクオリティチームにおいてシニアメンバーとして多様な業務に従事。2017年にGoogle日本法人を退社後、WEBサイトの構築、コンサルタントを行うビッツァーを設立し、代表取締役に就任。
参照元

多数のコミュニティアプリを創造し続ける起業家

氏名: 福山誠
出身大学:
早稲田大学大学院人間科学研究科

現在の肩書:
マイケル 代表取締役
職歴:
Google日本法人
コメント:
1984年、広島県出身。早稲田大学大学院人間科学研究科を卒業後、2009年にGoogle日本法人に入社し、営業支援ツールの開発に従事した。2011年に退社し、同年にソーシャルランチのサービスを運営するシンクランチを設立し、その後は事業をDonutsに譲渡。Donutsで女子中高生に人気のライブ・動画コミュニティアプリであるMixChannelを開発後、2016年に退職して、車好きのコミュニティアプリであるCARTUNEを手がけるマイケルを設立し、代表取締役に就任。
参照元
参照元

編集後記:

いかがだっただろうか。

様々な経歴を紹介したが、多くの起業家たちは企業を転職していく中でGoogleでも働き、そして起業していることが多い。起業するにも、多数の業界を知っていることが大きな経験値となっているのだろう。

将来起業しようと考えている人も、色々な会社を経験していることは財産になるので、ぜひ新しい会社にチャレンジしてみてほしい。

転職を考えるならビズリーチへの登録がおすすめである。ビズリーチを利用すれば、他業界の企業であっても、自分が培ってきた専門性を活かしながらの転職がしやすい。まだ転職を考えていなくても、早いに越したことはないので、まずはビズリーチへ登録してみてほしい。

Googleは転職人気ランキングで常に上位に位置しているが、転職するには高い英語力が必須である。英語を効率よく学ぶには、PROGRITスタディサプリ ENGLISHなどのサービスを活用するといいだろう。

今日は以上だ。

「マーケティングではテレビCMの影響力はまだ大きい」電通マンと外資系メーカーのマーケターによるマーケティング対談(後編)

中編では、広告代理店と事業会社の間の関係について対談していただいた。
第3弾となる後編では、電通や外資メーカー転職や新たなマーケティングの手段に対する考え方や、マーケティングに興味を持つ方へのメッセージを語っていただく。3回にわたってお届けする対談の最終回だ。

中編はこちらから。

プロフィール

sym

外資系企業でマーケティングに従事。外資系、日系ともにマーケティングの経験がある。

yuuu

新卒から電通に勤務。電通の赤裸々な様子をtwitterで発信している。また、業務の傍ら、就活支援を行っている。
ブログ:https://www.ad-career28.com/

広告代理店では部署内のコミュニケーションも重要

sym:広告代理店は飲み会も大変なんでしょうか。

 

yuuu:ほかの会社より飲み会の仕切りは見られているでしょうね。
店選びは適切か、グラスが空くまでに注げているか、二次会は確保しているか、席配置は正しいか、最後まで相手に付き合ったか、次の日の朝にお礼に行ったか等々、語りつくせないほど見られるポイントはございます。
飲み会の激しさについては部署によりけりです。
例えばビール系のクライアント担当の部署は飲酒量もかなり多いイメージです。


ただ、飲めない人にまで飲ます、ということは決してありませんし、あくまで飲むのはコミュニケーションツールであって、別の部分で盛り上げられれば問題ございません。

事業会社が広告代理店を激務にさせている

yuuu:話が変わって恐縮ですが、飲むという話だと、付き合いの長い企業だと、提案された条件を「飲む」ことがあります。

 過去からの付き合いの長いところとは、クライアントのいいなりになりがちで、価格を安くしたり、サービスを多くしてくれ、などと要求されたりするので、どうしても利益が少なくなってしまいます。
付き合いが長いところほど、無理な条件を突きつけてきて、その結果モンスタークライアントが誕生してしまいます。

私から言わせると、条件を突きつけられても、うまくやりかえす営業担当者が優秀だと思います。
私が働いていたときも、うまく対応している人は、利益を削ることなく、会社を守っていました。


sym:事業会社側が広告代理店を激務にしている節はありますね。
自分たちの中に判断基準が無く、感覚だけでマーケティングをやっているので、ひたすら広告代理店に無理させて案を出させ続けるみたいな。


yuuu:メディアの業務で言うと、スポットのバイイングでも、クライアントの偉い人が人気番組のイッテQを線引き(その番組内もしくは前後でCMを流すこと)しないと文句言ってくるとか、無茶を突きつけてきますね。
イッテQなんてなかなか線引きできませんからね。

また、通称オーディットといわれるメディアコンサルを入れているところは、価格の交渉をしてきますね。
代理店をコンペさせて、利益を削らせてくるみたいことでまた激務につながっていく、みたいなことはあります。

事業会社から広告代理店への転職は少ない

sym:転職の話ですが、なぜ広告代理店から事業会社の流れは聞きますが、なぜ逆はほとんどないのでしょうか。


yuuu:電通からだとあまり事業会社に行く人も思っているより少ないですよ。
デジタルが弱いので、サイバーエージェントのようなデジタル系の会社から電通に転職してくることはあります。

また転職先だと、電通からグーグルに転職するのはありますね。
同業だと、博報堂やADKから優秀な人をヘッドハントしてくることはあります。
コンペであの人優秀だなと思う人を引っ張ってきます。

事業会社から広告代理店への転職が少ない要因で考えられるのは、媒体社とクライアントの要望の矛盾の調整役を広告代理店は行いますが、こうした調整は大変だからではないでしょうか。
大変さを考えると、事業会社の方が精神的に楽なのかなと思います。
広告代理店に向いている人は、泥臭くてしんどいけど、自分のかかわったことが世の中に広がってうれしいみたいなことができる人ですね。

広告代理店、事業会社それぞれにとっての優秀な顧客

sym:広告代理店側が感じる、優秀なお客さんとはどのような人でしょうか。


yuuu:自分たちがもっていない知見をもっている人ですね。
後は、我々が考えたことややりたいことを、社内で調整して通してくれる人が優秀だと感じます。

 逆に優秀な広告マンはどのような人だと思いますか。


sym:こっちがお願いしたオリエンに対して、ストーリーにしてもってきてくれる人ですね。
こういった提案ができる人はあまり多くないように思います。

 また、こちら側が手の届かないところまでデータをひろってきてくれて、社内の提案を通しやすいようにサポートしてくれる人も優秀だと感じます。

事業会社のマーケティングでは、出てきたアイデアを判断する

yuuu:マーケターって、アイデアを出す仕事よりも判断をする仕事が多そうなイメージですが、いかがしょうか。


sym:そうですね。広告代理店との仕事だと、オリエンをして出てきたものを判断する仕事が多いですね。

よく勘違いされることとして、事業会社のマーケティングは具体的なアイデアそのものを考える機会が多いと思われがちですが、アイデアを出すのは代理店側であることが多いです。
事業会社はアイデアを考えて実行まで持っていくことはゼロではありませんが、あまり多くはありません。

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デジタルマーケティングが伸びてきている時代

sym:デジタルマーケティングが重要になってきていますが、電通ではどのように考えていますか。


yuuu:デジタルはほかの代理店より意識しています。一般的にデジタル領域が会社として弱いと思われています。
会社としても、WEB解析士の資格を推奨するなどして、デジタルに力を入れております。

話を聞く限り、デジタルの案件獲得には重きをおいています。
2億円の4マス(テレビ・ラジオ・新聞・雑誌)の案件をとるより、5000万円のデジタル案件獲得に力をいれるくらい必死です。

デジタルはどんどん伸びているので、デジタル市場におけるプレゼンスをあげるのに一生懸命ですね。


sym:最近だとベンチャー企業もテレビCMを打つから、そういったところも狙っているのでしょうか。


yuuu:ちょっと前までは、アプリ系の会社の出稿があったのですが、現在はそこまで伸びていません。ソーシャルゲームも一時期ほど出稿額が大きくはないです。

 後は、電通は新規のお客さんには、既存のクライアントよりも力を入れていないので、新興ベンチャーの出稿が伸びているわけではありません。

ただし、デジタルも電通だよねと言われるように変わろうとしているのは事実です。
悔しいことに、サイバーエージェントはデジタル分野では存在感があります。

事業会社は「デジタル」に対してどのように考えていますか。


sym:デジタルマーケティングっていう言葉自体に、大きな意味はないと思っています。
基本的には、デジタルだけやっていればよいというコミュニケーションは少ないです。

 デジタルはあくまでもマーケティングプランの一部で、手段です。
メディア戦略には、いまだにテレビも重要ですし、目的達成に一番有効であれば、デジタルという手段を利用するという考え方です。

デジタルのことだけ知っているというのは、いわゆるマーケターというよりも、私の考え方で言うと、デジタルマーケティングの専門職の人のことかなと思います。

まだまだ大きいテレビの影響力

yuuu:P&Gをはじめ外資の大手消費財メーカーがテレビに回帰していることからも、テレビの影響力は大きいですよね。
年齢の高い層はまだまだテレビを見ていますし。


sym:そうですね。
デジタルに関しては、大手代理店の人は力をいれようとしている割に、デジタルのことをわかっている人は若手でもかなり少ないですね。

事業会社側のマーケターも、広告代理店側もまだまだ勉強が必要だと思います。

マーケティングに関わりたい人に向けたメッセージ

-様々なお話ありがとうございます。それぞれの立場からマーケティングに関わりたい方へのメッセージはありますか。


yuuu:どの部署でも広告代理店は泥臭いです。入ってカルチャーショックをうけて辞めてしまう人はいます。


確かに一部のクリエイティブの部署は芸能人と知り合えるので、派手なのは事実です。

 しかしほとんどの広告代理店は板挟みになって、媒体社と広告主の双方の利益を最大化するよう努力して、それぞれから納得してお金をもらえるようにしています。

そういう泥臭いところをわかってほしいと考えています。

またtwitterでも話したんですが、広告代理店では、マーケティングだから偉い、クリエイティブだから偉いっていうのはないです。

 代理店ではしょうもないやつほど偉くしていますが、クリエイティブやマーケティングの人たちが能力を発揮できるように最前線でつぶれてくれているのが営業なので、彼らへのリスペクトがないと、チームとしてうまくいきません。

 広告代理店は仕事の幅も広げやすいですし、自分がこういうことやりたい、こういうインパクト与えたいと熱意もってやると、実現できます。
やりたいことをかなえてくれる環境でもあります。

 とある方は、企画書を何百枚も書き、そうした努力が認められて、企画の部署に引っ張ってもらえていました。
その方のプレゼンは新人のときに見たのですが、史上最高に良いプレゼンでした。

 努力をして手をあげたら、やりたいことをやらせてもらえる環境だと思います。


sym:基本的に、広告の仕事だけをしたいのであれば、広告代理店に行った方がよいと思います。

事業会社のマーケターにとっては、仕事の一部です。

マーケティングの仕事の醍醐味は、責任をもって、プロジェクトのリーダーとして、周りを巻き込んで仕事をすすめていくところにあります。

 リーダーシップを発揮する仕事をしたい人、また、自分でやったことを世の中に広げていきたいという人に向いていると思います。


-ありがとうございました。

編集後記:

いかがだっただろうか。3回にわたって、外資系メーカーと電通の現役社員による対談を実施した。

後編では、転職や新たなマーケティングの手段に対する考え方や、マーケティングに興味を持つ方へのメッセージを語っていただいた。
前編から通して、幅広い分野で議論が有意義にできた。代理店と事業会社のマーケティングの考え方に関する違い、またマーケティングの実際の仕事の進め方についてよく理解できたのではないだろうか。
電通をはじめ、広告代理店や外資メーカーは転職者を募集している。コンサル出身者をはじめ異業界から人を集めている。ビズリーチは異業界転職をはじめトップの会社への転職を支援している。

外資メーカーマーケでは転職エージェントとしてJACリクルートメントがおすすめだ。広告代理店ならマスメディアンは多くの案件がある。ビズリーチと併用しよう。
ビズリーチ・キャンパスでお二人ともOB訪問を受けているようなので、広告代理店や外資メーカーマーケ志望者で新卒で登録していない方はぜひ登録しよう。

今日は以上だ。

「広告代理店に丸投げする事業会社も」電通マンと外資系メーカーのマーケターによるマーケティング対談(中編)

前編では、広告代理店と事業会社のマーケティングの違いについて対談していただいた。電通の社内組織やクライアント側のマーケティングの動きについて語った。
中編では、広告代理店と事業会社の間の関係について対談していただく。

前編はこちらから

プロフィール

sym

外資系企業でマーケティングに従事。外資系、日系ともにマーケティングの経験がある。

yuuu

新卒から電通に勤務。電通の赤裸々な様子をtwitterで発信している。また、業務の傍ら、就活支援を行っている。
ブログ:https://www.ad-career28.com/

広告代理店も事業会社のマーケティング部門も「実行」からは遠い

yuuu:よく、就職活動生から「代理店は実行に関われないのでは」という質問を受けます。
コンサルは実行までできないよねみたいな。
事業会社と代理店を比較する際に、実行の部分についてはどのようにお考えですか。

 

sym:私もその質問は良く受けますが、実行って何のことを指しているのだろうかと思いますね。

 プランを実行した結果を一番早く見ることができるのは、事業会社というのは確かです。

ただ、実際にモノやサービス等がお客様に届く瞬間、触れるポイント自体を実行と言っている就職活動性もいる気がします。

その意味では、事業会社であっても、マーケティング部門も実行からは遠いですよね。
メーカーであれば、最後にモノを売るのは営業ですし、もっというと小売だったりもします。

直接消費者が買っている瞬間に携わっているわけではありません。もちろん、成果に対する責任という意味では、事業会社の方が広告代理店より、責任を負っているという側面はありますが。

 

yuuu:電通が関わった広告が世の中に出ていくという意味では実行といえるのかもしれませんが、最終的に責任をもって実施の判断をするのは事業会社ですしね。
広告代理店が表に出ることはありません。

 ただ、我々も最終のところまで食い込んで行きたいと考えています。
もちろん最終責任自体を負うのはどうしても事業会社になっていきますが、広告代理店側も、最初から最後まで、戦略の部分まで取り組もうとしています。

そうしないと、コンサルティング会社に事業戦略部分を食われていきます。
また、市場が伸びているデジタル領域についてはサイバーエージェント等のデジタルエージェンシーに市場シェアを食われていきます。

 こういう経緯があって、広告代理店は仕事の再定義をしています。
これまでのモデルとは異なるやり方でのアプローチを試みています。

日系企業は、マーケティングの戦略部分を代理店に丸投げする

sym:電通って、どこまでクライアントの戦略部分に関われるのですか。
外資系では、ある程度戦略や方向性をブリーフやオリエンの形で固めて代理店に投げていますが、私がいた日系企業も含め、日系企業だと、丸投げすることが多いと聞きます。


yuuu:外資系は確かに、ある程度決まった状態で投げてくると思います。
勿論、予算が決まっているなかで、メディアプランニングをどうするかみたいな話は、代理店が行う仕事です。

また、いまsymさんがおっしゃったように、丸投げしてくる会社の方が圧倒的に多いです。

事業会社のマーケティングの人たちって、社内でも割と偉い立場で、お金を我々に払ってくれるので、我々からしても当然偉い人たちです。

しかし実際のところ、事業会社のマーケティング部門で全部できたら、広告枠の買い付け以外では、電通って必要ないと思うんですよ。

それでも広告枠の買い付け以外で仕事があるということは、事業会社のマーケティング部門で、できないことが多いというわけなんです。
事業会社側には、そこまで考えられなくて、社内の説得もできない人がいます。


そう思うと、事業会社が決めていることより、広告代理店側で決めることの方が、圧倒的に多いです。

事業会社は、考えるというより、広告代理店側が考えたものを判断する人かなと思っています。

だからこそ、良いものを考えて、良いものを出さないと納得されません。


sym:そう思います。ほとんどの会社は丸投げをするんですよね。
外資系のマーケティングにいたときは信じられませんでしたが。


外資系企業にいたときに、とあるマーケティング業界の有名な方が、「代理店のプランナーっていらないんだよ。マーケターが考えればいいんだよ」とおっしゃっていたことがありました。
自分で考えられるなら、代理店は本当にいらないんですよね。

 例えば、ターゲットがあって、目指したい態度変容があって、これを達成するにはリーチ何千万人、CVRどれくらいにして、新規ユーザー、リピートユーザーこれくらいにしてください、とプランを策定しますよね。

これに近づけるために、テレビの後は、デジタルですねみたいなところを考えてもらいます。

細かいメディアの選定や、クリエイティブのアイデアを落とし込むところを、広告代理店に考案してもらいます。

もちろん、プランニングに協力してもらうこともありますが。
外資系でマーケティングの組織がしっかりしているところは、代理店にはそのように関わってもらっています。

私の会社だけかもしれませんが、日系企業にいたときで、極端な時には、目的の説明もなく、広告代理店へのオリエンの際の資料さえも特になく、なんとなくかっこいいもの何月につくって、みたいな丸投げをします。

こうなると、マーケティング部門の仕事はなくて、偉そうにしてるだけなんですよ。
しかも、広告代理店への態度もめちゃくちゃ悪かったりします。

マーケティング部門も変な聖域みたいになっていたりしてしまいます。
社内からは、何をやっているかわからないけれど、センスがある人たちというイメージだけが先立ち、余計偉そうになっています。
これでは、代理店も本当の意味でのパートナーにはならず、表面上は全力でやってはくれますが、本音で成功のために一生懸命考えようという姿勢になりません。

 さきほどyuuuさんがおっしゃった、広告代理店が戦略から入るという方針の例でいうと、ある外資系企業に在籍していた時は、電通と製品開発を一緒にやりました。
目的を決めて、コンセプトを考えるための、ブリーフやオリエンをします。
そこからアイデアを一緒に出して、アイデアが複数出てくるので、これは研究開発部門で実現可能か、とさらに深く協力をしていきます。

よって、電通が最初の製品開発段階を含めた戦略策定から関わってきます。


ただ、これは珍しい例で、世の中では丸投げする企業が多いですね。
しかも自分たちではそれを丸投げと思っていなかったりもする。


yuuu:そうですね。マーケティング部門自体がしっかりしている外資系の場合は、方向性が固まって降りてきます。

 日系の多くは、どうしたらよいか分かっていないところが多いです。
売上が落ちているからどうしたらよいか、というところから来ています。

戦略コンサルに投げているような次元の課題を、広告代理店に投げてくれます。
その意味で、広告代理店と戦略コンサルの垣根がなくなってきます。

代理店の強みとして、戦略から広告プランを含めた実行までをとっていこうとしています。

戦略コンサルも、広告代理店の仕事に入ってきます。


sym:そうですね。

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広告代理店の価値は戦略と感情への働きかけの両方にある

sym:事業会社側では、その戦略を考える部署も、場合によって違うんですよね。
BtoCのメーカーだとマーケティングですが、不動産だと経営企画がそこを担っていたりもすると聞きます。


yuuu:物事を決める最終権限はクライアントである事業会社側にありますが、多くの場合ベストなソリューションの判断基準がないんです。
だから営業が大事で、担当者の心を動かせることも代理店にとって重要ですね。
純粋なストラテジーを考えることより、心を動かせることが大事になっています。


例えば、ある人が誕生日会を開くという情報を聞きます。そこで先に店に連絡して、会計してワインを置いてもらうんですよ。


sym:それは領収書切るんですよね。

yuuu:いや切らないです。領収書きったらダサいと思われるので。
電通は心を動かせる、すごい社員がいるんだと思われたいんですよ。人の心をどれだけ動かせるかが広告代理店の仕事です。


店の情報を電通に聞いてくれるお客さんが多いんですよ。おいしい店知っているよねってことで。

私は予約した店の情報を聞いたら誰にも気づかれないようにサプライズをしかけます。
だからストラテジーも大事なんですが、ストラテジー以外のところでも、電通はここまでしてくれるのというところで、他社を圧倒していきます。


sym:そういった感情への働きかけはもちろん重要なんですけど、だからこそ、事業会社側に明確な判断基準とかがないと、心や感覚だけで決まってしまうんですよ。

本当は、この人と接するのは気持ちが良い、だから買ってやろう、だけでは危ないんですよ。

判断する基準が無いと、目的達成できないプランでも採用してしまうかもしれない。


だから接待を禁止するのはある意味では理にかなっていますよね。
外資には多いですが、事業会社側で、接待を禁止している会社も多いです。
よくしてくれた営業の○○さんが言うから、プラン内容は劣るけど採用、となってしまっては危険なので。

代理店の価値は、戦略と感情への働きかけの両方の面があってこそ、ですかね。


yuuu:他の代理店はそこまでやりませんよね?という部分は大事です。
クリエイティブや戦略だと、競合の博報堂が強い部分も当然あります。

でも、戦略はもちろん強くて、他の代理店がやらないところまで電通はやりますよっていう最後のプラスαで勝負できるのが、強みですね。

広告代理店は事業会社からブリーフィングを受け、すり合わせていく

sym:広告代理店は、事業会社に、マーケティングのブリーフィングを受けるうえで、不満に感じる点はありますか。
例えば、目的が無いから困る、みたいなことってあるじゃないですか。


yuuu:確かに、目的があったほうが双方の認識のすりあわせができて仕事が進めやすいのは事実です。
しかし、目的がないから、もう一回オリエンやり直してくださいとクライアントに言うわけにもいきません。

 例えば、目的が設定されていなければ、目的を考えるのも、我々広告代理店の仕事であると考えています。
話していくなかで、ゴールはここで良いでしょうか?みたいな形で、双方のすり合わせをしていきます。

仮に目的が設定された状態で、事業会社側がオリエンしてきて、これで本当に良いのか、目ざすところはここなのかと問いなおすこともあります。

解決したい課題がこれだったら、オリエンで伝えた内容をやってもだめですよね、ということもあります。
また、本当は他のことが課題なんじゃないですか、ということもあります。

そのため、最初のオリエンの通りにやらないこともあります。

事業会社は広告代理店に明確な目的と情報を適切に伝える

yuuu:事業会社側は、広告代理店とコミュニケーションをとるうえで、気を付けていることはありますか。


sym:僕個人として気を付けていることは、何を目指しているかを共有することですね。
目的を明確にしてブリーフをしないと、MKTがいる意味がないと思っています。
この条件は抑えて、このKPIで、この商品を出さなきゃいけない、なぜこのプロモーションをしなきゃいけないか、という背景みたいなところは、出せるギリギリまで共有します。
なぜこれをやらないといけないか、という情報を多く渡しておくことですね。


yuuu:そうですね。できるだけ情報ほしいですね。


sym:ただし、情報は伝えすぎてもミスリードになる危険性もあるので、ミスリードにならないように、情報の取捨選択は考えます。


yuuu:そうですね、正しく導くようなコミュニケーションって大事ですね。


sym:地獄みたいな状況というのがあって、目的とか方向性がない状態で、広告代理店にオリエンすると、広告代理店が何をやったら良いかわからないというときがあるんです。
事業会社側の責任者が、「なんかかっこいいのをつくって」のような形で丸投げすると、何をやったら良いかわからない状態で広告代理店が案を出してきます。
事業会社側が、フィードバックもせずに「これは違う、ボツ」みたいなことだけを言って、ゼロからやり直しさせる、みたいなことを繰り返す、地獄絵図みたいな光景が展開されたときもありました。

こっちからは何も言わないけど、こっちが考えていることをあててごらんよ!みたいなマインドで、広告代理店に接している場合も、代理店側からはきつい状況ですね。

こんな会社だと、事業会社側の部下もきついし、広告代理店側もきつくなり、代理店の営業も社内でも信頼を失って、仕事を受けてもらえなくなっていきます。
こんな感じでやっていると、当然代理店からも良いものが出てこないので、広告代理店側に払うお金を値切ろうとしていく、など双方にとってよくない悪循環になります。


yuuu:広告代理店側も、クライアントによっては引き受けないときがあります。やればやるほど赤字になるような会社は、クライアントから切るようにしています。


sym:その方が良いですよね。
ただ、私が在籍していた会社は電通にとってもグループ企業全体で見てかなりの大口顧客だったので、自分たちの担当を切ることができなくて大変そうでした。

編集後記:

外資系メーカーと電通の現役社員による対談は、いかがだっただろうか。
中編では、広告代理店と事業会社の間の関係について対談していただいた。
後編では、転職や新たなマーケティングの手段に対する考え方や、マーケティングに興味を持つ方へのメッセージを語っていただく。

 転職の可能性は、広告代理店、外資メーカーともに門戸をひらいており異業種転職もおこなわれている。ビズリーチは幅広く転職を支援している。外資系日系問わず様々な求人がある。

また、JACリクルートメントは外資系メーカーの転職に強いエージェントだ。転職サイトのビズリーチと併用しよう。
また、今回のお二人とも、ビズリーチ・キャンパスでOB訪問を受けているため新卒の方利用してほしい。
今日は以上だ。次回は後編だ。後編は下記からご覧になれる。

www.careerhigh.jp

「広告代理店と事業会社のマーケティングの違いを意識せよ」電通マンと外資系メーカーのマーケターによるマーケティング対談(前編)

マーケティングに携わりたいという人は、新卒でも中途でも非常に多い。
今回は、マーケティングを担当するにあたって、関わる立場でどう違ってくるのかについての対談をご覧いただこう。
電通社員からはyuuu氏、外資系企業のマーケター側からはsym氏に、それぞれご協力いただいた。

外資系メーカーのマーケター、広告代理店の働き方についても詳しく触れていただいた。

広告代理店、事業会社のマーケティングに関心がある方にぜひご覧いただきたい。

前編では、広告代理店と事業会社のマーケティングの違いについて対談していただく。3回にわたってお届けしていく。

プロフィール

sym

外資系企業でマーケティングに従事。外資系、日系ともにマーケティングの経験がある。
yuuu

新卒から電通に勤務。電通の赤裸々な様子をtwitterで発信している。また、業務の傍ら、就活支援を行っている。
ブログ: https://www.ad-career.jp/

電通マンと外資系企業のマーケターによるマーケティング対談

-本日はお集まりいただきありがとうございます。早速ですが、自己紹介お願いします。

yuuu:東京都内の私立大学を卒業後、新卒で電通に入社し、複数の事業部での経験があります。

sym:はじめまして。

大学卒業後、新卒で外資系メーカーのマーケティング部門に就職しました。
その後、日系企業、外資系企業を複数社経験して、現在は外資系企業でマーケティングの担当をしています。
一貫してマスマーケティングに携わっています。

日系企業も含め、すべて世界的に有名な企業に在籍しているので、いわゆる大企業でのマーケティングの経験をもとにお話しいたします。

 

経験してきた領域は、B to C 領域のマーケティングで、消費財や食べ物、電子機器と幅広いかなと思います。

広告代理店では、クライアントの課題を解決するのに適した部署や人材がマーケティングを担当する

-広告代理店と事業会社のマーケティングの違いについて伺いたいです。組織として、マーケティングはどこの部署が行うのでしょうか。

 

yuuu:電通でのマーケティングを担当する部署だと、統合ソリューション局があります。
昔はストラテジックプランニング局という名称でした。
便宜上、この統合ソリューション局に所属している人をマーケターと呼ばせていただきます。

広告代理店だと、マーケティングという言葉の範囲が広いのではないかなと思います。

 

統合ソリューション局に所属するマーケターは一般的に市場分析に基づく戦略を策定します。

一方、全体のコミュニケーションプランや企画もマーケティングの一環だと思いますが、ここに踏み込むのはクリエイティブですね。

 また、マーケティングを誰が担当するのかは最初の段階では決まっておりません。

 

sym:「マーケティングを誰が担当するかは最初の段階では決まっていない」という点について、より具体的に教えてください。

 

yuuu:電通の場合は、チームとして、誰が担当したらクライアントにとってのベストソリューションになるのかという考え方をします。

詳しく理解していただけるように、業務の流れを簡単に説明いたします。

 

クライアントからオリエンがあり、それを受けた営業(ビジネスプロデュース局)がクライアントの課題を把握し、社内に持ち帰ります。

 

その後、営業がクライアントの抱える課題を解決するのに適役だと思う人を各部署から集めてチームを作り、キックオフミーティングを開きます。

 ここで全体の流れを策定した後、営業が全体像を把握しながら、専門分野ごとに分かれて、マーケティングプラン等のアイデアを練っていきます。

基本的には、営業局に紐づいているクリエイティブ局(CRプランニング局)と統合ソリューション局の人に声掛けします。
その中でも、誰をアサインするかは時と場合によって変わる可能性があります。

 そして、競合プレゼンに臨んだり、クライアントに提案したりして、競合勝利/Goサインをもらったら実行に移していきます。

 つまり、クライアントのマーケティング戦略を考えられるのに適しているのが営業担当であれば、そのまま営業担当が全体戦略を考えます。
しかし、営業担当がマーケティングを考えることができなければ、統合ソリューション局の人間をチームにアサインします。

 

sym:営業でも、マーケティング戦略を考えるのに長けている人がいるということですね。

 

yuuu:いますね。
電通の場合、最終権限者は営業です。そして最終的な責任を負うのも営業です。
クライアントと最もコミュニケーションをとっている営業がどう思うかで意思決定がなされるため、営業がどのように考えるかは大事な点です。

 優秀な営業担当者は、どういう人を巻き込んだらクライアントにとってベストなソリューションが出せるのかという嗅覚がしっかりしている人です。

 

sym:それでは、いわゆるマーケターの人たちは社内で権限があまりないのですか。

 

yuuu:そういうわけではありません。
電通の統合ソリューションチームには、広告業界で有名な方々が在籍しています。

そうした業界で有名な方たちが考えるマーケティング戦略は社内外で影響力を発揮するため、電通内の統合ソリューションチーム側がオーナーシップをもつ場合があります。

 

先ほども述べたように、「どの部署が」ではなく、「誰が担当したらクライアントに最大限の価値を発揮できるか」という観点で、仕事の役割分担がなされます。

 

sym:「有名な方」になるには、どうしたらよいのでしょうか。
高い役職にあると有名であるという認識でしょうか。

 

yuuu:いえ、社内の役職ではありません。
分かりやすいところだと、カンヌをはじめ有名な広告賞をとった人は、社内外で有名になり影響力をもっています。

また、考えた施策が大ヒットし、クライアントの売上を大きく伸ばした人も、社内で一目置かれる存在になり、社内では「有名な人」になります。

 

sym:一部の有名なマーケターの人を除くと、営業主導でマーケティングが行われるのであれば、マーケティングソリューション部自体、不要なのではないでしょうか。

 

yuuu:そうした議論はあります。
電通としても、従来営業と呼ばれていた局が、ビジネスプロデュース局に名前が変わりました。

ただの広告枠の売り買いではなく、クライアントのビジネス全体をサポートしていこうとしています。

つまり、ビジネスの根本からクライアントに対して価値を出そうとすることが、営業に求められてきています。

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外資系企業のマーケティング部門は、売上に責任をもつ

yuuu:事業会社の「マーケティング」の仕事は、どのようになっているのでしょうか。

 

sym:私は複数社に在籍した経験がありますが、マーケティングの手法や、そもそもの「マーケティング」という範囲や、仕事の捉え方が、どこの会社も違うので、一概にはいえないですね。

 事業会社のマーケティングの仕事で度々勘違いされるのですが、我々マーケターは、クリエイティブを考えることが仕事ではありません。

ここで言うクリエイティブとは、店舗やドラッグストアで使う販促ツールや、広告で使用する映像やバナーといった広告・コミュニケーションの具体的な内容のことです。

 本来の役割として、マーケターは売上に責任を負っています。
極論を言うと、売上さえあがれば、何をしてもよい部署・役割です。
その意味で、自分でクリエイティブを考えても良いとは言えます。

 

yuuu:確かに、クリエイティブは広告代理店側がやる仕事ですよね。
マーケティング部門の仕事では、何が大事になってくるのでしょうか。

 

sym:広告代理店のマーケターとの違いで考えると、事業会社のマーケティング部門は、リーダーシップを発揮して担当プロジェクトを推進することだと考えています。

 有名なマーケターの方の言葉を一部借りますが、役割としては大きく3つあると考えています。

 1点目は、「人の心・行動を動かす」役割です。

人の心や感情を読み解いたうえで、その製品を買ったり、店舗に行ったり等の行動をする「動機」を作ることです。
いわゆる、「4P」(Product, Place, Price, Promotion)を考える役割です。
この役割の中でも、広告・プロモーションの面が取り上げられやすいですが、本来であればすべてを管轄する仕事です。

 例えば、マーケティングコミュニケーションを広告代理店と考えていきます。
目的を達成するためにはどんなコミュニケーションが良いか、というところを広告代理店と一緒に考え、正しい方向へ導きます。
時にはどこで販売するのが良いか、内容やコミュニケーションを踏まえて、営業やファイナンスなどの他部署と連携して、決断をしていきます。

 2点目は、「リーダー・プロデューサー」の役割です。

マーケターは、社内外問わず、一緒に働く人たちを正しい方向に導かねばなりません。
マーケターは、単体で何かを為すという仕事ではありません。
各領域の専門家の知見を借りながら、目的に向けての道筋を立て、その実行・決断を下します。
広告ならば広告代理店、法務で解決すべき課題があれば法務部門、物流やそのコストに機会点があるならサプライチェーンやファイナンスと連携します。
連携を密にしながら、どの手段が最適化の決断を下します。

 また、どの部署に属さないが、実行すべき仕事があった時はマーケターの出番です。
人を取りまとめつつ、目的に向けての戦略を実行するのも、重要な役割です。

 3点目は、経営者の役割です。 

先ほど売上に責任を負っていると言いましたが、最終的には企業としては利益を出すことが重要です。
ブランドやカテゴリーの経営者として、与えられた予算の効果を最大化して、利益を出さないといけません。

 これは短期での責任という意味でもそうですし、長期でも同様です。
どういうことかというと、継続的に売れる仕組みを作る必要があるという事です。
「ブランディング」も長期的に売り上げを上げやすくする仕組みの一つです。
再現性のある体系化された成功の方法を作ることは、経営的側面からのマーケターの役割だと言えます。

 

yuuu:日系企業のマーケティング部門も、売上に責任を負っているという認識ですか。

 

sym:私がいた日系企業のマーケティング部門は違いましたね。
世界的な大企業なのですが、マーケターの役割は、クリエイティブを代理店に作らせることでした。
厳密には売上に責任を負っておらず、自分たちの好きな納得できるクリエイティブができるかどうかが一番でしたね。

 売上に関して直接の責任を負うのは営業部で、マーケティングはうまくいけば自分たちの手柄、うまくいかなければ市場環境や営業の責任、というようなスタンスでした。
まあクビや降格もありませんしね。

 先ほどの3つを満たしたマーケターというのは、外資系の企業の方が多いように思います。

広告代理店の算出する広告換算は事業会社にとって一定の成果の指標

yuuu:広告代理店の算出する広告換算について伺わせてください。
特定の事業プラン等に予算をもらったとして、定量的に数字を算出した結果、2憶5千万円の広告効果がある、などと算出した数字を広告代理店側から提示することがありますよね。
事業会社側ではその数字について、信憑性も含めてどのように考えていますか。

 

sym:広告換算という意味では、まずはPRの領域ですよね。
PRの試算は、イベントや媒体への働きかけなどの結果、記事という形で露出したものを成果として数値化したいわけです。

定量的に換算すると、幾らの広告出稿と同等ですと出るのですが、本当にそれが金額通りの価値があるのかは、わからないですね。
ただ、自分たちの成功/失敗の指標として、定量化するという事で、一定の効果を測定しています。

 あとは、SNSやインフルエンサーなどの露出効果についても広告換算は試みられています。
しかし、元々が広告媒体ではないので、なかなか金額という形での広告換算は難しい、苦戦しているのが現状だと思います。

 そのため、古い体質の企業では、いまだにSNSなどの活用に踏み切れない、もしくは、SNSの効果は不透明でも、なんとなくやっているという状況が多いと思います。

 

yuuu:今の話に関連するのですが、そもそもの事業会社の考える広告効果に関する考え方について伺わせてください。

 

sym:広告効果を真面目に測定したいと考えているクライアントサイドは、実は多くないと考えています。


2パターンあって、1パターン目が、宣伝や広告に関する部署が、売上に対する責任が無い部署である場合。
このパターンでは「広報宣伝部」などの名前のことも多いです。

長期的なブランド活動として広告活動を行っている場合も含まれますが、広告活動がすぐに効果・特に売上にあらわれなくても良いと考える会社は多いです。
そのため、短期的な数字をKPIと置かず、広告効果の測定も難しくなるために、数字を追わないわけです。

 もう1パターンは、前述の私の在籍していた企業のように、実際の効果が出てしまうと自分たちの評価につながるために、現場レベルで効果測定を行いたくない場合です。
下手に成果を数値化できてしまうと、言い訳ができません。

そのため、「広告効果はすぐにわからない」「直接の相関は見づらい」などで、マーケティングに詳しくない上層部を煙に巻くということは、よく見る光景です。

 

yuuu:デジタルやテレビといった媒体は、広告に接触する人の反応を測定しやすいですよね。
しかし、広告効果、広告に対する反応を定量的に測定しにくい媒体について、どのようにお考えですか。

 

例えば、新聞や雑誌のような、閲読率のような指標は一応あるものの、効果測定しにくい媒体はどうでしょうか。
こういった媒体は、昔は出稿量が多かったのに、今では減ってきていますよね。


sym:まず、指標についてですが、基本的には閲読率などの指標を信じるしかないと考えています。


閲読率含めたリーチに関しては、そもそも部数自体も交渉の数字が信じきれないところもありますが、そこも織り込み済みで実施をしています。

媒体特性でセグメントを切れたり、深い内容を伝えることができたりするというメリットを重要視して、出稿をしていると考えています。
そのため、新聞や雑誌などの媒体への出向が減っているのは、測定の難しさでは無い理由だと私は考えています。

 

yuuu:どんな理由でしょうか。

 

sym:大きく言うと2つです。

1つは、発行部数が減少していることです。
リーチの深さを取る媒体といっても、流石に今のレベルまで減少すると、費用対効果が合わないと感じてしまいます。

 もう1つは、デジタル広告の高度化によって、雑誌以外でもターゲティングをより精緻に行うことができるようになったことです。

 

yuuu:それでは、どんな理由でデジタルではなく雑誌や新聞に出稿しているのでしょうか。

 

sym:やはり、ある程度以上の年代にとっては、新聞では信頼性の高いメディアですし、ある程度のリーチも稼げるという面かと思います。

また、新聞や雑誌を読んでいるタイミングで届けたい内容、表現を活かした効果的な広告というのは今でもあると思います。

 それ以外で、デジタルシフトをしていない理由としては、上層部の理解がいまだに得辛いことです。

外資だとマーケティングのことを上層部が理解していたり、マーケティングの専門家が多かったりする傾向です。
しかし日系では、そもそもマーケティングのことを何も知らない上層部が重要なポジションにつくことがよくあります。

そういった場合、「CPC?なんだそれは。コスト効率が良いと言っても、テレビの方が良い、テレビをやれば売れるだろう」のような発想がいまだに多いです。

 もちろんテレビのリーチの高さは魅力ではあります。
しかし、マーケティングに理解の浅い上層部に説明するのをあきらめて、デジタルメディアへの出向を見送る例もよくあると思います。

編集後記:

外資系メーカーと電通の現役社員による前編だ。
前編では、広告代理店と事業会社のマーケティングの違いについて対談していただいた。電通の業態について特に理解できたのではないだろうか。
中編では、事業会社と広告代理店の間の関係性や力関係について対談していただく

 それぞれの業界にチャレンジしてみたい人は、中途でも可能性があるので挑戦してみよう。
ビズリーチに登録すると、外資系日系問わず様々な求人がある。代理店、事業会社マーケどちらの可能性がある場合も利用しよう。
また、外資系メーカーなら、転職エージェントとしてJACリクルートメント、広告代理店ならマスメディアンが案件を多く扱っている。転職サイトのビズリーチと併用しよう。
また、今回のお二人とも、ビズリーチ・キャンパスでOB訪問を受けているようなので、新卒で登録していない方はぜひ登録しよう。

次回は中編だ。中編は下記から。

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長期的な自分のキャリアアップにつなげるための本10選

学業であったり、仕事であったりで忙しいと、どうしても世の中の流れを考える機会は減っていってしまうのではないだろうか。

学生であれば自分の専門分野の専門書しか読まなくなるし、社会人であってもなんとなく周囲が読んでいるからという理由だけで日経新聞を読んでいる人も多いと思う。

このように、ある特定の領域や、一般常識を詰め込むのもいいが、それでは視野が狭くなってしまうか、周囲と同じ情報しか持っていない状態に帰結してしまう。

そこで、今回は就活や転職の際に役立つ著書を紹介していく。若手金融マンにご紹介いただいたのでそのまま掲載させていただく。

なぜ本を読んでおく必要があるのか

ではなぜ、就活サイトや就活エージェントの話を聞くだけでなく、本を読む必要があるのだろうか。

それはずばり、本が唯一「信頼性のある専門家による、ある程度整理された未来予測」を聞くことができる場だからである。

もちろん新聞に載っている専門家の意見を読むことも大事である。

しかし、複数の新聞を比較しながら読むのには労力がかかるため、一つの新聞を長年読んでいる人が多いのではないか。

そうした場合、その新聞媒体に対して都合の良いことを書く人の掲載が優先されるという新聞の性質上、得られる情報が偏ってしまう。

また、新聞は大衆に向けて発行される媒体のため、著者の意見や感情を表現しにくい。

もちろん、本であっても多少の検閲は入っているものの、新聞に比べれば多少過激な表現ができる点で、様々な人の意見を取り入れやすい。

また、インターネットに比べて信憑性の高い情報を入手しやすい。

近年ではネット社会が伸びてきたことで、嘘の情報が多くなってきたため、正しい情報の取捨選択を行う手間を考えると、やはり本が優れた情報収集ツールとして挙げられる。

どうやって価値のある本を探せばいいのか

自分が読むべき本を決める際に、最も簡単な方法は自分の気に入った著者の本を読むことである。

ただ、忙しい人はそもそも自分の気に入る著者を探すことさえも面倒だと感じるかもしれない。

その場合は、有名な著者の過去の本を読むことをおススメする。

今成功している人が過去に何を考えていたのかを知ることで、将来の成功はどうやったら引き寄せられるのかという参考になるし、なにより一般教養として情報を入れておいて損はない。

そのため、ここからは有名な著者によって記述された名著について紹介していく。

人生の方向性を決めるための著書

読書について 他二篇 (岩波文庫) 

読書について 他二篇 (岩波文庫)

読書について 他二篇 (岩波文庫)

 

読書を習慣化するためにまずは、なぜ読書をしなければいけないのか、読書をすることでどんな効果がもたらされるのかを考える必要がある。

そんなことを考える際に役に立つのがこの本である。自己啓発本のような内容ではなく、本を読むという行為はどんなことなのか、何を気をつければ行けないのかについてショーペンハウエルなりの考察が行われている。

ショーペンハウエル曰く、読書は人との対話に近いそうだ。そしてこの本を読んでからは筆者も本を読むことを受動的に情報を得るツールとしてではなく、何か自分に足りないものを補ったり、他人の意見を聞いて自分の視野を広げたりするツールとして使うようになった。

自分にとって合う本、合わない本に出合うためにもまずは簡単に読めるこの本から手に取ってみて欲しい。

 

読書が自分にとってどんな意味があるのかを整理することできっと読書が好きになるはずだ。 

テクノロジーの進化を追うための本

ここまでは自分の人生哲学や世の中への見方が変わるような少し奇抜な著書を紹介していったが、ここからはやや実用的な本を紹介していく。

実践フェーズに突入 最強のAI活用術 単行本  野村 直之

実践フェーズに突入 最強のAI活用術

実践フェーズに突入 最強のAI活用術

 

幾多のAI関係の本が世に出ているが、この本ほどビジネスで実際にどうやったらAIが応用できるかについて解説している本はない。

本文のほとんどが既存のAI技術と、それをどう各企業が導入しているか、欠点は何かについての考察を行っている。

そのため、よくあるAIが反乱するだとか、将来人が機械に代替されるといった実証可能性のない議論は一切載っていない。

むしろ、この本を読むことによってこれから機械化によって伸びていくであろう産業や、逆に人がいらなくなるであろう産業を知ることが出来る。

これから業界や産業を見極める必要がある転職者や就活生にとっても、他企業に負けないためにAIの導入を考えている方にとっても、非常にわかりやすい内容である。

FinTech大全 今、世界で起きている金融革命 単行本 スザンヌ・キシュティ (著), ヤノシュ・バーベリス (著)

FinTech大全 今、世界で起きている金融革命

FinTech大全 今、世界で起きている金融革命

  • 作者: スザンヌ・キシュティ,ヤノシュ・バーベリス,瀧俊雄,小林啓倫,映像翻訳アカデミー
  • 出版社/メーカー: 日経BP社
  • 発売日: 2017/06/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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金融業界の人くらいしか本気で変化を追っていないFintechであるが、実際には全ての人が注視すべき変化が近年生まれている。

私たちの生活にもたらす影響としては実はAIよりも格段に大きいのがFintechである。

この本ではそもそもFintechがどういうものかを説明したのちに、既に世の中で起こっているFintechによる変化について述べている。

例えば保険の購買であったり、個人の証券投資であったりと、企業活動以外の部分でもFintechは大きく私たちに影響してくる。

この本を読むことで金融業界の変化だけでなく、私たち個人の周囲に転がっている投資チャンスを把握できるうえ、さらに自分が利用している金融サービスは実は損なことに気が付くかもしれない。

また、世の中の話題に置いて行かれないよう、よく耳にする「ブロックチェーン」や「Big Data」についてもこの本で理解しておこう。

内容的には少し古いFintech技術かもしれないが、自分の所属業界や、産業、企業の枠を超えて、そもそもどんな企業にも個人にも必要な「資本」が、Fintechによってどのような変化をしているかを確かめてほしい。

会社で出世するための本

最高の結果を出すKPIマネジメント 単行本(ソフトカバー) – 2018/6/22
中尾隆一郎 (著)

最高の結果を出すKPIマネジメント

最高の結果を出すKPIマネジメント

 

ビジネスの場でよく耳にする「KPI」であるが、どのような評価方法なのかを深く知っている人は少ないのではないか。

しかし、本来であればなぜそのようなKPIが設定されており、何を満たせば自分の評価が上がるのかを把握する必要がある。

KPIがそもそもどのような意図で設定されているのかについて深く考察されているのがこの本であり、マネージャー目線でのKPIの導入方法から、KGI・CSF・KPIなどの必要知識を理解することができる。

自分が一般社員の場合は、どうやったら人事から評価されるかの再整理ができるため、自分の評価を上げるための近道を見つけることができる。

また、転職希望者の場合は転職先企業とのKPI設定の際の交渉の際に有利な条件を引き出せる上、もしもその企業の求めるKPIが理不尽なものの場合、入社を考え直すのもありだろう。

他のKPI関連の著書とは異なり、KPIを設定すること自体にどんな狙いがあるのかを著者のリクルートでの社内教育経験からわかりやすく述べている。これ一冊で十分人事部の評価方法を理解できるので、就職前の学生にも適した本である。

営業力 100本ノック (日経文庫) 新書 – 2017/9/16  北澤 孝太郎

営業力 100本ノック (日経文庫)

営業力 100本ノック (日経文庫)

 

どんな企業であっても必ずある「営業」であるが、学問的に学んだことがある人は少ないのではないか。

理由としてはそもそも学者が営業をするような職に就いた経験が少ないのと、営業スタイルは千差万別だからである。

そのため、世の中には無数に啓発本のような営業に関する本は存在するものの、意外と自分の営業にどんな問題があるのか、どんなスタイルを目指すべきなのかがしっくりくるものは少ないのではないか。

そんな悩みを解決するのがこの本である。この本の著者は理系大学院生向けに実際に営業に関する講義を行っており、その営業方法はかなり学問的であり、納得度が高い。

更に、一つの営業スタイルを推奨してくるのではなく、100の質問に答えていくことで自分の営業スタイルを探していくという独自の手法を採用している。

営業成績を上げたい人、これから営業職に就く人共に読んでおきたい一冊である。


自己実現編

プロフェッショナルの条件――いかに成果をあげ、成長するか (はじめて読むドラッカー

プロフェッショナルの条件――いかに成果をあげ、成長するか (はじめて読むドラッカー (自己実現編))

プロフェッショナルの条件――いかに成果をあげ、成長するか (はじめて読むドラッカー (自己実現編))

 

若い人にも、多少年齢を重ねて人生に迷っている人に向けても影響力の大きい一冊である。

経営学の神様としても知られているドラッガーであるが、この本は経営というよりは個人の人生哲学についての考察を行っている。

人生の俯瞰方法としてドラッガーは経済全体を俯瞰しつつも、その中にいる個人に焦点を当てている。

この考え方が理解できれば企業という大きな組織に属していながら、自分が何をすべきなのかを考えるための指針となる。

ここまでを聞くと自己啓発本のように思えるかもしれない。しかし、ドラッガーの場合はスピリチュアルなモノには頼らず、独自の考察法によって非常に説得力を持って個人哲学を考察している。

その考察方法としてドラッガーはひたすら理詰めで物事を考える方法を採っている。

この本はドラッガーの著書の中では比較的読みやすい本なので、もしもこの本を読んでドラッガーの思考法に共感した場合は、これ以外のドラッガーの著書に手を伸ばしてもいいのではないだろうか。


監獄の誕生―監視と処罰 単行本  ミシェル・フーコー

監獄の誕生―監視と処罰

監獄の誕生―監視と処罰

 

世の中への印象を全く変えたいのであれば、この本がおススメである。

小説のようなフィクションとは異なり、過去から続いてきた監獄で行われる「監視」と「処罰」がいかに囚人たちを規律付けてきたかを考察しつつも、現代でも同じようなことがおこなわれていることを論文のように淡々と主張している。

この本を読めば現代社会がいかに監獄のように権力によって操作されており、一般大衆が従わされているのかに気が付くことが出来る。

特に処罰が身体的なものから精神的なモノに移行してきたという考察など、普段は気にかけない視点からの考察がなされており、大変興味深い。

ところどころ残酷な事実について触れられているため、表現に耐えられない読者もいるかもしれない。

ただ、その部分を飛ばして読んだとしてもしっかりとフーコーが伝えたかったことが伝わってくる名著である。

この本が気に召した場合は、他のフーコーの著書も同じように独特な視点から現代を風刺しているので、間違いなく気に入るはずである。

世界の動向を知るための本

今まではややミクロな視点からの本を紹介していたが、ここからは世の中の動き、つまり日本経済と世界経済を知るための本を紹介していく。

財政破綻後 危機のシナリオ分析 小林 慶一郎

財政破綻後 危機のシナリオ分析

財政破綻後 危機のシナリオ分析

 

よく日本経済が「破綻するか」、「破綻しないか」に関しての議論を耳にすると思う。

しかし、このような本はいつ起こるか、なぜ起こるかに注力しすぎており、あまり自分の生活にどのような影響がでるかを考えたことがある人は少ないのではないか。

この本は「いつ日本経済が傾くか」ではなく、「日本経済が傾いたらどうなるか」を中心に語っており、その際にどのような対応をしたらいいのかを国レベルでも、個人レベルでも分析している。

結論を述べると、読者は必ずと言っていいほど日本企業が絶望的な状況に向かっていることを認識する。

そのため、ほかの本を読むよりも圧倒的に危機意識が生まれ、自分が今からでも動かなければいけないことを実感するだろう。

自分のモチベーションを高めるためにも、今からの仕事探しや、自分の仕事がどうなっていくかを予見するためにも一読してもらいたい。


これから始まる「新しい世界経済」の教科書  ジョセフ・E. スティグリッツ

これから始まる「新しい世界経済」の教科書: スティグリッツ教授の

これから始まる「新しい世界経済」の教科書: スティグリッツ教授の

 

この本は経済に疎い人でも十分理解できるレベルで世界経済がどう移り変わっているかを解説している。

ニュースなどで耳にする「移民問題」や「仮想通貨」が日本の経済、ひいては世界経済にどのような影響を与えるかを解説していく。

また、これらの問題だけでなく、紛争であったり宗教であったりの古くから存在する問題が今の経済にどのような影響を与えているのかも詳しく考察している。

これだけグローバルになった世の中ではもはや一国の状況やテクノロジーの出現だけでなく、それがどのように世界に波及し、影響を与えているのかを考える必要がある。

この本の論理の展開方法としては、既存のアメリカ経済とその制度体制について批判し、富が一部に集中する今の過剰な資本主義社会を破壊すべきだと筆者が主張している。アメリカの経済状況を知るためにも役に立つ本である。

もはや日本だけの問題ではなく、世界の動きがどのように日本に影響を与えるのかを考えながら、読者個々人でこれから世界がどう変化していくのかを考えてみてほしい。

 

英語力を上げるための本

繰り返しになってしまうが、これだけの英語社会で英語が話せないのは致命的である。

そのため、ここからは筆者が思う最速で英語力を伸ばすための本を紹介する。

CD付 即戦力がつくビジネス英会話 改訂増補版: 基本から応用まで  日向清人

CD付 即戦力がつくビジネス英会話 改訂増補版: 基本から応用まで

CD付 即戦力がつくビジネス英会話 改訂増補版: 基本から応用まで

 

単純に英語を覚えるだけでなく、実際のビジネスシーンまで想定して書かれているのがこの本である。具体的にはIT企業や製造企業での場面が網羅されている。

もちろん、ビジネスマナーや会議でよく使われる用語など、一般的なビジネスで使用する英語が多く封入されているので、単語だけを延々と覚えるよりは、実際の場面が想定されているこの本を読んだほうが圧倒的に効率がいい。

対象はTOEIC800点くらいまでと、英語が苦手でもないが、得意でもないような最も多くの層を対象に書かれている。

そこまで難しい単語ではなく、大学生レベルの英語をうまく活用することで会話を成り立たせているので、そこまで大きな労力を要さないのが特徴だ。

ただ、気を付けてほしいのは英語初学者では少し難しすぎる点である。

特にリスニングCDのスピードは初学者には速い。そのため、ある程度の英語力はあるものの、ビジネスになると適切な言葉が出てこなくて困っている人に読んでほしい。

 

英文ビジネスレター&Eメールの正しい書き方 松崎 久純 

英文ビジネスレター&Eメールの正しい書き方

英文ビジネスレター&Eメールの正しい書き方

 

今まで紹介してきた本とは一転変わって、とにかく英文のメールの書き方だけに絞ったのがこの本である。 
よくビジネスのためのレジュメ作成のための本や、E-mailのための指南書は存在するが、正直それらの本はあくまで日本人がメールを書く際の指南書であり、ネイティブが書くようなものとはレベルがかけ離れている。

しかし、この本で指導している書き方はなるべくネイティブの書き方に合わせており、言い回しや単語も独特である。そのため、一般的なビジネスレターやe-mailの書き方の指南書に比べこの本で使用されている単語のレベルはかなり高めである。

想定されている場面としては営業から海外貿易、国際事務といった多種多様な状況を想定して書かれている。

ここまで実践的な本は他には見当たらないので、実用的な英語を身に付けたい場合はこの本を選んでもらいたい。

 

おわりに

いかがだったろうか。今回は哲学系の本から経済系の本、実用的な英語のスキルアップのための本と、幅広く本を紹介した。

いずれの本も量が薄く、しかし内容は濃いものを挙げたので、まずは手に取って軽く目を通し、自分の長期的なキャリアを向上させると感じた本を熟読して欲しい。

本をよんだあとは転職活動にうつろう。ビズリーチに登録し早速行動しよう。

出戻り転職をするのはアリか

日系大手企業では、あまりなじみがないかもしれないが、コンサルティングファームや、ベンチャー企業では一度辞めた退職者が出戻りしてくるパターンがある。なぜ人は出戻りするのか、そして出戻り転職するのはキャリア形成上、大丈夫なのか考えてみた。

「出戻り」とは

出戻りとは、勤務していた会社を一度退職して、他社で勤務した後に、再度、元々働いていた会社に転職するというパターンだ。
あなたが働いている会社には、出戻り組はいるだろうか。恐らく、ほとんどの会社にはいないだろう。一度辞めているということは、少なからず会社に迷惑をかけており、全員から応援されて会社を去ったわけではない。「去る」「辞める」という表現がほとんどで、リクルートのように超ポジティブ人間が集まった会社が、退職のことを「卒業」などとポジティブな表現にしている。

最近は、パナソニックの樋口泰行氏が出戻りの代表例として取り上げられている。樋口氏は新卒から約10年間パナソニックに勤務し、ハーバードMBA留学を経てBCGへ入社している。その後、日本HPやマイクロソフトの社長をつとめる、いわゆるプロ経営者を経て、パナソニックに転職した。約25年ぶりに復帰する、出戻り人事として話題になった。

日系企業は退職者=裏切り者ととらえる中で、パナソニックの樋口氏の採用は大きな英断だと個人的に思う。

出戻りのパターン

出戻りのパターンはいくつかある。新卒から5~10年間ほど働いて他社へ転職したが、1,2年ほどで元の会社に戻るパターンだ。リクルートやアクセンチュアはこのような出戻りを受け入れている。

また、樋口氏のように、20年以上も経ってから、事業の中核を担う幹部として再度戻ってくるパターンだ。朝日新聞が運営するDANROの編集長である亀松太郎氏も新卒で朝日新聞だった。亀松氏は朝日新聞をわずか3年でやめたが、ドワンゴや弁護士ドットコムといったWEB系企業で成果を残し、退職から約20年ぶりに朝日新聞のWEBメディアの編集長をつとめることになった。

もう一つのパターンがある。Cerevo(セレボ)代表取締役であった岩佐琢磨氏はパナソニック退職後、Cerevoを起業した。そして、起業した会社をパナソニックに売却し、パナソニックの子会社の社長を現在はつとめている。

こうした起業からの売却というパターンも、珍しいものの事例としてある。

出戻りは多様だが、大きくわけると、他社があわなかったので、戻ってくるパターンと、樋口氏クラスのように会社から戻ってきてほしいと思われるようなパターンが存在する。

なぜ出戻り転職をするのか

大多数の出戻りは、他社へ転職して1,2年で戻ってくるパターンだ。出戻りする理由としては、他の会社で働いてみて、自分の能力が出せる場所が元々働いていた会社だったと気づく場合だ。よほど優秀な人でない限り、その人が活躍できる会社は限られてくる。

すなわち、彼らは活躍できる場所を求めて出戻りするのである。また、新卒からいる場合は、新卒のカルチャーになじみすぎて、他の会社にいくと違和感が多すぎて、活躍できる会社が、新卒で働いていた会社にしかなくなっていくパターンがある。このパターンは市場価値をあげるうえで危険なので考えるべきである。

また、コンサルから事業会社に転職して、再度コンサルに戻ってくるパターンもある。アクセンチュアからベンチャーに転職するも、給料ダウンに耐えられない、また、事業会社の事業開発担当としては活躍できずアクセンチュアに戻るか、PwCやデロイトに転職する。コンサルと事業会社(の特に新規事業開発)は全く別物なので、実力を発揮できないのも頷けるので、出戻りはいい選択だ。

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出戻りをすべき人とそうでない人

出戻りをすべき人は、元々働いていた会社が環境的に能力を発揮しやすい場所であると認識でき、かつ、元々いた会社でそれなりに成果が出せていた人である。カルチャーフィットする会社を見つけることは難しいので、すでにカルチャーフィットしていることがわかっている場所で働くことはよいだろう。

出戻りをすべきではない人は、当然ではあるが、元々いた会社で活躍できず評価が悪かった人、2年未満の短期間で辞めた人は戻らないほうがよいだろう。おそらくほとんどの人からネガティブな印象をもたれているはずだからである。人の印象は、ほんの数回で決められてしまうので、それを覆すのは厳しい。よって出戻りしたところでマイナススタートだと気を付けたほうがよい。

離職率が高く、元々した人が全然いない場合は、短期間で退職した会社に出戻りするのも悪くないだろう。

転職経験ゼロで20年間同じ会社もリスク

転職をあおってしまうようなことを書いてしまうが、転職経験ゼロで40歳を迎えてしまうのは危険だ。業界3位以下の会社だと、買収されたり、倒産したりということはよく起こる。年金や給料の面で当初の予想と違った場合、転職して他に活路を見出すことができなくなる。ずっと同じ会社にいて、著しい成果を出せていない場合は、会社にしがみつかざるを得ないので気を付けておこう。

だからといって転職をしろというわけではなく、外の機会を見ておいて、自分には選択肢があるのだということを理解しておこう。もし、外に選択肢がない場合は、別のリスクヘッジをしないといけない。リスクヘッジをするために、マンション経営に手を出すと危険なので、自分に投資をしよう。

素直になれよ

戻りたくなった時に、出戻りする風土があるのならば素直に戻ったほうがよい。無意味なプライドで、出戻りを避けて、ジョブホッパーになるよりかは、素直になって出戻りを受け入れたほうがよい。ちなみに、素直になれよ、というのは、某バスケ漫画の「大人になれよ三井」から引用している。三井はバスケット部を辞めたが戻りたくても戻れずヤンキーになっている。

転職市場をまずは探ってみる

転職市場を見て、自分の価値がどこで高められることができ、そして自分の能力を発揮できる場所はどこか、確認しておこう。転職エージェントに会ったことがない人は転職エージェントに相談をしよう。ビズリーチに登録することが第一歩だ。ビズリーチに登録することで、市場価値を把握でき、どういう行動したらいいかの情報収集の第一歩になる。登録していない人は絶対に登録しよう。

また出戻りの多いコンサルティング業界については、転職エージェントであるアクシスコンサルティングに登録するとよい。ぜひ検討してほしい。今日は以上だ。

「人事」というキャリアに関しての考察

転職市場は活況であるが、各社採用には苦労している。採用の鍵を握るのが人事であるが、人事自体がキャリアに悩んでいることが多い。

そこで、人事として戦略的にキャリアを歩む上でどのようにしたらよいか考察をしてみた。

人事になりたい人、また現在人事を務めている人向けに、人事として今後どのようなキャリアを積んでいきたいかを採用視点をメインに語っていきたい。人事未経験の人でもわかるように主だった人事の業務を中心に書いていく。

人事の仕事内容

まず人事の仕事内容だが、簡単に分けると、採用、研修、労務、評価(人事考課)の4つがある。細かく分けるともっとあるが、ここでは割愛させていただき、今回はこの4つについて触れることにする。

採用は、新卒、中途の採用計画を立てて、採用までの詳細なプランを実行していく仕事である。

人事が取締役に入っている場合、採用人数や採用したい人物像に関しても人事部が大きな影響を及ぼす。

人事部が採用に影響を及ぼしているのは、人事にいる人にとってはプラスに働く。それが会社にとって良いか悪いかは会社によって考え方は様々だろう。

続いて研修だが、入社後の新人、中途研修と既存の社員のスキルアップ研修が存在する。

研修の目的は2つあり、新しく入った人が会社に順応してパフォーマンスを発揮できるようにするための研修と、既存社員に成長する場を設けるための研修だ。どちらも重要であり、難しい。

続いて労務だが、昨今だと、残業規制が大きな仕事だ。もちろん、給与計算、社保や福利厚生といったものも仕事に入るが、ある程度ルーティーン化されており、派遣社員との分業でうまくできている。

ただし、残業規制や働き方改革といった現場に対して協力を仰がないといけないものは人事がリーダーシップをとる必要がある。

こうした従来にはあまりなかった(重要視や問題視されていなかった分野の)仕事が出てきており、人事の力の見せ所だ。

最後に、評価だ。評価は社員のモチベーションに大きく関わってくる。公平感を持たせる評価で、スタープレイヤーに納得してもらう評価作りは難しい。

一部の人からえこひいきだと思われるのは仕方ないが、会社全体に評価の不公平が蔓延すると退職につながってくるので要注意だ。

採用は重要な仕事

さて、私は転職ブログを運営しているので、採用についてもう少し述べたい。

採用活動は以前より難易度が高くなっている。事業は拡大しているが、事業に必要な優秀な人が採用されにくくなっているからだ。

また、人材の奪い合いが業界や国を超えて行われるようになったため、採用の母集団形成の概念すら変わってきた。

例えば、トヨタの採用競合は日産ではなく、アップルやグーグルやAmazon、また人工知能を研究する新興ベンチャーといったところまで様々になった。

このような状況を理解したうえで、競合相手がどういう採用手法をとっているのかを理解しなければいけない。人事にも新しいことを受け入れる目が必要になってきた。

特に技術者の採用は競争が厳しく、技術者採用が得意な人事はあらゆる企業から引っ張りだこになってきた。タレントを採用できる人事は今後も求め続けられるだろう。

採用だけでは市場価値が上がらない

採用は重要と言ったが、もちろん採用の仕事だけしていてもいいわけではない。

外資系企業ではリクルーターのポジションで何社も渡り歩く人がいるが、そのような人には元コンサルタントであったり、英語力であったりとアドバンテージがある。

リクルーターだけだと人事としてのキャリアアップを図りたい人には今後の道が狭くなる。

また、労務や研修といった分野にも手を出していかないといけない。特にホットトピックである労務に関してタッチしておくとよい。

労務はなぜ重要なのか

労務が重要である理由としては、働き方改革による残業規制や生産性の高い働き方をすることが会社全体としても優先度が高まってきていることがある。

働き方など考えたことがなかった会社でも、労働時間を考慮せず働かせ放題にしていると、候補者から敬遠されるようになった。

イメージは重要で長時間労働のブラック環境というイメージがつくとなかなか悪評を拭うことができない。少しでもクリーンなイメージを持ってもらうことが重要だ。

労働時間に関して、いいイメージを持たせるには、TVCMを打てばいい問題ではない。きちんと社員1人1人が満足する働き方にして、Vorkersに悪口を書かれないようにする必要がある。

こうした状況を踏まえて、労務の重要性は高まっているため労務経験のある人は転職がしやすくなっている。労務と採用の経験を積んでおけば人事としては当面はキャリアアップがしやすい。

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大企業は労働組合関連の仕事も重要

大企業だと、労働組合との交渉も重要な仕事だ。

ベンチャーや外資では形骸化しているが、日系大手の労働組合は精力的であるため労組対応の仕事は経験として評価される。

骨の折れる仕事だが、労働組合関連の対応をやっている人は意外にも多くないため転職市場でも他と差別化が図れる。

ダイレクトリクルーティングの能力が今後人事の市場価値を決める

差別化の観点でいくと、採用の分野のダイレクトリクルーティングの能力は重要だ。

ダイレクトリクルーティングはビズリーチ等の転職サイトを使って、候補者に直接アプローチする方法だ。従来転職エージェントにお願いしていた仕事を人事が行うのだ。

ダイレクトリクルーティングにおいて重要なのは、メッセージの内容をいかにして返信率の高いものにするかだ。

多数のメールが送られてくるため候補者は全部見ることはない。そのためタイトル、そして開封したあとに返信したくなる文章にしておかなければいけない。

細かい工夫を含めて、ダイレクトリクルーティングができる人事は重宝される。

ネット上で完結する部分が増えてきた中で、面接以外の部分、ネット上だけで人の心を掴むのは難しい。こうしたスキルを磨くための研修が盛んに行われている。

人を集められる人事になることができるか

人事は、社内外で人を集められる存在になることも重要だと私は考える。

採用においても、人事のあの人がいる会社となるし、社内の研修においても、あの人がいるなら協力したいとなるので、人を集めるリーダーシップ型の人事は今後のトレンドの1つとなるだろう。

どうしても人事は黒子のイメージが外から見ると強かったが(転職エージェントからすると主役に見えるが)、人事自体が目立つ場面も増えつつある。

ビジネスパートナーの役割

BP(ビジネスパートナー)という言葉を聞いたことがあるだろうか。

外資系企業には多いが、BPという形で各事業部付けの人事となり、評価をサポートすることが多い。文字通り、ビジネスを遂行するうえで人事的な役割をより近くでサポートする形になり、部門と人事という壁があまりなくなる。

BPのポジションも、事業部の理解も含めて、大きな役割を果たしているのでチャンスがあればポジションに就いてほしい。

人事の位置づけが日系と外資系では大違い

人事の話をしてきたが、日系と外資系では役割が違う。

日系では人事は出世コースとして一時的に在職することがある。腰かけポジションにもなっている。

外資系では専門職として人事を極めていくが、社長になるようなコースではなく、バックオフィスのなかでキャリアを歩んでいくことになる。

日系の人事は人事だけずっとやっている人はそこまで多くなく、営業を始め他の経験をしている。

新卒から定年まで同じ会社にいる前提なら、様々な経験を積んで人事というのもいいが、現代においては外資系のような考え方のほうが合っているのではないかと感じる。

人事でキャリアを積みたい方に

さて、人事でのキャリアを積みたい方、また、人事から人事へ転職したい方には、ビズリーチをおすすめしたい。

転職エージェントが多数登録しているので、彼らに話を聞いてほしい。転職エージェントは、普段は企業の人事と話をしているため、実は人事の事情に最も詳しい。人事のポジションもかなり持っている。

別の要件を話していても、「そういえば人事でいい人いたら紹介してください」と小話で出てくることも珍しくない。

人事に詳しい転職エージェントに出会うためには、個人で行っている転職エージェントにビズリーチで出会うとよい。

リクルートエージェント等の大手は、分業制で、キャリアカウンセラーが企業の人事と話す機会が少ないため、人事情報をそこまで持っていない。

だからビズリーチ経由で会ったエージェントに相談しよう。未経験のポジションも多数ある。

今日は以上だ。

PwCコンサルティング、PwCアドバイザリーの組織解説

デロイト、EY、KPMGと並び、会計系コンサルティングファームとして世界に名をとどろかす、プライスウォーターハウスクーパース(PwC)。PwCは組織構造が複雑になっており、転職者にとってはわかりにくい。今回はPwC Japanの主要会社である、PwCコンサルティングとPwCアドバイザリーの方をそれぞれお呼びして組織解説いただいた。PwCコンサルティングとPwCアドバイザリーに転職する方はぜひ参考にしてほしい。

PwCが抱える法人について

-PwCというと、組織が色々ありますが、大枠で解説していただけますか。

PwCは複数の企業で構成されるグループなので、①グループ企業構成→②企業内の組織構成の順でお話しします。

グループ企業構成

グループ内の主要所の企業をざっくり整理すると以下のようになります。(機能:会社)

  • 監査:PwCあらた監査法人
  • コンサルティング:PwCコンサルティング
  • FAS(M&A・事業再生等):PwCアドバイザリー
  • 法務:PwC弁護士法人
  • 税務:PwC税理士法人

 その他にも、サイバーセキュリティ等に関するサービスを提供するPwCサイバーサービス等、いくつかグループ会社がありますが、主要会社はこんなところです。

我々の所属がコンサルティング、アドバイザリーである事と、それ以外は士業なのでこの2社の組織構成についてご説明します。

PwCコンサルティングの組織構成

-PwCコンサルティングとPwCアドバイザリーも組織が多岐にわたっていますよね。それぞれ解説していただけますか。

まずはコンサルティングからご説明します。PwCはよく組織再編が行われる会社であるため、あくまで2018年6月時点の話であることにご留意ください。

 総合系のコンサルティングファームによくあるように、インダストリー軸とソリューション軸で切られた、マトリックス組織となっています。

シンプルに抽象化してチームの役割分担を書くと、インダストリー軸のチームは、業界の専門知見をもってクライアントと対峙し、案件を獲得・マネージする役割です。

一方、ソリューション軸のチームは、ソリューションの専門家としてプロジェクトに参画し、インダストリー軸のチームと連携してクライアントにサービスを提供します。

 例えば、「自動車会社の営業部門の機能戦略を立案する」というプロジェクトがあるとすれば、インダストリー軸からCIPSの自動車チームが案件を獲得し、ソリューション軸のカスタマーチームが営業戦略の専門家としてプロジェクトに参画してCIPSと協力してプロジェクトを回します。

その中でCRMシステムが必要となればITコンサルチームを入れたり、M&Aが必要となればPMIチームを入れたりします。

 もちろん、ソリューション軸のチームが案件を獲得したり、インダストリー軸のチームだけでプロジェクトを回したりすることも普通にあり、実態がこの通りとは言えませんが、役割論としては上記のようになっています。

組織図を書くと以下のようになります。

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それぞれのチームを簡単に解説します。

インダストリー軸のチームは、専門とする業界を軸に、以下の5チームが存在します。

  • CIPSは、自動車関連、重工業系、商社、流通・小売、エネルギー等の昔からある伝統的な業界を専門にしています。
  • TMTは、ハイテクメーカーを含めたテクノロジー企業、メディア・エンタメ、通信会社等の比較的新しい業界を専門にしています。いわゆるメガベンチャーのようなIT企業、広告代理店等を思い浮かべていただければよいと思います。
  • FSは、金融業界を専門にしているチームです。メガバンクや証券会社等、イメージしやすいと思います。
  • HIAは、ヘルスケア業界を専門にしています。製薬会社が中心です。
  • PSは、政府系機関を専門にしています。XX省等をイメージしていただけるとよいと思います。

ソリューション軸のチームとしては、大きく、以下の4つがあり、それがさらにソリューションの専門性で細かく分かれます。

  • Strategy Consulting(SC)は、Strategy&で構成されます。Strategy&は旧ブーズ・アンド・カンパニーがPwCに統合されて設立されたチームで、いわゆる上流の戦略案件を担当するチームです。
  • Management Consulting(MC)は4つのチームで構成されます。以下4チームがそれぞれの専門性を活かして戦略策定から実行支援までサービスを提供しています。
      • SCM周りを専門とするオペレーションチーム
      • 営業・MKT周りを専門とするカスタマーチーム
      • 人事組織を専門とするP&Oチーム
      • M&Aを専門とするPMIチーム
  • Technology Consulting(TC)は、MCより多くのチームで構成されています。代表的な3チームをご説明します。これらのチームが伝統的なSAP、EBS等のERP導入から流行りのビッグデータ解析、デジタル戦略等、テクノロジー領域で幅広くサービスを提供しています。
      • いわゆるITコンサルティングチームのTAS
      • データアナリティクスを専門とするD&A
      • デジタル関係の専門チームであるD&DT等
  • 最後にRisk Consulting(RC)です。このチームでは地政学上のリスク等についてのコンサルティングや、フォレンジック業務を中心に担当しています。一般的なコンサルティング領域とは全く異なる専門性を持っています。

PwCアドバイザリーの組織構成

-なるほど多岐にわたりますね。いったんPwCアドバイザリーの解説もお願いできますか。

PwCアドバイザリーでは、M&Aを軸にしたサービスを提供しています。

従って、業界に特化する必要はあまりなく、M&Aや事業再生といったソリューションに特化することが求められており、コンサルティングでいうところの横串のソリューションチームのみで構成されます。

 内容としては、Deals Strategy、M&A Advisory、M&A Transaction BRS、CP&I、Forensic、の6チームになります。横文字ばかりなので1つずつ解説していきます。

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  • M&A Advisoryはいわゆる投資銀行やFASが行っている、FA業務を担当します。PwCアドバイザリーやEY、デロイトといった会計系ファームのFASは、投資銀行と比較して1社でDDや税務、法務に対応できるという強みがある一方、資金調達業務ができないという弱みがあります。そのため、ビッグディールでは、資金調達が可能な投資銀行に強みがあります。
  • Deals Strategyは、M&Aを基軸とした戦略コンサルティングを提供するチームです。PwCが買収したマーバルパートナーズというM&A戦略ファームが母体となっています。
  • M&A Transactionは、FDD、Valuation、Modelingといったディールに必要な業務を担当します。
  • BRSは、業績が悪化した企業の再生を支援する、いわゆる事業再生を担当しています。これは競合他社と比べてもPwC Japanの強みのあるサービスです。ここ数年間に起こった大企業の不祥事や業績悪化は、ほぼ間違いなくBRSチームが支援しています。
  • CP&Iは公共系の案件を行う部門です。PPP(Public Private Partnership)やPFI(Private Finance Initiative)等のアドバイザリー業務を行っています。詳しい説明は省きますが、PPPは公共サービスを、国または各自治体、民間と協力して事業を行うパターンです。PFIは公共施設の建設や運用を民間のノウハウを活用して事業提供するものです。空港や病院運営等に活用されていますね。

 

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PwC全体について

-ありがとうございます。コンサルティングとアドバイザリーの2部門だけで非常に組織が多岐にわたっていますね。いくつか質問させてください。まず、組織の規模感を知りたいので人数を教えてください。

PwCコンサルティングは最近だいぶ規模が拡大したので正確な人数はわかりませんが、1500~2000人程度だと思います。

PwCアドバイザリーは500~600人程度です。アドバイザリーはBRSが最も規模が大きく、100人程います。

事業再生の部門に100人も抱えているのは日本ではPwC Japanだけで、他社はせいぜい20人程度です。アリックスパートナーズやデロイトの事業再生チームはそれほどの規模はないと聞いています。

-戦略コンサルティングをする部署だけで、PwCコンサルティングのStrategy&、MCそしてPwCアドバイザリーのDeals Strategyと3部門ありますね。どのように、住み分けているのでしょうか。

総合系のファームではよくある部門間の領域被りの話ですね。

場合分けをして、①Strategy&とMCの比較、②Strategy&とDeals Strategyの比較、③MCとDeals Strategyの比較でお話しします。

①Strategy&とMCの比較

どんな組織にもそうですが、役割分担には本音と建て前があります。

建前の話をすると、PwCでは、「戦略」と名の付く案件は基本的にStrategy&が担当することになっています。

とはいえ、一口に「戦略」といってもいくつかレイヤーがあります。

PwCコンサルティングでは、Strategy&が担当する「戦略」とは、いわゆる全社戦略や事業戦略を指し、MCの部隊は、機能戦略を担当するという立て付けになっています。

例えば、ある会社のA事業部の戦略立案プロジェクトであればStrategy&、営業戦略立案プロジェクトであればカスタマーチームという具合ですね。 

本音の話をすると、Strategy&が機能戦略を担当することもあれば、MCのチームが事業戦略を担当することもあります。

私自身も両方担当したことがあります。結局はどのパートナーが獲得したプロジェクトかによって、担当するチームが変わるというのが実情です。

もちろん、あまりにもケイパビリティが違うプロジェクトは担当チームに引き渡すのが通常です。

例えば、事業の中計立案の中でシステムの話が出てきたらTC、人事制度の話が出てきたら人事チームに手伝ってもらいます。

②Strategy&とDeals Strategyの比較

この両者の場合は、チームのミッションが異なります。

Deals Strategyの場合は、基本的にM&Aありきで提案してプロジェクトを受注するのに対し、Strategy&は会社の戦略のを実行する1オプションとしてM&Aをとらえます。

もちろん、Deals Strategyでも、以前M&Aをお手伝いした会社から戦略立案の仕事を頼まれた場合等では、M&Aにこだわらない戦略立案プロジェクトも受注しています。

③MCとDeals Strategyの比較

上記の2例でほぼお分かりかと思いますが、MCとDeals Strategyでは、戦略の切り口が異なります。

Deals StrategyはあくまでM&Aが基軸、MCは自分たちの専門領域が基軸です。

コンサルティングとアドバイザリーの仕事の違い

-案件を獲得する際の違いはあるのでしょうか。

コンサルティングの場合は、前提として基本的にクライアントが有数の大企業ばかりです。インダストリー軸のチームが大企業のアカウントを持っており、そのリレーションを活用して提案することが多いです。

コンサルティングのフィーはなんだかんだ言っても高額なので、支払える企業が限られます。大企業のほとんどがすでに顧客であるため、新規に開拓する方が非効率になるケースが多く、結果的に既存顧客への追加提案が多くなります。

 

一方、PwC アドバイザリーはあくまでディールという切り口でのプロジェクト受注となります。ディールには銀行等の金融機関がほぼ確実に絡むので、銀行からの紹介で案件が来ることが実は多いです。

融資先の業績が悪化してきたときに、融資元の銀行がBRSチームに事業再生を依頼するというケースが典型です。

銀行は何十億、何百億円と融資していますから、会社がつぶれたら銀行は困ります。

数千万円のコンサルティングフィーを融資先に払ってもらうことで、融資回収が不可能になるのを防げるのであれば、コンサルティングフィーなど安いものという考え方です。

他には、M&Aの実行段階で支援している銀行から依頼が来ることもあります。

 

-戦略案件の場合、プロジェクトの期間もPwCアドバイザリーとPwCコンサルティングで同じくらいなのでしょうか。

Strategy&やDeals Strategyが担当するようなプロジェクトであれば、通常3ヶ月程度のものが多いです。一派的なコンサルティングファームのように、レポートを提出しておしまいとなる形が多いです。

また、BDDやFDD等の1ヶ月程度で終わるプロジェクトも存在します。

 一方、MCが担当することが多い機能戦略や、再生までハンズオンするBRSの場合は戦略立案から実行支援までプロジェクトスコープとなることが多く、3ヶ月で戦略立案、その後さらに3ヶ月~6ヶ月(場合によっては1年以上)支援するという形が多いです。

 こうしてみると、あくまで戦略という上流案件の切り口で見ると、アドバイザリーだから短い、コンサルティングだから長いというわけではなく、部署や役割によってプロジェクト期間が変わるようなイメージですね。

ポジション・昇進・給料はコンサルティングとアドバイザリーで異なる点が存在

-PwCコンサルティングとPwCアドバイザリーでポジションや昇進スピード、年収は変わってくるのでしょうか。

PwCでは、コンサルティング、アドバイザリー共にポジション構成は同じです。

下から順に、アソシエイト(A)、シニアアソシエイト(SA)、マネージャー(M)、シニアマネージャー(SM)、ディレクター(D)、パートナー(P)・マネジングディレクター(MD)となっています。各タイトルでさらに複数のクラスに分かれています。

 昇進スピードは、PwCコンサルティングの方が早い傾向があります。

新卒に関して言えば、AからSAへの昇進はPwCコンサルティングで最速3年目、PwCアドバイザリーだと最速4年目です。

とはいえ、PwCコンサルティングで3年目、つまり、2年と数ヶ月程度で昇進できるのは同期の5%も満たないくらいなので、最速昇進できるのは、限られた仕事ができる人だけです。

 

PwCアドバイザリーだと、金融業界出身者が多いということもあり、PwCコンサルティングに比べると、年功序列な空気があります。もちろん、仕事ができないと一向に昇進できません。

年収について述べると、PwCアドバイザリーの方が同じポジションでも年収が高くなっています。金融業界出身者を採用していると、および、昇進スピードがPwCコンサルティングより遅いことが理由として挙げられます。

-具体的に年収はどれくらいに各ポジションでなるのでしょうか。

コンサルティングに関してざっくりいうと、Aでベース420~550万円+残業代+ボーナス、SAで600~800万円+ボーナス+残業代、Mでベース1000万円行くかどうかくらいでしょうかね、

アドバイザリーはそれよりやや高い給与レンジになっています。

異動・配属について

-部門は異動できるのでしょうか。例えば、PwCコンサルティング内での異動、および、PwCコンサルティングからPwCアドバイザリーへの異動は可能なのでしょうか。

会社として社内異動制度が用意されており、それを活用することでたとえコンサルティングとアドバイザリーのように会社をまたいでも異動することが可能です。もちろん同会社内の部署異動も可能です。

-某会計系ファームだとITの部門になると脱出がほぼ不可能になっていますが、異動制度は建前でなく、実際に利用可能なのでしょうか。

可能です。所属部門のパートナーが、異動制度を行使した職員を止める権利はありません。止めにかかって処分された例がかつてあったと聞いたことがあります。

1年以上同一部署に所属している等、異動制度を利用する条件を満たしていること、及び移動先の承認があれば確実に移動可能です。

新卒について

-新卒採用時の配属はどのようになっているのでしょうか。

新卒採用は、ストラテジー採用、テクノロジー採用、コアコンサルティング採用の大きく3つのルートがあります。

ストラテジー採用はStrategy&、テクノロジー採用はTCに配属されます。

コアコンサルティング採用の新卒がコンサルティングとアドバイザリーの各部署に配属されます。

 コアコンサルティングにおける配属のプロセスとしては、1~2ヶ月程度の全体研修を受け、その中で配属希望を提出します。配属自体は研修のパフォーマンスを加味して決定されます。

研修で目立ったパフォーマンスを出していると、配属希望が通りやすくなります。

-新卒の配属において人気の部門はありますか。

人気の部門は年度によりますね。PwCアドバイザリーだとCP&Iは公共系ということもあり、女性に人気です。BRSもPwCが強みを持つ看板部署なので人気ですね。

2018年度入社の新卒は、確か100人くらいがPwCコンサルティングで20人くらいがPwCアドバイザリーだったと思います。

-コンサルティングファームの巨大化が進んでおり、質の低下も叫ばれていますが実情としてはどのように感じますか。

以前は一定数、エッジのある人を採用していたのですが、最近は、Tier2らしい採用ですね。

PwCによく来たなぁという高いレベルの人を少数採用していました。エッジが効きすぎていて、周りの社員とは文化的にあまり馴染めないものの、特定の領域で能力を発揮する人を採用できていたのですが、今は平準化された印象です。

仕事の内容について

-PwCは客先常駐案件が多いイメージですが、いかがでしょうか。

常駐する案件も多数あります。

ただ、M&Aの案件だと客先に常駐する意味がないので、週1回、もしくは月に1回、社長や経営企画部長と会う感じです。

ミーティング以外は、PwCのオフィスでチーム毎に一緒に作業をしています。

-社長への提案は、部長への提案と提案の質が大きく変わりそうですね。

社長の目線で考えて、提案することが重要になってきます。

社長だと細かいところはどうでもよくて、会社を買う際に、最初に大体いくらですと提示するときは、桁がずれていなければいいですし、社長が買収を決断するのに必要な情報だけ、提案しなければいけません。

部長クラスだと細かい市場の成長性とかを見せないといけないです。

 社長クラスだと、相手に買収をしかける際に、どういうタマをどういう順序で出すかも我々が考えて提案するので、目線が高くなります。

買うのか買わないのか、買ったら儲かるのか、儲からないのかと、通常の経営企画部長と、話す内容が大きく異なるので使いわけが難しいですね。 

-どういうプロジェクトが忙しくなりますか。

戦略ファーム出身の人が上司というか、マネージャーとなるプロジェクトは忙しくなります。長時間労働に慣れている気がしています。

ローランドベルガー出身の人は、特に労働時間が長い気がしています。PEファンドからの転職組もいますが、彼らは優秀なように感じます。

また、チームごと他社から異動してくることもあります。偉い人が転職したのに合わせて、チーム丸ごと移籍する感じです。 

転職してくる人について

-転職組は事業会社出身の人も多いでしょうか。

事業会社出身の人も一時期は多く採用していましたが、今は採用が少なくなっているように思います。事業会社出身でコンサル未経験の人は、なかなかコンサルで価値を出せずに苦労している人が多かった印象です。実際に働き方が合わず短い期間で辞めていった方も少なくありません。

-事業会社出身で活躍できないというのはどういうところなのでしょう。

コンサルタントの働き方と、事業会社での働き方は大きく異なります。事業会社での自分の成功体験を捨てて、0ベースでコンサルスキルを身に着けた中途の方は大活躍する印象があります。

逆に事業会社のやり方にこだわる人はコンサルタントとして活躍することは難しいと感じます。

 

例えば、目的とアウトプットイメージを明確にしないまま作業を開始して時間を無駄にしたり、指示待ちになってしまう人は見たことがありますが、当然評価されていませんでした。

評価について

-評価という話が出たのでお伺いします。評価は公平に感じていますか。

そうですね。あくまで私見ですが、それなりに正当に評価されていると思います。

会社としてグローバルで定められた評価基準があり、それに沿って評価されます。

大きく5項目の評価項目があり、リーダーシップやテクニカルスキル、ビジネスの知見やリレーション力等、コンサルとして活躍するに必要な能力を評価されます。

 

一緒に働くマネージャーが評価してくれるので、自己評価とマネージャーの評価が大きく乖離することはありません。

自己評価とマネージャーの評価がずれていた場合は、正当なロジックとファクトをもって議論をすることで、評価は適正なものに修正されます。

 

ただし、チームごとに少し評価項目の解釈に違いがある場合があるので、それは事前に確認し、上司とすり合わせておくべきです。

-評価が悪い人はどうなるのでしょうか。

評価が悪い人はそもそも案件にアサイメントされないか、その人でもできるロールでアサインされます。例えば、SAのポジションだとしても、Aのように扱われたり、難易度が低めの案件にアサイメントされたりします。

 

そのような人は、自分でも評価が悪いことに気が付くので、最終的には辞めますね。 

-クビもありますか。

Up or Outの文化・制度はあまりないので、表立ったクビはあまり聞いたことがないです。

 ただし、当然パフォームしていないと、先ほど言ったようにアサイメントされず干されますし、やめていった人は裏では退職勧告を受けているケースは当然あると思います。あくまで推測ですが。 

-役職ごとに求められるスキルも違いますよね。

Aの内は一般的にはタスクレベルのスコープを見ます。

そのため、プロジェクトの文脈を理解して、一つ一つの分析や資料作成等を高品質でこなすことが求められます。

 SAになると、モジュール単位でスコープを見ます。例えば、新規事業立案プロジェクトが、新サービスのビジネスモデル検討、販売戦略検討、マーケティング戦略検討の3モジュールで構成されるとすると、SAはその一つの責任を負って仕事をします。

 そのため、モジュール単位の設計、分析などのタスク遂行、場合によっては下につくAのマネジメントができる必要があります。

 Mとなると、モジュールすべてを設計し、プロジェクトを回すことがスコープとなります。

また、管理職としての側面もあり、自分がいくら分析や資料作成の能力があっても、部下や後輩を育成できない人材はMとしては失格とみられることがあります。

意外と優秀で早く昇進する人ほど、こうした下へのコミュニケーションスキルの課題点を指摘されることがあります。

 SM以上になると、年間の予算責任が生じ、プロジェクトを生み出すことが仕事になるので、プロジェクトを回すよりは営業力や社外リレーションが求められます。

たまにM以下の実務能力がイマイチでも、営業力がすさまじくSM以上で大活躍する人がいます。

PwC全体の印象

-PwC全体としては、どのような人が多いですか。

PwC全体だと、丸くておだやかな人が多い印象です。

-辞めていく人はどういうところにいくのでしょうか。

一般的なコンサルティングファームと同じですが、同業に転職する事が多いと思います。

若手だと同業以外ではベンチャー企業に行く人が多い感じがします。起業する人もいますが。

 マネージャーを超えると、同業転職の割合が増えます。事業会社に行くとしたら、ベンチャーに経企部長やCXOで行くか、もしくは大手企業の経営企画部も結構います。 

-中途できた優秀な人も辞めていると聞きますがどういう理由でしょうか。

仮にコンサルとしてフィットしているとしたら、人があわない、プロジェクトがつまらない、より条件の良いオファーが他社からあったといった理由が考えられますね。

例えばDTC(デロイト)の方が基本的にPwCより給料がいいらしいと噂で聞いたことはあります。そういうケースは多いと思います。

-社内の力学として、どの部門が権力を発揮しているのでしょうか。

シンプルに規模が大きく、売り上げ規模が大きい部署の影響力が強くなりがちです。

コンサルティングでは、CIPS、FSといった案件規模が大きく人員も多い部門、アドバイザリーではBRSが最大規模なので影響力が大きいです。

 大きいチームはボーナスが良かったり、稼いでいる関係で昇進の椅子が多くもらえるので昇進が早かったりとメリットがあります。

 一方、スタッフ目線に立つと、小さいチームのメリットもあります。

上の人まで顔が良く分かっているので、何かあったときに守ってくれます。大きいチームだとより機械的に管理せざるを得なくなり、人と人のつながりが希薄になりやすい気がします。

 また、小規模でとがったチームの方が人材の質が高く、面白い案件が経験できる可能性が上がることもメリットです。

大規模チームではどうしても全員が優秀というわけにはいかず、優秀な上司に巡り合う確率が下がります。

-ありがとうございました。

編集後記

PwCコンサルティングおよび、PwCアドバイザリーの現役コンサルタントの方にお話を伺った。PwCはコンサルティング業界内外含め、名の通った会社ではあるが、組織内部については知られていないところも多く、有意義なインタビューになったように思う。

コンサルティング業界、及びPwCコンサルティング、アドバイザリーに興味のある方は是非ビズリーチへ登録してほしい。

コンサル未経験からの転職には、アクシスコンサルティングもおすすめだ。

今日は以上だ。